異世界無宿

ゆきねる

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第二十二章 一斉捜査

第三百四十二話 元気の秘密?

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マスタングの提案を聞いたベリアは、改良内容を確認する。

「改良ってどんな?」

「完成度が高いので、ひとまずセイフティの追加を提案します」

「セイフティって、ナイフを奪われた時に発動するやつか?」

「そうです。奪取者の腕を微塵切りにした実例は記憶に新しいかと」

ベリアは一度イズミの顔色を伺うように此方を見てきた。
勝手に頼んで良いものか迷っているようだったが、イズミは静かに頷いた。

「以前のナイフより性能が格段に向上しているので、奪取者の両腕を微塵切りにする事も可能です」

「それはやり過ぎじゃないか?」

「敵戦力を効果的に削ぐならば、この位のセイフティが妥当かと」

ベリアは悩んだ末に、セイフティの追加を頼んだ。
セイフティの追加処理は、過去に行った実績のお陰でスムーズに終わった。

「必要に応じて効果付与も行えますので、何時でもお声掛け下さい」

「…分かった。取り敢えず慣れるまでは、このまま使ってみる」

トランクからナイフを取り出すと、ベリアは定位置に戻して身体を動かす。
やはり重量差を感じるのか、少し首をかしげながらナイフの抜き差しを繰り返している。

「マスタング様、お聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか」

「勿論です」

フラウリアの声を聞いたマスタングは、トランクを閉めてフラウリアの質問を待つ。

「グラテミア叔母様についてなのですが…最近すこぶる元気なのです。美容品には特別な効果付与はありませんし、ペンダントの持つ効果なのかと考えているのですがイズミ様の説明だけでは納得し難い点がありまして」

「…車内モニターをご覧下さい」

マスタングは助手席を開けてフラウリアを呼び込むと、モニターにペンダントの詳細情報を表示した。
イズミも運転席側からモニターを覗き込むと、自分も知らされていない効果が記載されていた。

「疲労回復、血行促進、神経痛緩和、自律神経の活性化、骨関節症の痛み軽減…やはり他にもあったわね」

「うーん、でもコレが元気になった根拠になるのか?」

イズミの確認する限り付与されている効果は、元いた世界の磁気ネックレス+アルファくらいに思える。
プラシーボ効果の可能性も考えたが、マスタングが実体化させた事を踏まえると恐らく、確実に効果があるものと思うのが正解だろう。

「マスタング、念の為に聞いておくが。効果の体感レベルはどのくらいだ?」

「全て最大値です」

「それはつまり…」

「身に付けている間は、全て完治した状態そのものと考えて良いです。外してから48時間までは効果がそのまま持続し、72時間で効果が半減し、168時間まで効果が減少しつつ持続します」

「痛みを感じなくなっている訳では無くてか?いくら緩和したって完治では無いだろ」

「魔法の力は偉大ですね」

全てが【魔法だから】で片付くのが非常に気になるが、気にした所で現状が変わる訳でもなくグラテミアの調子は良いのだ。

「元々の食事で必要な栄養は摂取されていましたので、疲労回復と血行促進の効果が全身に行き渡れば他の効果は不要だったかもしれません」

「でも付与したと」

「お礼の品ですから、効果は多い方が良いかと」

納得出来るような、出来ないような不思議な気持ちになりつつイズミは運転席から降りる。

「宝石には効果付与はされてないのですね」

フラウリアがモニターに触れ、宝石の情報を確認して聞いてきた。

「異世界原産の希少な宝石と考えて戴ければ」

「…本当に効果付与は無いのね?」

「ありません。もしあるとすれば」

「あるとすれば?」

マスタングの言葉に反応したフラウリアが、次に来る言葉を待つ。

「気分が上がるくらいかと」

「気分」

フラウリアも納得出来るような出来ないような、微妙な表情をしながら助手席を降りて来た。
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