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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺
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「先輩……」
「昨日は色々と、無視するみたいになってごめん。でも俺は、お前にとって都合の悪いことも、言いづらいことも、逃げずにちゃんと教えて貰いたかったから。通話とかメッセージじゃなくてさ、会って話したかった。じゃないと今、お前がどんな顔してんのか、分かってやれないだろ。今みたいな顔してても、気がついてやれないだろ」
今みたいに泣きそうに切ない顔で俺を見上げる、お前の中の悲しみを見過ごしてしまうのが、俺はどうしても嫌だった。
「先輩が、俺のことを、知りたい?」
「うん」
「先輩、俺の何が知りたいんですか?」
全部知りたい。そう叫びそうになったけど、ぐっと一度唇を引き絞って、そのあと大きく息を吸う。
(順序があるだろう、ちゃんと今、聞きたいことを優先しろよ、俺)
「クラスの女子が言ったんだ。お前は東中じゃない別の中学で出身で、そこで女の子沢山泣かしてたって」
北門は一度、絶句したように黙った。俺はたっぷりとした間を受け入れて、何を聞いても落ち着いていられるように、俺自身も心の準備をしたんだ。
「……どう話したらいいんだろ」
「どうとでもいい。話してくれ。どんなお前でも、ちゃんと受け止めるから」
「燈真……」
(ああ、なんて声で俺の名前を呼ぶんだろう)
切なくて、胸がちりちりって痛んで、愛おしいけど哀しいような、複雑な感情が沸き起こってくる。
左手を伸ばしてきたから、俺は正面から右手で受け止めて、手のひらを合わせた。
俺を見上げる北門は気だるげで、陰を帯びた表情は大人びて見えた。苦し気な表情、いいたくないんだろうな。そうだろう。
(大丈夫。大丈夫だよ。怖くないよ)
俺はもう一度こいつと目線を合わせようと手を繋いだまま、向かい合わせにベットに横たわって微笑んだ。
「……なあ、北門。俺さあ」
「はい」
「お前の事、思い出したよ」
「……」
北門の動きが止まる。瞳だけが雄弁に輝きを増した気がした。
「あの時も、こんな雨が降ってたよな」
「……はい」
「お前は、確かに東中だった」
「はい」
「あのあと、引っ越した?」
「……はい」
「そっか。納得」
「先輩……」
「眠いから……。少し寝て、起きたら、色々話そ。俺が高校でバスケ部に入らなかった理由も、ちゃんと話すよ。だからお前も、俺に話してくれよ。あの日から今までの、お前の話」
「分かりました。おやすみなさい、先輩」
腕の中、抗いがたい眠りの縁にとろとろと落ちていく。
北門が絡めた指をにぎにぎといたずらする感覚や、手が持ち上げられ柔らかなものが指先に何度も押し当てられ、そのたびふわりふわりと触れる感覚があった。
それはとても甘くてくすぐったい。
確かめたくとももう眠くて、眠りそうで……。
「先輩、夢の中でも俺の事、思い出してね」
「ん……。一緒に来いよ……」
幸せな温もりに包まれて、意識がゆっくりと遠のいた。
「昨日は色々と、無視するみたいになってごめん。でも俺は、お前にとって都合の悪いことも、言いづらいことも、逃げずにちゃんと教えて貰いたかったから。通話とかメッセージじゃなくてさ、会って話したかった。じゃないと今、お前がどんな顔してんのか、分かってやれないだろ。今みたいな顔してても、気がついてやれないだろ」
今みたいに泣きそうに切ない顔で俺を見上げる、お前の中の悲しみを見過ごしてしまうのが、俺はどうしても嫌だった。
「先輩が、俺のことを、知りたい?」
「うん」
「先輩、俺の何が知りたいんですか?」
全部知りたい。そう叫びそうになったけど、ぐっと一度唇を引き絞って、そのあと大きく息を吸う。
(順序があるだろう、ちゃんと今、聞きたいことを優先しろよ、俺)
「クラスの女子が言ったんだ。お前は東中じゃない別の中学で出身で、そこで女の子沢山泣かしてたって」
北門は一度、絶句したように黙った。俺はたっぷりとした間を受け入れて、何を聞いても落ち着いていられるように、俺自身も心の準備をしたんだ。
「……どう話したらいいんだろ」
「どうとでもいい。話してくれ。どんなお前でも、ちゃんと受け止めるから」
「燈真……」
(ああ、なんて声で俺の名前を呼ぶんだろう)
切なくて、胸がちりちりって痛んで、愛おしいけど哀しいような、複雑な感情が沸き起こってくる。
左手を伸ばしてきたから、俺は正面から右手で受け止めて、手のひらを合わせた。
俺を見上げる北門は気だるげで、陰を帯びた表情は大人びて見えた。苦し気な表情、いいたくないんだろうな。そうだろう。
(大丈夫。大丈夫だよ。怖くないよ)
俺はもう一度こいつと目線を合わせようと手を繋いだまま、向かい合わせにベットに横たわって微笑んだ。
「……なあ、北門。俺さあ」
「はい」
「お前の事、思い出したよ」
「……」
北門の動きが止まる。瞳だけが雄弁に輝きを増した気がした。
「あの時も、こんな雨が降ってたよな」
「……はい」
「お前は、確かに東中だった」
「はい」
「あのあと、引っ越した?」
「……はい」
「そっか。納得」
「先輩……」
「眠いから……。少し寝て、起きたら、色々話そ。俺が高校でバスケ部に入らなかった理由も、ちゃんと話すよ。だからお前も、俺に話してくれよ。あの日から今までの、お前の話」
「分かりました。おやすみなさい、先輩」
腕の中、抗いがたい眠りの縁にとろとろと落ちていく。
北門が絡めた指をにぎにぎといたずらする感覚や、手が持ち上げられ柔らかなものが指先に何度も押し当てられ、そのたびふわりふわりと触れる感覚があった。
それはとても甘くてくすぐったい。
確かめたくとももう眠くて、眠りそうで……。
「先輩、夢の中でも俺の事、思い出してね」
「ん……。一緒に来いよ……」
幸せな温もりに包まれて、意識がゆっくりと遠のいた。
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