イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛

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番外編

8 世界が君に気づいた日-4

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☆燈真視点です。

「あー。37.4度あるよ。微熱じゃん。顔真っ赤だし」

 掌を北門の額につけた。なんかいつもより熱い気がするし、頬の端っこも赤くなっている気がする。少し潤んだ眼差しは、ソファーに座っているから今は下に見えて、上目遣いにしてくるからちょっといい感じ。端的に言うと可愛い。その手を北門に掴まれた。

「……熱ってほどじゃないです。大丈夫です」
「だって顏赤い」
「そりゃ不可抗力でしょ、こんな状態。不意打ちで先輩に来られてさ、こんな色々してくれようとしたら、嬉しくてテンション上がるだろ」
 
 そう言いながら北門は俺の腰を引き寄せてきた。そのまま頭を俺の腹の辺りにぐりぐりって押し付けてきた。

(体調悪くて、気弱になっているのかな?)

 甘えたな仕草に、俺は北門の頭を抱える。黒髪からさっぱりとしたいい匂いがした。

「燈真先輩……」
「うーん、どうした?」
「俺……」
「なに?」
「……やっぱいいです」
「言いかけてやめんなよ」
「……じゃあ、言うから。先輩。俺の膝の上に座ってくれる?」
「はい?」

 謎のお願いにビビる俺に、北門は顔を上げて、さっきの潤んだままの目で見上げてきた。かすれた声、思った以上に無垢な顔つきで、なんだかちょっとさ胸の辺りがぎゅうって苦しくなる。

(一人で家で留守番、気楽って思っても体調悪い時は人に甘えたいよな)

「重たいけどいいのかよ? むしろ俺がお前を膝に乗っけた方がいいんじゃ」
「先輩の膝枕! いいの?」

 突然立ち上がって自分が座っていた場所を俺に譲る。嬉々とした姿に尻尾がぶんぶん震えるのが見えそう。うちのワンコ後輩は、こういう時すごくわかりやすいって思う。
 俺がソファーに座ったら、自分も大きな身体をソファーに横たえて、俺の膝の上に頭を載せてきた。
 といっても身体が大きいからさ、脚がほとんどソファーの外に出てしまってるんだけどな。

「わっ!」
「危ないっ!」

 それでバランスを崩しててテーブルとソファーの間に転がり落ちた北門を追いかけて、俺まで床の下に落ちてしまった。
 反射的に唯が俺を抱き込んで、俺は北門の上の伸し掛かっている感じになった。膝はラグすら避けて床に強かに打ってしまった。

「いってぇ。ふざけちゃ駄目だよな。ごめん」

 呻いていたらそのままごろっと横に転がる。腕が腰の後ろに手が回ってきた。片手で抱きしめられてる感じ。
 隣に唯の顔。ああ、顔が近い。

「燈真」
 
 唯の燈真呼び、とくって心臓が跳ねる。
 名前を呼ばれてるだけなのにさ、ちょっと官能的な響きがあるのがこいつのズルいところ。
 俺の背に回る大きな掌が熱い。唯が俺の頭を引き寄せるのが先か、俺が顔を寄せていったのが先かは分からない。多分ほぼ同時だろう。
 磁石の極が引き寄せられるみたいに、唇が合わさる。
 唯が俺を床に押し付けるみたいに、自分は身体を起こしてきた。俺は唯の腕に囲われるような形で、その胸に縋る。

 
 
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