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第二十四章 暴走を止めろ
第四百二十二話 試して貰いましょう
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2日後
イズミとベリアはマスタングに乗って光の教会へと向かっている。
時刻は13時15分、目的地までは10分もかからない。
「イズミ…大丈夫か?」
「取り敢えず動けはする。戦えと言われるとキツい」
「…大変でしたわね」
後部座席に座るアヤの声を聞いたイズミは、昨日の事を思い出し冷や汗をかいた。
2日前の夕食後の事だ。
自室に戻り濡らしたタオルで身体を拭いたイズミは、グラテミアから渡された3本の小瓶を勢い良く飲み干した。
効果は直ぐに現れ、身体は熱を持ち意識が遠退き自我を保つ事すらままならなくなり、ふらつきながらベッドに倒れ込んだ所でイズミの記憶は途切れた。
翌朝、イズミは全身の激痛で目が覚めた。
意識を失っていた夜の間に事は終わっていたようだが、その後も意識は失ったままで朝を迎えたのだ。
何時もなら起きていてもおかしくない時間になってもイズミが姿を見せないので、心配したベリアと遊びたいリコがフラウリアと共に部屋に入ると、高熱でうなされているイズミの姿があったと言う。
ベリアがイズミに触れた瞬間、飛び跳ねるようにイズミは目覚め全身の激痛で呻き出したと、落ち着いた後でベリアから聞かされた。
その辺りの記憶は曖昧だ。
「申し訳ございませんわ。まさかこれ程迄に効果が出てしまうとは」
グラテミアからの謝罪を受け入れ、フラウリア特製の薬を飲む。
半日もすれば熱は下がり激痛もある程度引きはしたものの、今日になっても筋肉痛とは違う痛みが残っている。
具体的には、骨や神経が悲鳴を上げているような感じである。
前回フラウリアに渡されたタブレット状の薬よりも、今回グラテミアから渡された小瓶の液体の方が強力なのだと、今朝グラテミアから聞いた。
フラウリアもグラテミアに苦言を呈していたが、飲み薬は効果が強い反面副作用が出やすく、その副作用のせいでトラウマになる者もいる程なのだと説明されると、過去にあの飲み薬を渡された男達とは苦労話に花が咲きそうだと感じていた。
痛みを堪えつつ教会に到着すると、リーベルトがやって来て裏門へと案内された。
指示された場所にマスタングを停めると、3人は降りて待つこと数分。
リーベルトが同乗する2人を連れてやって来た。
教会内だからか、ゴツい装備は身に付けていない。
「お待たせ致しました」
リーベルトはイズミ達の前に2人を立たせる。
「彼女は御子であるテレジア、彼が護衛のヴィラードだ」
「どうぞよろしく」
テレジアは背が低めであり、150センチ前後だろう。
ヴィラードは180センチ前後に見えるが、マスタングの後部座席に気合いで収まって貰う事になりそうだ。
イズミ達との自己紹介を終えたヴィラードがイズミに右手を出して来たが、握手を出来る程の元気は無いと正直に告げて断った。
「申し訳ないが今日は身体がボロボロでして、握手は遠慮しておきたく」
「そうなのか?」
不審がったヴィラードだったが、イズミの隣にススっと近付き身体を寄せて微笑むアヤを見て何かを悟ったようだ。
「ではイズミとやら、本題に入ろう…我々が同乗するのは、後ろにある乗り物か?」
「そうです。私の所有するアーティファクトです」
助手席側へと案内すると、後部座席へ乗り込めるように座席を前に倒す。
「お二方には、後ろの席に座って戴く事になります」
「前の席はイズミ氏とベリア氏が?」
「そうなります。アーティファクトの操縦は私が、戦闘及びサポートをベリアが担当してますので。試しに乗ってみて下さい」
ヴィラードが剣を近くに置いてから後部座席に座ると、前に倒していた座席を元に戻して乗り心地を確かめてもらう。
「成る程、このスペースでは甲冑は脱いでいた方が良さそうだな…アーティファクトの防御力はどのくらいです?」
「物理防御と魔法防御は持ってます。側が凹んでも貫通はしません、余程の攻撃で無ければ」
「差し支えなければ、私の剣で試してみたいのだが」
ヴィラードは後部座席から降りると、剣を腰に戻しながら確認を取る。
「マスタング、大丈夫そうか?」
「問題ありませんが、相手の剣が折れるかもしれません」
ルーフを優しく撫でるイズミに対して、ヴィラード達は少し驚いた表情で尋ねる。
「そのアーティファクトは会話が出来るのか?」
「ええ、アーティファクトが相手を選びはしますがね。問題無いとの事ですが、剣が折れる可能性があります」
「面白い、試してみよう!」
細い刀身の剣…レイピアに似ている…を抜いたヴィラードは、マスタングの窓ガラス目掛けて刺突を仕掛けた。
キィィィン!
