異世界無宿

ゆきねる

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第二十二章 一斉捜査

第三百五十九話 ベリア専用リボルバー

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怪物リボルバーが実体化完了する直前、マスタングから確認が入った。

「マスター、リボルバーに特殊弾を装填してよろしいでしょうか」

「具体的には?」

「魔力充填式の実戦用カートリッジです。込める魔力量によって発射する弾丸の威力が変化します」

「ソフィアに渡したのは非殺傷だったが、今回も一緒なのか?」

「ソフィア様の武器は緊急脱出時の武器ですので隠密仕様かつ省エネルギー設定にしましたが、非殺傷と言えども性能は強力です。今回はかなりの殺傷能力を保有しております」

イズミはそのカートリッジでの実体化を許可する。

「そのカートリッジは、俺でも使えたりするのか?」

「無理です、マスターは魔法が使えませんので」

「やっぱりか」

少し残念そうに肩を落としたイズミだったが、実体化が完了したリボルバーを取り出した時、自分用の武器では無い事に安堵した節があった。
まず体感として、自分のマグナムよりも重く感じたのだ。
そしてシリンダーもデカい。

「よし、コレがベリア専用のバックアップだ」

「専用って言われるとドキドキするなぁ…重っ!?」

ベリアが右手でリボルバーを握りしめると、マスタングが簡単な操作説明を始める。

「現在は練習弾用の魔力しか込められておりませんので、その状態で撃っても殺傷能力はありません。武器の反動がどの程度あるのかを確かめ終えましたら、ベリア様が直接魔力を込めて下さい」

「分かった、試してみる」

2人はマスタングから降りると、射撃練習をする。

「マスタング、発砲音はするのか?」

「しませんが、マズルフラッシュが光だけになるのと反動が確かめられるだけとなります」

「ブランク弾みたいな感じなら、小屋内で試しても大丈夫か」

ベリアが片手で撃とうとしていたので、イズミは咄嗟にベリアを制止させる。

「ちょっと待ってくれ、まずは両手で構えた方が良い」

「両手で?」

「反動が強すぎる可能性がある。片手で撃つと反動でリボルバーがぶっ飛ぶかもしれない」

「そんなにか?」

ベリアは半信半疑でリボルバーを両手で構える。
イズミの指示で狙いを付けると、ハンマーを起こしてから引き金に指をかけた。

引き金を引ききった瞬間、リボルバーの銃口から凄まじい光が放たれ、リボルバーは反動で大きく動き銃口は天井へと向く程だった。

「初めてでも抑えきれたのか、才能ありだな」

「…」

イズミがボソリと呟いた隣で、ベリアは尻尾をブワっと膨らませている。

「どうした?」

「手が痛ぇ」

「反動が強烈だからな。マスタング、このリボルバーの威力はどの程度だ?」

イズミがマスタングに確認を取る。

「最低でも44マグナムの3倍、込める魔力量によっては10倍から15倍での通常運用が可能です」

「その分マズルフラッシュも反動も発砲音もデカくなる…耳栓もあった方が良いかもな」

ベリアはもう一発両手で構えて引き金を引く。
今度は肘を上手く利用して反動を流したのか、銃口はそこまで上へと向かなかった。

「反動を流したのか、流石だな」

「イズミの戦闘は何度か見てるし、その時の動きを真似してみたんだ」

ベリアは次に右手のみでリボルバーを保持し、試し撃ちを試みる。

強烈な反動を上手く逃がせてはいたが、それでもリボルバーが顔面にぶつかるような危うさを感じる。

「どうだ?」

「激ヤバだ。反動が強過ぎて手が痺れるから、連続で使うには気合いと覚悟が必要だな」

ベリアは一度リボルバーをイズミへ返却すると、痺れているという右手のマッサージを始めた。

「マスター。キャリー用のホルスターを実体化しましたので、ベリア様に渡して下さい」

「分かった」

マスタングはリボルバーのキャリー用として、ショルダーホルスターとバックサイドホルスターを実体化させていた。
ウェスタンスタイルのホルスターは無かった。

「ベリア、マスタングから付属品のプレゼントだ」

「プレゼント?」

「リボルバーを仕舞うホルスターだ」

「これはイズミのと一緒のヤツで、コッチは?」

「背中側に仕舞う感じだ。時間がある時に試してみようか」

「だな」

そんな話をしていると、ソフィアの部下が連絡にやって来た。

「失礼、突入の日時が決まったので連絡に参りました。言葉には出さないで頂きたい」

「分かりました」

広げられた紙に書かれていた文字はイズミには読めなかったが、マスタングが過去に実体化してくれたメガネで確認すると翻訳して表示された。

明日の朝一番に突入、そう書かれていた。

「…分かりました。ベリアも?」

「あぁ、分かった」

2人が確認出来たと判断した男は、炎魔法で紙を焼却処分する。

「では、よろしくお願いします」

男が小屋から出ていったのを確認した2人は、ホルスターの調整をしながら明日の突入に備え休憩に入った。
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