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第二十二章 一斉捜査
第三百七十三話 ご褒美が欲しい
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イズミはベリアの座る席の向かい席に座ると、なるべくフランクに声を掛ける。
「お疲れみたいだな」
「褒美を出すって話だけで終わらなくてさぁ」
聞くと衛兵隊への褒賞は直ぐに終わり、冒険者で褒賞を貰える者も直ぐに終わったらしいが、キマイラに止めを刺したベリアだけは功績の大きさ故にかなりの時間を取られたらしい。
「質問攻めにもあうし、魔法剣の話も知ってて色々と聞かれるし、冒険者ギルドも本部が話を聞きたいから時間を作ってくれって頼まれるし」
「同時に色々な話が来て、頭がパンクしたって感じか」
「パンク?あぁ、混乱してる。本当にクタクタさ」
「そんな時は、酒を飲んで寝るに限る」
「イズミが居てくれれば、もう少しは疲れなかったかもしれなかった」
ベリアのジト目がイズミに向いてきたので、苦笑いを浮かべて視線を逸らす。
「そう言うなって…酒でも作るか?」
「甘いのが食べたい」
「甘い物ねぇ」
耳だけを器用に動かし、ジト目でイズミを見るので、ベリアは酒を飲みたい気分では無いのだろう。
尻尾も揺れているようには見えない。
「今はショルダーバッグも持ってないし、食堂で出すのもアレか…」
「イズミについても色々聞かれたけど、全部アタイが説明したんだぞ」
「それは気になるな。例えば?」
「まずはイズミが褒賞の辞退した理由だろ、衛兵隊や冒険者から報告のあった事の真偽について、魔力回復薬の事も聞かれたし、アーティファクトの事も聞かれた。特にイズミとの関係性に関してはガッツリ」
ベリアのジト目の圧が強くなるのを感じる。
「公爵が冒険者ギルドの関係者を席から外させて、アタイから直接この町に来た理由は何かと聞かれたぞ」
イズミは少し身体を前に傾け、周囲に聞かれないように小声で確認をする。
「それは…あの件と俺達との間に、何らかの関係性があると考えているって事か」
「多分。野暮用で薬草探しをしてるって話で押し通したけど、あの反応では殆ど信じて無いな。どんな会話からでも何か情報を引き出せないか、ずっと狙われてるような探られてるかのような感じ」
「様々な事が重なり過ぎて、疑心暗鬼にもなっているのかもな」
「単純にアタイ等の旅路が独特過ぎるってのも、あると思うぞ」
「独特ねぇ」
イズミは何の気なしに自分の酒を取り出そうとショルダーバッグに手を伸ばそうとするが、部屋に置いてきているので手は空を掴むだけだった。
空を掴んだ手を戻し、腕組みをしてベリアの要望に答える甘味を考える。
「甘い物か…どんなのが良いんだ?」
「キマイラ討伐の祝いとか、ご褒美みたいなのが良い」
「祝い、ご褒美。つまり特別なヤツか」
自分で作るには手間がかかり過ぎるし、何より菓子作り経験は殆ど無いので難しい。
ここはマスタングに頼むとしよう。
「マスタング、ベリアにキマイラ討伐のご褒美と、冒険者としての責務で疲れた慰労も兼ねて、特別な菓子を実体化してくれないか」
「かしこまりました」
魔法通信でマスタングに頼むと、直ぐに菓子の実体化を始めた。
イズミは一度食堂内を見渡して混雑状況を確かめる。
少しづつ混み始めており、食堂に持ち込んで食べるには少し目立ち過ぎる気がした。
「菓子を食べるには此処じゃ目立つ、部屋まで持って行くよ」
「目立つって、どんな菓子だよ」
「それはマスタング次第だな、お楽しみって事で」
ベリアはゆっくりと椅子から立ち上がり、イズミと一緒に食堂を後にする。
一度部屋に戻りショルダーバッグを手に取ると、マスタングの元へ向かい実体化された菓子を回収する。
「マスタング、どんな菓子を実体化したんだ?」
「王道の菓子です」
トランクを開けたイズミが目にした物は、イチゴのショートケーキだった。
「…確かに、俺達の居た世界では王道だな」
「特別なご褒美と言う事で、こだわりのショートケーキです。能力付与等はありませんので、ご安心下さい」
「こだわりとは?」
「厳選された素材で作られたケーキとなります、お早めにお召し上がり下さい」
「それについては大丈夫だろう、ベリアなら直ぐに全部食べるさ」
