55 / 198
episode 2
望まぬ再会
しおりを挟む
出てきたナポリタンを一口頬張ると、随分とお腹がすいていたことを実感する。
雑談の中で見えてきた真鍋さん像は、とても芯のある女性だということ。
今回の転職も、自分のスキルアップのためだと話してくれた。
「そもそも進めてくれたのは藤瀬くんだったのよ」
食事のコーヒーを啜りながら、真鍋さんはそう言った。
「藤瀬…さんが?」
『藤瀬さん』と呼んだのはいいが、なんとも言えない感情が湧き出てしまって、思わず眉を寄せてしまった。
「私もあと2年で30なの。このまま今の会社で経験を積むのもいいけれど、自分の力を試したいとも思う。それで悩み始めちゃって」
確かに現実的に考えて、女が転職する時期は早いにこしたことはない。
年齢を重ねれば重ねるほど、結婚出産などを見据えられ、女性の転職率は下がる一方だからだ。
「藤瀬くん、人のちょっとした変化にも敏感でね、先を悩んでいたことを言い当てられちゃった」
「そうなんですか……」
そんなスキルがもっと昔にあれば、私はもっと前向きに恋愛を楽しめたかもしれないのに。
……いまさらだけど。
「大手クライアントのコンペでいつもかち合う会社があるんだけど、そこが即戦力になる人材を探してる。話を通しておいたから、一度会うだけ会ってみたらどうかって」
「ライバル会社なんですよね?」
「そうなの。ライバルといっても相手はとても大きな会社でね?本当ならうちなんて相手にもならないくらいなんだけど、藤瀬くんは一度も負けたことがないわ」
そうなんですか……と呟いて、私は黙って俯いた。
藤瀬くんと私。
同じ時間を歩いていたあの頃とは違い、今ではこんなに差が広がってしまったと痛感したからだ。
雑談の中で見えてきた真鍋さん像は、とても芯のある女性だということ。
今回の転職も、自分のスキルアップのためだと話してくれた。
「そもそも進めてくれたのは藤瀬くんだったのよ」
食事のコーヒーを啜りながら、真鍋さんはそう言った。
「藤瀬…さんが?」
『藤瀬さん』と呼んだのはいいが、なんとも言えない感情が湧き出てしまって、思わず眉を寄せてしまった。
「私もあと2年で30なの。このまま今の会社で経験を積むのもいいけれど、自分の力を試したいとも思う。それで悩み始めちゃって」
確かに現実的に考えて、女が転職する時期は早いにこしたことはない。
年齢を重ねれば重ねるほど、結婚出産などを見据えられ、女性の転職率は下がる一方だからだ。
「藤瀬くん、人のちょっとした変化にも敏感でね、先を悩んでいたことを言い当てられちゃった」
「そうなんですか……」
そんなスキルがもっと昔にあれば、私はもっと前向きに恋愛を楽しめたかもしれないのに。
……いまさらだけど。
「大手クライアントのコンペでいつもかち合う会社があるんだけど、そこが即戦力になる人材を探してる。話を通しておいたから、一度会うだけ会ってみたらどうかって」
「ライバル会社なんですよね?」
「そうなの。ライバルといっても相手はとても大きな会社でね?本当ならうちなんて相手にもならないくらいなんだけど、藤瀬くんは一度も負けたことがないわ」
そうなんですか……と呟いて、私は黙って俯いた。
藤瀬くんと私。
同じ時間を歩いていたあの頃とは違い、今ではこんなに差が広がってしまったと痛感したからだ。
0
あなたにおすすめの小説
ホストと女医は診察室で
星野しずく
恋愛
町田慶子は開業したばかりのクリニックで忙しい毎日を送っていた。ある日クリニックに招かれざる客、歌舞伎町のホスト、聖夜が後輩の真也に連れられてやってきた。聖夜の強引な誘いを断れず、慶子は初めてホストクラブを訪れる。しかし、その日の夜、慶子が目覚めたのは…、なぜか聖夜と二人きりのホテルの一室だった…。
久我くん、聞いてないんですけど?!
桜井 恵里菜
恋愛
愛のないお見合い結婚
相手はキモいがお金のため
私の人生こんなもの
そう思っていたのに…
久我くん!
あなたはどうして
こんなにも私を惑わせるの?
━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━ʚ♡ɞ━━
父の会社の為に、お見合い結婚を決めた私。
同じ頃、職場で
新入社員の担当指導者を命じられる。
4歳も年下の男の子。
恋愛対象になんて、なる訳ない。
なのに…?
それは、ホントに不可抗力で。
樹沙都
恋愛
これ以上他人に振り回されるのはまっぴらごめんと一大決意。人生における全ての無駄を排除し、おひとりさまを謳歌する歩夢の前に、ひとりの男が立ちはだかった。
「まさか、夫の顔……を、忘れたとは言わないだろうな? 奥さん」
その婚姻は、天の啓示か、はたまた……ついうっかり、か。
恋に仕事に人間関係にと翻弄されるお人好しオンナ関口歩夢と腹黒大魔王小林尊の攻防戦。
まさにいま、開始のゴングが鳴った。
まあね、所詮、人生は不可抗力でできている。わけよ。とほほっ。
【完結】もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜
四片霞彩
恋愛
「貴女の残りの命を私に下さい。貴女の命を有益に使います」
度重なる上司からのパワーハラスメントに耐え切れなくなった日向小春(ひなたこはる)が橋の上から身投げしようとした時、止めてくれたのは弁護士の若佐楓(わかさかえで)だった。
事情を知った楓に会社を訴えるように勧められるが、裁判費用が無い事を理由に小春は裁判を断り、再び身を投げようとする。
しかし追いかけてきた楓に再度止められると、裁判を無償で引き受ける条件として、契約結婚を提案されたのだった。
楓は所属している事務所の所長から、孫娘との結婚を勧められて困っており、 それを断る為にも、一時的に結婚してくれる相手が必要であった。
その代わり、もし小春が相手役を引き受けてくれるなら、裁判に必要な費用を貰わずに、無償で引き受けるとも。
ただ死ぬくらいなら、最後くらい、誰かの役に立ってから死のうと考えた小春は、楓と契約結婚をする事になったのだった。
その後、楓の結婚は回避するが、小春が会社を訴えた裁判は敗訴し、退職を余儀なくされた。
敗訴した事をきっかけに、裁判を引き受けてくれた楓との仲がすれ違うようになり、やがて国際弁護士になる為、楓は一人でニューヨークに旅立ったのだった。
それから、3年が経ったある日。
日本にいた小春の元に、突然楓から離婚届が送られてくる。
「私は若佐先生の事を何も知らない」
このまま離婚していいのか悩んだ小春は、荷物をまとめると、ニューヨーク行きの飛行機に乗る。
目的を果たした後も、契約結婚を解消しなかった楓の真意を知る為にもーー。
❄︎
※他サイトにも掲載しています。
雨の日にやさぐれお姉さんを拾ったと思ったら胃袋も心も掴んでくるスーパーお姉さんだった
九戸政景
恋愛
新人小説家の由利美音は、ある日の夜に一人の女性を拾う。太刀川凛莉と名乗る女性との共同生活が始まる中、様々な出会いを果たしながら美音は自身の過去とも向き合っていく。
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
桜井 響華
恋愛
派遣受付嬢をしている胡桃沢 和奏は、副社長専属秘書である相良 大貴に一目惚れをして勢い余って告白してしまうが、冷たくあしらわれる。諦めモードで日々過ごしていたが、チャンス到来───!?
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる