異世界無宿

ゆきねる

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第二十二章 一斉捜査

第三百六十話 町へ入る

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翌朝。
イズミは太陽が昇り始める前にベリアから叩き起こされた。

ベリアは外の動きを察知する能力に長けているのか、離れた場所にいるソフィアの部隊の動きを感じ取り既に起床し準備を済ませていたのだ。

「おぉ…もう時間か」

荷物を片付けて倉庫からマスタングを出すと、遠くの建物からも馬車を表にだしている最中だった。
此方の動きに気付いた部隊の人間が1人、マスタングへと近付いて来たので挨拶を交わす。

「おはようございます、此方は準備万端です」

「分かりました。ソフィア様は我々の馬車に乗りますので、貴方達は馬車の最後尾から付いてきて下さい」

「最後尾ですね」

確認を済ませるとイズミとベリアは、マスタングに乗り込んでエンジンを始動させる。

「マスタング、ソフィア達の馬車の最後尾に付ける」

「かしこまりました」

イズミは馬車から少し広めに距離を取りつつ、目的地へと移動を始める。


太陽が昇り始める頃合いで、馬車で動きがあった。
旗を掲げたのだ。

「マスター、そろそろ町が目視出来ます」

イズミは僅かに車体を左に寄せて視界を確保すると、遠くに大きな町が見える。
街を守る防壁があり、攻め入るのは苦労しそうである。

町への入口である門が遠目で確認出来る場所で、目の前の馬車が減速し停車すると男が降りて来た。

「ソフィア様から伝言です…町に入ったら馬車とは別行動を取り、待機せよのと事です」

「待機場所の指定が無いなら、敢えて市場辺りに居ても問題は無いのですね」

「我々との関連性が捜査終了まで悟られなければ、問題ありません。此方の魔石を持っていて下さい、ソフィア様との魔法通信が出来ます」

「分かりました。即応出来るように待機してます」

男が馬車に戻ると、イズミはソフィア達の馬車から距離を取る。
一度マスタングから降りてアサルトライフルを取り出し、装着しているスコープ越しにソフィア達が町の門に到着し衛兵が通したのを確認する。

門が開いたのをアサルトライフルで見れたので、収納してからマスタングに乗り込みゆっくりと町へと走り出した。

門の前で衛兵に停められたので、簡単な受け答えをする。

「町に入る目的は?」

「俺は観光で、相棒が冒険者をやってる」

イズミは隣に居るベリアを指差すと、ベリアが眠たそうな声で説明をする。

「アタイは野暮用でこの辺りにある薬草を探してるんだ。ランクがAだから冒険者ギルドにも顔を出しておきたいんだけど」

Aランクの冒険者カードを提示すると、衛兵は直ぐに問題無しと判断し開門してくれた。

「冒険者ギルドはこの通りの3本目の十字路の右手側にあります。馬車置き場もあります」

「ありがとう」

イズミは徐行で町中へと走り出すと、冒険者ギルドの建物まで移動する。
ベリアも足早に冒険者ギルドへと向かう。

20分程でベリアが戻って来た。
その手には数枚の紙が握られている。

「その紙は?」

「この町周辺で発生している魔物の分布図だ。ちょっと気になって」

「どの辺だ…なんか集中してるな」

「だろ?明らかに異常だと思うんだけど、町にいる冒険者では調査出来る実力者が少なくて進んでないって」

「コレが一段落したら、現場確認してみるか。スタンピードとの関連性の有無も探っておきたいし」

紙をマスタングのグローブボックスに入れると、マスタングがモニター上の地図に情報を反映してくれた。

ベリアが冒険者ギルドの受付嬢から聞いたと言うテイクアウト出来る飯屋に行くと言ってマスタングから降りたので、イズミはマスタングにソフィアの現在地をモニターに表示するように指示を出した。

「我々の現在地が赤色のポイント、ソフィア様の現在地が青色のポイントです。最短ルートを表示します」

ご丁寧にルートまでモニターに出て来たので、コレでいつ連絡が入っても対応が出来る。

「買ってきたぞ」

「ありがとう、コレは?」

「ドワーフが作った窯で作った、薄焼きチーズパンだって」

チーズの入ったナンの様なパンを受け取ったイズミが一口頬張ると同時に、遠くから鐘の音が鳴った。
パンをショルダーバッグに収納し周囲を見渡すと、通りを歩いていた人達が一斉に避難するかのように建物へと消えてしまった。
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