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10.婚約破棄されたオレをお前が好きだったなんて聞いてない
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翌日のうちに密猟者たちは侯爵家に送られたが、元司教が絡んでいるため、弟は侯爵家から騎士を伴い、王都に罪人を連行する事となった。
慌ただしく王都に戻ることになった弟は、アトラ司教に挨拶が出来ないと残念がっており、オレが代わりに挨拶しておくからと見送った。
侯爵家から戻り、弟からの挨拶を伝える。
「エミリオくん、いい子だなぁ…」
「ほんとーに、お前はこの地に残るのか?お前ほどの実力なら、引く手数多だろうに…」
「言ったじゃないですか。僕はこの地に来たかったから、魔獣と親和性の高いアトラの名を継いだんですって」
「それは聞いたが…」
本当にこんな実力がある奴が、僻地に居ていいのだろうか…。
「…僕と、廊下で話したの覚えてますか?」
「うーん…内容はよく覚えてないが、オマエが光ってたのは覚えてる」
「そうでしたか…そりゃそうですよねぇ…」
ルキーニは緊張した面持ちから、ふう、とため息をついた。
「何がだ」
「あれは、ローレンス先輩と婚約破棄したって聞いて、僕にもチャンスがあるか聞きに行ったんです。先輩は、ローレンス先輩の事と思ったんでしょうが、あれは!僕がレオナルド先輩の恋人になれるチャンスがあるか聞いたんです!!」
「全くそんな風には思わなかったが…?」
あの日は婚約破棄されて、非常にムシャクシャしていたし、ルキーニが原因だと思いこんでたからな…。
「レオナルド先輩って、いつも僕を見てたじゃないですか…」
ルキーニは頬を染めて恥ずかしそうに言う。全く覚えがない。
「オレが、お前を?」
「ハイ…だって先輩、あんなにローレンス先輩がロドニーを気に掛けてたのに、相手が僕だと思ってたんでしょう?ローレンス先輩とロドニーと一緒に居たから見てたんだなって、今ならわかりますけど…僕はいつも先輩の視線を感じてドキドキして…ちょっとだけ、ちょっとだけ、期待して…それで、婚約破棄したと聞いて思い切ってチャンスがあるか聞きに行ったら両想いだって言うし、釣り合いが取れるように頑張らなきゃって…」
ルキーニは益々真っ赤になって恥ずかしそうに目を伏せた。
「それから接触の無いまま先輩は卒業して、おかしいなって思ったりもしたけど、先輩が結婚しない限りはチャンスはあるって励みにして、血反吐を吐きながら修練して…」
そういや言ってたな…今のままじゃ釣り合わないとかって。相手がオレとか、全く思わずに。
それにしても、オレが目で追いかけていたからだと…?!言われてみれば、近くに居たはずのロドニーは全く覚えてない。どうしたって、ルキーニに目がいっていた。たまに目が合って笑い掛けられると、不思議な気持ちになった。あのあざとい顔で他の奴を見てると顔を背けたくなって…。
「そういうわけで!学園に居た頃から好きなんです!結婚してください!」
「はぁっ?!」
ぐっと距離を詰めて、両手を握られる。顔を近付けて、背が俺より高いくせに上目遣いで見つめる瞳は潤んで輝いている。
「先輩、好きです…」
「あ、あざといんだよ…その顔やめろ…」
「僕の事、嫌ですか…?」
「ええと…」
「先輩…イエスならキスして」
「はぁっ?!いきなり?!」
じっと見つめられると、もうどうでもよくなってくる。なにより、オレはルキーニのこの顔に弱いようなのだ。
……………あの続きも、したい気もするし。
もうヤケだ。
ぎゅっと口を硬くして、唇に当てた。
「!」
ルキーニは、綻ぶように笑って、口付けてきた。オレの不器用なキスと違って、優しく啄むようなキスだ。
「嬉しいです…」
次第に深くなり、舌で咥内に侵入してくる。こんなのみっともないと思いながらも、お互いの唾液が混じり合い、舌を絡めると気持ちがいいなんて。
「先輩、結婚してくれるってことでいいんですよね?!」
「ああ…」
「やったぁーーーーー!!!」
ルキーニはキラキラと光を放つ。
「まぶしいぞ…」
「す、すみません!嬉しくて…」
ぎゅうぎゅうと巨体に抱き締められ、ため息をついた。
こいつには勝てない。このあざとい顔を見ると、かわいくて仕方ないと、認めるしかない。
というわけでトントン拍子に結婚することになった。
魔獣対策で、息子が婚期を逃してしまって申し訳ないと思っていたらしい両親は大喜びだった。
ルキーニは貴族ではないが、高位神官のために身分差は問題にならなかった。親には相手は平民でもいいと言われていたのだから、身分は関係無かっただろうが。
そして…
