婚約破棄された俺をお前が好きだったなんて聞いてない

十山

文字の大きさ
12 / 12

11.婚約破棄された先輩※

しおりを挟む
「レオナルド…レオって呼んでいいですか?」

結婚式を挙げ、とうとう初夜である。何だかんだ、この日まで性的なことはキスくらいだった。

「ああ。好きに呼べばいい」
「レオ…!」

こんな時もポーカーフェイスに見えて、レオの顔は少し赤くなっている。かわいい…僕だけがこの顔を知っていればいい。


レオナルド先輩と言えば、ローレンス先輩の強面の婚約者兼護衛。常に二人はセットで行動していた。見た目から人柄や性格も理想の王子様のローレンス先輩と、ワイルドな見た目の剣術科のエリートのレオナルド先輩。まるで、物語の中から出てきたような二人だった。

僕は孤児院を支援する貴族の当主に、高い光属性の魔力を見込まれて特待生で王立学園に入学した。
平民の孤児ながら通う事になった僕にとって、尊い身分の方たちは雲の上の存在。そんな人たちと関わる事になり、毎日が夢のようだった。
中には意地悪してくる人も居たけれど、身分が高くても能力が高い人たちほど、能力さえあれば平民にも分け隔てなく接してくれた。

僕が努力しないと、孤児院への支援が減らされる。
時々、プレッシャーを感じながらも、僕は意外と世渡り上手のようで生徒会に入る事が出来た。
ロドニーという、平民の親友が出来たのも大きな支えになった。ロドニーは平民でもそこそこ裕福な家柄なのだが、嫌味なところがなく慎ましやかな性格、成績はそこそこだが努力家で、一緒に居て心地よかった。
生徒会へも彼を伴って顔を出していた。

そのうち、ローレンス先輩が、ロドニーに熱い視線を送っているのに気付いた。ローレンス先輩と話す時、僕の隣に居るロドニーをチラチラと見ている。
あちゃー、これ大丈夫?ローレンス先輩の婚約者が気を悪くするんじゃ…
ちらりとレオナルド先輩を見ると、ばちっと目が合ってしまった。ほわ~かっこいい~

思わず、僕はぽっと頬を染めて微笑んだ。
レオナルド先輩は、まるで見てなかったと言わんばかりに、ローレンス先輩に視線を移した。
ロドニーの事は気にしてないのかな?大丈夫だろうか?

それから何度も、レオナルド先輩とは目が合って、その度にソワソワした。にこにこと愛想を振りまいている時に、ふと視線を感じたら、レオナルド先輩だったりもした。
僕は色んな意味で目立つから、視線を感じる事なんて日常茶飯事なのに、レオナルド先輩からの視線にだけは、ドキドキソワソワしてしまう。
レオナルド先輩は、僕と視線が合ったからといって、何か反応するわけでもない。すぐに逸してしまうし、気のせいかもしれないけど、いつも僕はドキドキしていた。
あの人には婚約者が居るんだ。僕は平民なんだから、邪な気持ちを抱いちゃいけない。

そう自分に言い聞かせた。

そして、とうとうロドニーとローレンス先輩が結ばれ、婚約破棄したと聞いた。レオナルド先輩に申し訳ないとロドニーはすごく落ち込んでいたし、ローレンス先輩も手放しに喜ぶ性格じゃない。

でも、僕は手放しで喜んだ!
これで堂々とアタックできるんじゃ?!

レオナルド先輩が一人のところを見計らって、聞きにいったら、両想いと言われて、やっぱりあの視線は…!と舞い上がってしまった。
頑張ろう!先輩に釣り合うように!!今よりもっと!!

その後、何の接触もなく先輩は卒業してしまい、薄々自分の勘違いには気付いていた。
生徒会に先輩が顔を出さなければ、学科も学年も違うから、接点が無いのだ。
気付いていたけど、先輩の結婚の話しを聞かない限りはと頑張った。
何でこんなに好きなのかよくわからない。わからないけど、色んな出会いがあっても、先輩以上に好きだと思える人は現れなかった。
神殿は思ったより爛れていて、性的な事など感じさせなかった、清廉潔白で高潔な先輩に夢を抱いていたのかもしれない。
理不尽で、むかつくことばかりだったけど、先輩に会える日を夢見て頑張れた。

再会して、やはり先輩は高潔な人のままだった。そして誰にも身体を許してなかった!
その高潔な先輩が、僕の下で喘いでいる。恥じらって顔を背ける様にぐっとくる。
感無量です………先輩~!!
ありがとう、スライム~!!

先輩が僕を意識するようになったのもスライムのお陰だと思う。しかも使役したスライムは便利だった。後の穴を綺麗にしてくれるし、柔らげてくれる。媚薬効果もある。やりすぎないように、コントロールもしてるけど、後孔からズルリと出る感覚に、レオが震えた。

「柔らかくなったか確認しますね」
「うう…」

恥ずかしいんだろうが、されるがままのレオがかわいい。トロトロの粘液をまとう後孔に指を入れる。ついでに、陰茎も口に咥え、唾液でベチャベチャにする。こんな高潔な人が、淫靡に尻を濡らし陰茎を勃てている。
たまらない。
「あっ…うう…ルキーニ…ルキーニ…」
「気持ちいいれすか?」
ちゅむ、じゅぼ…舐めながら後孔の指を増やし、いいところを探る。
「うう…もう、もういやだ…挿れてくれ…」
「ええ…でも…大丈夫ですか?」
「お前のそれが欲しい」
情欲に濡れた瞳にゾクゾクする。唇にむしゃぶりつき、ゆっくりと腰を進めた。
「あっああっ…」
「レオ、レオっ…!!」
ズニュ…ゆっくりゆっくり、中を撫でるように進む。
「はぁっ…ぐ…」
「だいぶ奥まで入りましたよ…痛くないですか…大丈夫ですか?」
「もうちょい、このままで…」
「はい」
僕のは納まりきってないけれど、もう充分奥まで入った。慣れるまで、身体を密着させて、イチャイチャしたい。
キスをすると、レオも甘えるように動きを合わせてくれた。

普段は強面で、表情があまり変わらないレオ。こんなにかわいい顔をするなんて反則だっ…!!

「レオ、大好き、好きです…かわいい」
「オレを、かわいいなんていうの、お前だけだぞ…」
「レオは?」

レオは、どうやら僕の顔が好きらしい。良かった。好きになってもらえるところがあって。
瞳を潤ませて見つめると、レオが苦虫を噛み潰すような顔をした。しょんもりすると、ふ、と優しく笑って。

「ルキーニが好きだ。お前がかわいくて仕方ない…」

見たことのない甘くて優しい顔で言われて、がっつかない方がおかしいだろう。

初夜はそれは盛り上がり、朝まで二人でいちゃついて、幸せな新婚生活が始まったのだった。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

王女が捨てた陰気で無口で野暮ったい彼は僕が貰います

卯藤ローレン
BL
「あなたとの婚約を、今日この場で破棄いたします!」――王宮の広間に突然響いた王女の決別宣言。その言葉は、舞踏会という場に全く相応しくない地味で暗い格好のセドリックへと向けられていた。それを見ていたウィリムは「じゃあ、僕が貰います!」と清々しく強奪宣言をした。誰もが一歩後ずさる陰気な雰囲気のセドリック、その婚約者になったウィリムだが徐々に誤算が生じていく。日に日に婚約者が激変していくのだ。身長は伸び、髪は整えられ、端正な顔立ちは輝き、声変わりまでしてしまった。かつての面影などなくなった婚約者に前のめりで「早く結婚したい」と迫られる日々が待っていようとは、ウィリムも誰も想像していなかった。 ◇地味→美男に変化した攻め×素直で恐いもの知らずな受け。

追放系治癒術師は今日も無能

リラックス@ピロー
BL
「エディ、お前もうパーティ抜けろ」ある夜、幼馴染でパーティを組むイーノックは唐突にそう言った。剣術に優れているわけでも、秀でた魔術が使える訳でもない。治癒術師を名乗っているが、それも実力が伴わない半人前。完全にパーティのお荷物。そんな俺では共に旅が出来るわけも無く。 追放されたその日から、俺の生活は一変した。しかし一人街に降りた先で出会ったのは、かつて俺とイーノックがパーティを組むきっかけとなった冒険者、グレアムだった。

契約結婚の裏側で

riiko
BL
潤は付き合って十年の恋人から、ある日「俺、結婚する」と言われた。 順調に愛を育てたはずなのに、彼は会社のために結婚することを一人で決めた。「契約結婚」の裏側で自分を愛し続けようとする恋人がわからない。心の底から愛する人の愛人になるという選択肢は絶対になかった。 だが、彼の決断の裏にはとんでもない事情があった。それを知ったとき、潤は…… 大人の男の十年愛を振り返りながら綴ります。 性描写の入るシーンには タイトルに※マークを入れているので、背後にはご注意くださいませ。

伯爵家次男は、女遊びの激しい(?)幼なじみ王子のことがずっと好き

メグエム
BL
 伯爵家次男のユリウス・ツェプラリトは、ずっと恋焦がれている人がいる。その相手は、幼なじみであり、王位継承権第三位の王子のレオン・ヴィルバードである。貴族と王族であるため、家や国が決めた相手と結婚しなければならない。しかも、レオンは女関係での噂が絶えず、女好きで有名だ。男の自分の想いなんて、叶うわけがない。この想いは、心の奥底にしまって、諦めるしかない。そう思っていた。

【完結】逆転シンデレラ〜かわいい「姫」は、俺(王子)を甘やかしたいスパダリだった〜

粗々木くうね
BL
「本当はずっと、お姫様になりたかったんだ……」 周りから「王子様」と持て囃され、知らず知らずのうちにその役割を演じてきた大学二年生の王子 光希(おうじ みつき)。 しかし彼の本当の願いは、誰かを愛す“王子”ではなく、誰かに愛される“お姫様”になることだった。 そんな光希の前に現れたのは、学科のアイドルで「姫」と呼ばれる、かわいらしい同級生・姫川 楓(ひめかわ かえで)。 彼が光希に告げたのは、予想もしない言葉だった──。 「僕に……愛されてみない?」 “姫”の顔をした“王子様”に、心も身体も解きほぐされていく──。 “王子”が“お姫様”になる、逆転シンデレラストーリー。 【登場人物】 姫川 楓(ひめかわ かえで) ・ポジション…攻め ・3月3日生まれ 19歳 ・大学で建築を学ぶ2回生 ・身長170cm ・髪型:ミディアムショートにやわらかミルクティーブラウンカラー。ゆるいパーマをかけている ・目元:たれ目 ・下に2人妹がいる。長男。 ・人懐っこくて愛嬌がある。一見不真面目に見えるが、勉学に対して真面目に取り組んでいて要領もよく優秀。 ・可愛いものが好き。女友達が多いが男友達ともうまくやってる。 ・おしゃれが大好き。ネイルもカラフル。 ・王子とセットで「建築学科の姫」と呼ばれている ・かわいい見た目でペニスが大きい 王子 光希(おうじ みつき) ・ポジション…受け ・5月5日生まれ 20歳 ・大学で建築を学ぶ2回生 ・身長178cm ・髪型:センターパートのラフショート。ダークトーンのアッシュグレー ・目元:切れ長 ・空気が読める。一軍男子。学業もスポーツも割とよくできる。 ・上に姉と兄がいる。末っ子。 ・姫川とセットで「建築学科の王子」と呼ばれている ・「かっこいい・頼れる王子」像を求められるので、自然と演じて生きてきた。本当は甘えたいし愛されたい。家族には甘えられる。

パン屋の僕の勘違い【完】

おはぎ
BL
パン屋を営むミランは、毎朝、騎士団のためのパンを取りに来る副団長に恋心を抱いていた。だが、自分が空いてにされるはずないと、その気持ちに蓋をする日々。仲良くなった騎士のキトラと祭りに行くことになり、楽しみに出掛けた先で……。

ぼくが風になるまえに――

まめ
BL
「フロル、君との婚約を解消したいっ! 俺が真に愛する人は、たったひとりなんだっ!」 学園祭の夜、愛する婚約者ダレンに、突然別れを告げられた少年フロル。 ――ああ、来るべき時が来た。講堂での婚約解消宣言!異世界テンプレ来ちゃったよ。 精霊の血をひく一族に生まれ、やがては故郷の風と消える宿命を抱えたフロルの前世は、ラノベ好きのおとなしい青年だった。 「ダレンが急に変わったのは、魅了魔法ってやつのせいじゃないかな?」 異世界チートはできないけど、好きだった人の目を覚ますくらいはできたらいいな。 切なさと希望が交錯する、ただフロルがかわいそかわいいだけのお話。ハピエンです。 ダレン×フロル どうぞよろしくお願いいたします。

処理中です...