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第二十二章 一斉捜査
第三百五十二話 安らげる1杯
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イズミは屋敷の料理人達が忙しく動き出してからも、いつくかのカクテルを作っている。
ベリーのジュースに混ぜてみたり、南国に住むラミア族から送られて来たと言うフルーツで作ったジュースと混ぜてみたり。
シェイクせずとも普通に美味しく飲めるアレンジ、元いた世界の言い方だとビルドである。
思いの外ウケが良かったのは、オレンジに似た果物のジュースと混ぜたカクテルだった。
今日の仕事を終えた従者達の強烈な視線が、イズミ達の試作中のカクテルに向いているのが分かる。
「シェイクしなくても美味しい飲み方もあるんだな」
「シェイクですか?それをするとしっかりと冷えますが、ドリンクによっては風味が薄まる事もありそうですね」
ベリアや料理人が一通りの試飲が終わるのを確認してから、イズミは片付けをしながら残り僅かとなった瓶を手にとってマジマジと見つめながら呟いた。
「不思議な事もあるもんだな」
元いた世界に存在している酒と似たような酒が、出自は違えど存在している事実が面白い。
「なんか言ったか?」
「いや、色々な飲み方が出来て面白いと思っただけさ」
ベリアが聞いてきたので、荷物を片付けながら答える。
今後はたまにカクテルを自作して楽しむのも良いだろう。
そんな考えをしていると、賑やかになっていた食堂にグラテミアとソフィアがやって来た。
イズミは腕時計を確認するが、食事の時間には少し早い。
「イズミ様、先程料理部門より至急での購入申請があったのですが」
「ベリアが酒屋で新商品を買って来てくれまして、どんな飲み方が良いのか試していたんです」
グラテミアとソフィアにも試飲して貰おうと、牛乳の入った瓶と酒瓶とシェイカーを取り出す。
「氷ですね」
シェイカーを見た料理人の1人が、すかさずイズミの持つシェイカーに氷を入れてくれた。
これは恐らくカクテルを作ったお溢れ目当てな気もするが、それはそれで良いだろう。
役得と言うのは、あって良いものである。
試飲では1杯分を3人に分けたが、グラテミアとソフィアにはしっかりと1杯分を提供する。
シェイカーを振る音がする度に、屋敷の従者達の視線が集まるのが分かる。
「…まぁ、こんな感じです。飲む酒入りデザートみないなイメージです」
「では戴きます…甘さと牛乳の味わいが良いバランスですね」
「このシェイクってのをしないと、しっかりと冷えないんです。ソフィアさんは飲めますか?」
「飲めるわ」
グラテミアが綺麗な所作で一口飲む。
イズミは続けてソフィアの分も作り、グラスに注いで手渡した。
「ありがとう…美味しいわね」
「それは良かったです」
少し表情が良くないソフィアだったが、カクテルを飲んで少しだけ柔らかくなったように思える。
「気負い過ぎは身体に毒だぞ」
「え?」
「顔に疲れが見える。頑張り過ぎなんだ、もう少し肩の力を抜いた方が良い」
イズミはソフィアの事情を聞かずに、もう1つカクテルを作る。
ジンのような1級ドワーフ酒と、手持ちのトニックウォーターを使ったジントニックだ。
理想を言えばカットライムを入れたいが、無くても十分美味しいはずだ。
「これはドワーフ酒とラミア族にて量産計画中のドリンクを、1:4で混ぜたものです」
ジントニック用のグラスの氷も料理人がニコニコで用意してくれたので、お礼としてジントニックを作って差し入れとして渡した。
「ありがとうございます!」
料理人は満面の笑みでジントニックを受け取ると、グイッと半分程を飲み非常に満足気である。
「料理長!購入して来ました」
遠くからダッシュで近付いて来た従者が、手に持った袋から酒瓶を取り出す。
「指示のあったお酒ですが、在庫が10本との事だったので8本購入して来ました。これであの飲み物を作って下さいね」
従者達からの圧を感じた料理長の表情が固くなっているので、イズミは持っていたシェイカーを料理長に渡す。
「私は作りませんが、作り方はお教えしますよ。今日と明日は居りますので」
「…助かります」