想像していた通りに、結婚式でルキーニは光輝いた。誓いのキスをした時に。まばゆい光を放ち、列席者に暖かい光が降り注ぎ、その神々しい様は伝説となったのだった。
慌ただしく王都に戻ることになった弟は、アトラ司教に挨拶が出来ないと残念がっており、オレが代わりに挨拶しておくからと見送った。
侯爵家から戻り、弟からの挨拶を伝える。
「エミリオくん、いい子だなぁ…」
「ほんとーに、お前はこの地に残るのか?お前ほどの実力なら、引く手数多だろうに…」
「言ったじゃないですか。僕はこの地に来たかったから、魔獣と親和性の高いアトラの名を継いだんですって」
「それは聞いたが…」
本当にこんな実力がある奴が、僻地に居ていいのだろうか…。
「…僕と、廊下で話したの覚えてますか?」
「うーん…内容はよく覚えてないが、オマエが光ってたのは覚えてる」
「そうでしたか…そりゃそうですよねぇ…」
ルキーニは緊張した面持ちから、ふう、とため息をついた。
「何がだ」
「あれは、ローレンス先輩と婚約破棄したって聞いて、僕にもチャンスがあるか聞きに行ったんです。先輩は、ローレンス先輩の事と思ったんでしょうが、あれは!僕がレオナルド先輩の恋人になれるチャンスがあるか聞いたんです!!」
「全くそんな風には思わなかったが…?」
あの日は婚約破棄されて、非常にムシャクシャしていたし、ルキーニが原因だと思いこんでたからな…。
「レオナルド先輩って、いつも僕を見てたじゃないですか…」
ルキーニは頬を染めて恥ずかしそうに言う。全く覚えがない。
「オレが、お前を?」
「ハイ…だって先輩、あんなにローレンス先輩がロドニーを気に掛けてたのに、相手が僕だと思ってたんでしょう?ローレンス先輩とロドニーと一緒に居たから見てたんだなって、今ならわかりますけど…僕はいつも先輩の視線を感じてドキドキして…ちょっとだけ、ちょっとだけ、期待して…それで、婚約破棄したと聞いて思い切ってチャンスがあるか聞きに行ったら両想いだって言うし、釣り合いが取れるように頑張らなきゃって…」
ルキーニは益々真っ赤になって恥ずかしそうに目を伏せた。
「それから接触の無いまま先輩は卒業して、おかしいなって思ったりもしたけど、先輩が結婚しない限りはチャンスはあるって励みにして、血反吐を吐きながら修練して…」
そういや言ってたな…今のままじゃ釣り合わないとかって。相手がオレとか、全く思わずに。
それにしても、オレが目で追いかけていたからだと…?!言われてみれば、近くに居たはずのロドニーは全く覚えてない。どうしたって、ルキーニに目がいっていた。たまに目が合って笑い掛けられると、不思議な気持ちになった。あのあざとい顔で他の奴を見てると顔を背けたくなって…。
「そういうわけで!学園に居た頃から好きなんです!結婚してください!」
「はぁっ?!」
ぐっと距離を詰めて、両手を握られる。顔を近付けて、背が俺より高いくせに上目遣いで見つめる瞳は潤んで輝いている。
「先輩、好きです…」
「あ、あざといんだよ…その顔やめろ…」
「僕の事、嫌ですか…?」
「ええと…」
「先輩…イエスならキスして」
「はぁっ?!いきなり?!」
じっと見つめられると、もうどうでもよくなってくる。なにより、オレはルキーニのこの顔に弱いようなのだ。
……………あの続きも、したい気もするし。
もうヤケだ。
ぎゅっと口を硬くして、唇に当てた。
「!」
ルキーニは、綻ぶように笑って、口付けてきた。オレの不器用なキスと違って、優しく啄むようなキスだ。
「嬉しいです…」
次第に深くなり、舌で咥内に侵入してくる。こんなのみっともないと思いながらも、お互いの唾液が混じり合い、舌を絡めると気持ちがいいなんて。
「先輩、結婚してくれるってことでいいんですよね?!」
「ああ…」
「やったぁーーーーー!!!」
ルキーニはキラキラと光を放つ。
「まぶしいぞ…」
「す、すみません!嬉しくて…」
ぎゅうぎゅうと巨体に抱き締められ、ため息をついた。
こいつには勝てない。このあざとい顔を見ると、かわいくて仕方ないと、認めるしかない。
というわけでトントン拍子に結婚することになった。
魔獣対策で、息子が婚期を逃してしまって申し訳ないと思っていたらしい両親は大喜びだった。
ルキーニは貴族ではないが、高位神官のために身分差は問題にならなかった。親には相手は平民でもいいと言われていたのだから、身分は関係無かっただろうが。
そして…
想像していた通りに、結婚式でルキーニは光輝いた。誓いのキスをした時に。まばゆい光を放ち、列席者に暖かい光が降り注ぎ、その神々しい様は伝説となったのだった。
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