そんな音と共に、マスタングが防御魔法を展開しヴィラードの剣を弾いた。
攻撃を弾かれたヴィラードが再度攻撃を仕掛けようとしたが、剣を構える前に動きが止まった。
剣の柄より先が折れると言うより砕けるように破壊されていたのだ。
「なんと…一撃で」
これにはヴィラードやリーベルト達、ベリアも驚いていた。
ここまでの防御魔法はベリアにも見せた記憶が無いので、初見の驚きが見れたのかもしれない。
「教会の敷地内では攻撃魔法の使用は禁じられているので試せないが、物理防御でこの性能ならば不安は無いだろう」
ヴィラードは少し悔しそうな表情を浮かべると、テレジアの隣に戻った。
そのテレジアも後部座席に乗って貰ったが、彼女は問題無いとの事だった。
その後で出発日を決める。
本隊は2日後に出発だが、此方はまだ余裕がある。
もっと言うならば身体の痛みがもう少し和らいでから出発したい。
なので10日後の朝に出発で調整をした。
イズミとベリアはマスタングに乗って光の教会へと向かっている。
時刻は13時15分、目的地までは10分もかからない。
「イズミ…大丈夫か?」
「取り敢えず動けはする。戦えと言われるとキツい」
「…大変でしたわね」
後部座席に座るアヤの声を聞いたイズミは、昨日の事を思い出し冷や汗をかいた。
2日前の夕食後の事だ。
自室に戻り濡らしたタオルで身体を拭いたイズミは、グラテミアから渡された3本の小瓶を勢い良く飲み干した。
効果は直ぐに現れ、身体は熱を持ち意識が遠退き自我を保つ事すらままならなくなり、ふらつきながらベッドに倒れ込んだ所でイズミの記憶は途切れた。
翌朝、イズミは全身の激痛で目が覚めた。
意識を失っていた夜の間に事は終わっていたようだが、その後も意識は失ったままで朝を迎えたのだ。
何時もなら起きていてもおかしくない時間になってもイズミが姿を見せないので、心配したベリアと遊びたいリコがフラウリアと共に部屋に入ると、高熱でうなされているイズミの姿があったと言う。
ベリアがイズミに触れた瞬間、飛び跳ねるようにイズミは目覚め全身の激痛で呻き出したと、落ち着いた後でベリアから聞かされた。
その辺りの記憶は曖昧だ。
「申し訳ございませんわ。まさかこれ程迄に効果が出てしまうとは」
グラテミアからの謝罪を受け入れ、フラウリア特製の薬を飲む。
半日もすれば熱は下がり激痛もある程度引きはしたものの、今日になっても筋肉痛とは違う痛みが残っている。
具体的には、骨や神経が悲鳴を上げているような感じである。
前回フラウリアに渡されたタブレット状の薬よりも、今回グラテミアから渡された小瓶の液体の方が強力なのだと、今朝グラテミアから聞いた。
フラウリアもグラテミアに苦言を呈していたが、飲み薬は効果が強い反面副作用が出やすく、その副作用のせいでトラウマになる者もいる程なのだと説明されると、過去にあの飲み薬を渡された男達とは苦労話に花が咲きそうだと感じていた。
痛みを堪えつつ教会に到着すると、リーベルトがやって来て裏門へと案内された。
指示された場所にマスタングを停めると、3人は降りて待つこと数分。
リーベルトが同乗する2人を連れてやって来た。
教会内だからか、ゴツい装備は身に付けていない。
「お待たせ致しました」
リーベルトはイズミ達の前に2人を立たせる。
「彼女は御子であるテレジア、彼が護衛のヴィラードだ」
「どうぞよろしく」
テレジアは背が低めであり、150センチ前後だろう。
ヴィラードは180センチ前後に見えるが、マスタングの後部座席に気合いで収まって貰う事になりそうだ。
イズミ達との自己紹介を終えたヴィラードがイズミに右手を出して来たが、握手を出来る程の元気は無いと正直に告げて断った。
「申し訳ないが今日は身体がボロボロでして、握手は遠慮しておきたく」
「そうなのか?」
不審がったヴィラードだったが、イズミの隣にススっと近付き身体を寄せて微笑むアヤを見て何かを悟ったようだ。
「ではイズミとやら、本題に入ろう…我々が同乗するのは、後ろにある乗り物か?」
「そうです。私の所有するアーティファクトです」
助手席側へと案内すると、後部座席へ乗り込めるように座席を前に倒す。
「お二方には、後ろの席に座って戴く事になります」
「前の席はイズミ氏とベリア氏が?」
「そうなります。アーティファクトの操縦は私が、戦闘及びサポートをベリアが担当してますので。試しに乗ってみて下さい」
ヴィラードが剣を近くに置いてから後部座席に座ると、前に倒していた座席を元に戻して乗り心地を確かめてもらう。
「成る程、このスペースでは甲冑は脱いでいた方が良さそうだな…アーティファクトの防御力はどのくらいです?」
「物理防御と魔法防御は持ってます。側が凹んでも貫通はしません、余程の攻撃で無ければ」
「差し支えなければ、私の剣で試してみたいのだが」
ヴィラードは後部座席から降りると、剣を腰に戻しながら確認を取る。
「マスタング、大丈夫そうか?」
「問題ありませんが、相手の剣が折れるかもしれません」
ルーフを優しく撫でるイズミに対して、ヴィラード達は少し驚いた表情で尋ねる。
「そのアーティファクトは会話が出来るのか?」
「ええ、アーティファクトが相手を選びはしますがね。問題無いとの事ですが、剣が折れる可能性があります」
「面白い、試してみよう!」
細い刀身の剣…レイピアに似ている…を抜いたヴィラードは、マスタングの窓ガラス目掛けて刺突を仕掛けた。
キィィィン!
そんな音と共に、マスタングが防御魔法を展開しヴィラードの剣を弾いた。
攻撃を弾かれたヴィラードが再度攻撃を仕掛けようとしたが、剣を構える前に動きが止まった。
剣の柄より先が折れると言うより砕けるように破壊されていたのだ。
「なんと…一撃で」
これにはヴィラードやリーベルト達、ベリアも驚いていた。
ここまでの防御魔法はベリアにも見せた記憶が無いので、初見の驚きが見れたのかもしれない。
「教会の敷地内では攻撃魔法の使用は禁じられているので試せないが、物理防御でこの性能ならば不安は無いだろう」
ヴィラードは少し悔しそうな表情を浮かべると、テレジアの隣に戻った。
そのテレジアも後部座席に乗って貰ったが、彼女は問題無いとの事だった。
その後で出発日を決める。
本隊は2日後に出発だが、此方はまだ余裕がある。
もっと言うならば身体の痛みがもう少し和らいでから出発したい。
なので10日後の朝に出発で調整をした。
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