イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 おじさんと女性が向いた方向へ振り返ったら、ひと際目立つ長身が目に飛び込んできた。

(え、嘘だろ)

 すらっとしたその後姿を、俺が見間違えるはずがない。
 俺は無意識に小走りになった。北門はあのちょっと切なげな、放っておけないような表情を浮かべていた。

「北門、どうして?」
「誰か間違えてくる人がいるかもしれないと思って、一応来てみたんです」
(俺以外にもそんなこと考えるやつ、居たんだ)

 胸の辺りがじんって熱くなる。一晩中抱えていた複雑な思いが吹き飛んでしまった。

「そっか! ありがと」

 嬉しい、なんかすごく嬉しい。だって、中学の時、俺と同じように考えてこんな風に一緒に来てくれる人なんて誰もいなかった。なのに、こいつは来てくれたんだ。
 それだけでもう、頭の上に垂れこめてた雲が一気に晴れ渡ったような気持ちになれた。

「よかった……。俺、先輩の事、怒らせてたのかと思った」

 喜ぶ俺の隣で北門は迷子の子どもが、親に出会って心底ほっとしたような顔をしていた。

「どうしてそう思ったんだ?」

 白々しく聞いてしまった。だって心当たりは沢山あったから。

(北門が部活終わりに、俺のバイト先に寄るから一緒に帰ろうって言ったのに。俺は「急いでるから」ってさっさと帰ってしまったから。他にも、色々……)

「先輩昨日、ちょっと様子がおかしかったから。メッセージも、いつもよりそっけなかったし。俺、なんか先輩が気に障るようなことした?」

 帰宅してから「通話できるか」って北門に聞かれたけど、それも断った。

(だってさ。俺はなんでも物事を単純に解決したくて、お前にストレートに聞いてしまいたくなるから。『お前本当は東中じゃなかったんだって? 付き合った女子を沢山泣かせたって本当?』って。でも……。クラスの女子の言葉ばかりを鵜吞みにして、北門に気持ちをぶつけるのもどうかと思った。まだ頭の中がまとまってないうちに話しをしたくなかった)

 それで代わりにメッセージを貰っていたけど、確かにいつもより短文で済ませていたと思う。いつもの俺は、文章ですらおしゃべりで、聞き上手な北門相手に沢山くだらないことをしゃべりすぎてしまう。きっと普段とのギャップが激しかったよな。

(ごめんな。北門。そんな哀しそうな顔をさせるぐらいなら、昨日会って話せばよかった。今日だって一緒に行かないかって、俺から誘えばよかった)

 いざ北門を前にしたら、次から次に後悔が押し寄せてくる。
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