その後この料理長はチーズケーキとカクテル作りに注力する事になり、屋敷で働く従者達からの熱い視線に応え続ける日々が続くのである。
ベリーのジュースに混ぜてみたり、南国に住むラミア族から送られて来たと言うフルーツで作ったジュースと混ぜてみたり。
シェイクせずとも普通に美味しく飲めるアレンジ、元いた世界の言い方だとビルドである。
思いの外ウケが良かったのは、オレンジに似た果物のジュースと混ぜたカクテルだった。
今日の仕事を終えた従者達の強烈な視線が、イズミ達の試作中のカクテルに向いているのが分かる。
「シェイクしなくても美味しい飲み方もあるんだな」
「シェイクですか?それをするとしっかりと冷えますが、ドリンクによっては風味が薄まる事もありそうですね」
ベリアや料理人が一通りの試飲が終わるのを確認してから、イズミは片付けをしながら残り僅かとなった瓶を手にとってマジマジと見つめながら呟いた。
「不思議な事もあるもんだな」
元いた世界に存在している酒と似たような酒が、出自は違えど存在している事実が面白い。
「なんか言ったか?」
「いや、色々な飲み方が出来て面白いと思っただけさ」
ベリアが聞いてきたので、荷物を片付けながら答える。
今後はたまにカクテルを自作して楽しむのも良いだろう。
そんな考えをしていると、賑やかになっていた食堂にグラテミアとソフィアがやって来た。
イズミは腕時計を確認するが、食事の時間には少し早い。
「イズミ様、先程料理部門より至急での購入申請があったのですが」
「ベリアが酒屋で新商品を買って来てくれまして、どんな飲み方が良いのか試していたんです」
グラテミアとソフィアにも試飲して貰おうと、牛乳の入った瓶と酒瓶とシェイカーを取り出す。
「氷ですね」
シェイカーを見た料理人の1人が、すかさずイズミの持つシェイカーに氷を入れてくれた。
これは恐らくカクテルを作ったお溢れ目当てな気もするが、それはそれで良いだろう。
役得と言うのは、あって良いものである。
試飲では1杯分を3人に分けたが、グラテミアとソフィアにはしっかりと1杯分を提供する。
シェイカーを振る音がする度に、屋敷の従者達の視線が集まるのが分かる。
「…まぁ、こんな感じです。飲む酒入りデザートみないなイメージです」
「では戴きます…甘さと牛乳の味わいが良いバランスですね」
「このシェイクってのをしないと、しっかりと冷えないんです。ソフィアさんは飲めますか?」
「飲めるわ」
グラテミアが綺麗な所作で一口飲む。
イズミは続けてソフィアの分も作り、グラスに注いで手渡した。
「ありがとう…美味しいわね」
「それは良かったです」
少し表情が良くないソフィアだったが、カクテルを飲んで少しだけ柔らかくなったように思える。
「気負い過ぎは身体に毒だぞ」
「え?」
「顔に疲れが見える。頑張り過ぎなんだ、もう少し肩の力を抜いた方が良い」
イズミはソフィアの事情を聞かずに、もう1つカクテルを作る。
ジンのような1級ドワーフ酒と、手持ちのトニックウォーターを使ったジントニックだ。
理想を言えばカットライムを入れたいが、無くても十分美味しいはずだ。
「これはドワーフ酒とラミア族にて量産計画中のドリンクを、1:4で混ぜたものです」
ジントニック用のグラスの氷も料理人がニコニコで用意してくれたので、お礼としてジントニックを作って差し入れとして渡した。
「ありがとうございます!」
料理人は満面の笑みでジントニックを受け取ると、グイッと半分程を飲み非常に満足気である。
「料理長!購入して来ました」
遠くからダッシュで近付いて来た従者が、手に持った袋から酒瓶を取り出す。
「指示のあったお酒ですが、在庫が10本との事だったので8本購入して来ました。これであの飲み物を作って下さいね」
従者達からの圧を感じた料理長の表情が固くなっているので、イズミは持っていたシェイカーを料理長に渡す。
「私は作りませんが、作り方はお教えしますよ。今日と明日は居りますので」
「…助かります」
その後この料理長はチーズケーキとカクテル作りに注力する事になり、屋敷で働く従者達からの熱い視線に応え続ける日々が続くのである。
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