イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が、俺

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 胸にチクって小さな棘が刺さったような感じ。バイト先で薔薇の手入れをした時に刺さったあれ。あんなに小さいのにものすごく痛かった。
 なんてことはない、友達の一人が別の奴とも仲良くしてるとか、いいことじゃないか。なのになんでこんな……、ずき、ずきって。

(こんな苦しいの、やだな。この胸の痛みからどうやったら解放されるんだろう。やっぱこいつと距離を取るしかないのかな)

「お前なら、甘えさせてくれる人、沢山いるんじゃないか。……昔、付き合ってた相手とかさ、いたんだろ?」

 昼間女子から聞いた話を匂わせてみて、なんでこんなこと聞いたんだろうってすぐに後悔が波のように押し寄せてきた。

「ごめんっ。踏み込みすぎた。今の質問、なし!」

 前に逃れて物理的にも距離を取ろうと思ったのに、お気に入りの物を離すまいって感じの仕草で、尚更腕の中に強く抱き込まれた。
 あんなに雨に濡れたのに、風呂上がりの二人の体温でもう、ガーゼケットの中は暑いぐらいだ。

「暑い、離せって!」

 だけど北門は俺を離さない。

「……誰かから、俺の中学の時の噂とか、なんか聞きました?」

 その上意外にも北門の方から先回りして気になっていた話を広げられてしまった。
 こっちからタイミングを図って聞きだしていこうと思っていたのに。心身ともに退路を断たれた気分だ。
 何かしら言い逃れを考える前に、嘘が付けない俺の身体はビクッとすぐ反応してしまった。こんなの動揺が相手に分かりまくりで自分が情けない。もっと堂々としていたいのに。

「……やっぱり。だから先輩、急に俺に冷たくなったんだ」
「ごめん」
「謝るってことは、俺より噂の方を信じたんだ」

 耳元で吐き捨てる声は急激に温度を失っていた。

「それは違う!」

 今、こいつの信頼を失うことは耐えられそうにない。
 俺は怖くなって、ぎゅうって北門の腕を掴んで否定した。せっかく仲良くなったんだ。これからも北門と、もっと一緒にいたいと思ってるんだ。
 気のいい部長でも、なんでも引き受ける頼りがいのあるクラスメイトでもない、素の俺を晒せる「陽だまり」での、素のまんまの俺をこいつには見せてもいいなって思ってたから。
 俺は北門の腕からなんとか抜け出して身を起こす。

「俺は、お前の口から、直接話を聞きたいって思ったんだ。ただの友達の俺に、お前の全部を知る資格なんてないのかもしれないけど、でも、俺。どうしてもお前のことが知りたい」
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