形を崩さないように丁寧にケーキを収納すると、イズミはベリアの待つ部屋へと向かう。
その一連の流れを野良猫が見ていた事を、イズミは気付かなかった。
「お疲れみたいだな」
「褒美を出すって話だけで終わらなくてさぁ」
聞くと衛兵隊への褒賞は直ぐに終わり、冒険者で褒賞を貰える者も直ぐに終わったらしいが、キマイラに止めを刺したベリアだけは功績の大きさ故にかなりの時間を取られたらしい。
「質問攻めにもあうし、魔法剣の話も知ってて色々と聞かれるし、冒険者ギルドも本部が話を聞きたいから時間を作ってくれって頼まれるし」
「同時に色々な話が来て、頭がパンクしたって感じか」
「パンク?あぁ、混乱してる。本当にクタクタさ」
「そんな時は、酒を飲んで寝るに限る」
「イズミが居てくれれば、もう少しは疲れなかったかもしれなかった」
ベリアのジト目がイズミに向いてきたので、苦笑いを浮かべて視線を逸らす。
「そう言うなって…酒でも作るか?」
「甘いのが食べたい」
「甘い物ねぇ」
耳だけを器用に動かし、ジト目でイズミを見るので、ベリアは酒を飲みたい気分では無いのだろう。
尻尾も揺れているようには見えない。
「今はショルダーバッグも持ってないし、食堂で出すのもアレか…」
「イズミについても色々聞かれたけど、全部アタイが説明したんだぞ」
「それは気になるな。例えば?」
「まずはイズミが褒賞の辞退した理由だろ、衛兵隊や冒険者から報告のあった事の真偽について、魔力回復薬の事も聞かれたし、アーティファクトの事も聞かれた。特にイズミとの関係性に関してはガッツリ」
ベリアのジト目の圧が強くなるのを感じる。
「公爵が冒険者ギルドの関係者を席から外させて、アタイから直接この町に来た理由は何かと聞かれたぞ」
イズミは少し身体を前に傾け、周囲に聞かれないように小声で確認をする。
「それは…あの件と俺達との間に、何らかの関係性があると考えているって事か」
「多分。野暮用で薬草探しをしてるって話で押し通したけど、あの反応では殆ど信じて無いな。どんな会話からでも何か情報を引き出せないか、ずっと狙われてるような探られてるかのような感じ」
「様々な事が重なり過ぎて、疑心暗鬼にもなっているのかもな」
「単純にアタイ等の旅路が独特過ぎるってのも、あると思うぞ」
「独特ねぇ」
イズミは何の気なしに自分の酒を取り出そうとショルダーバッグに手を伸ばそうとするが、部屋に置いてきているので手は空を掴むだけだった。
空を掴んだ手を戻し、腕組みをしてベリアの要望に答える甘味を考える。
「甘い物か…どんなのが良いんだ?」
「キマイラ討伐の祝いとか、ご褒美みたいなのが良い」
「祝い、ご褒美。つまり特別なヤツか」
自分で作るには手間がかかり過ぎるし、何より菓子作り経験は殆ど無いので難しい。
ここはマスタングに頼むとしよう。
「マスタング、ベリアにキマイラ討伐のご褒美と、冒険者としての責務で疲れた慰労も兼ねて、特別な菓子を実体化してくれないか」
「かしこまりました」
魔法通信でマスタングに頼むと、直ぐに菓子の実体化を始めた。
イズミは一度食堂内を見渡して混雑状況を確かめる。
少しづつ混み始めており、食堂に持ち込んで食べるには少し目立ち過ぎる気がした。
「菓子を食べるには此処じゃ目立つ、部屋まで持って行くよ」
「目立つって、どんな菓子だよ」
「それはマスタング次第だな、お楽しみって事で」
ベリアはゆっくりと椅子から立ち上がり、イズミと一緒に食堂を後にする。
一度部屋に戻りショルダーバッグを手に取ると、マスタングの元へ向かい実体化された菓子を回収する。
「マスタング、どんな菓子を実体化したんだ?」
「王道の菓子です」
トランクを開けたイズミが目にした物は、イチゴのショートケーキだった。
「…確かに、俺達の居た世界では王道だな」
「特別なご褒美と言う事で、こだわりのショートケーキです。能力付与等はありませんので、ご安心下さい」
「こだわりとは?」
「厳選された素材で作られたケーキとなります、お早めにお召し上がり下さい」
「それについては大丈夫だろう、ベリアなら直ぐに全部食べるさ」
形を崩さないように丁寧にケーキを収納すると、イズミはベリアの待つ部屋へと向かう。
その一連の流れを野良猫が見ていた事を、イズミは気付かなかった。
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