逆転の花嫁はヤンデレ王子に愛されすぎて困っています

蜂蜜あやね

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「リリー、キスしていい?」
 もうさっき唇を奪ったくせに、アシュレイは指先でリリーの唇をそっとなぞった。
 親指を軽く押し当て、まるで早く“許可”を促すように、柔らかく唇の輪郭をなぞる。
 リリーが小さく「うん」と頷いたのを確かめると、彼はゆっくりと唇を重ねた。
 先ほどの荒々しさとは違い、今度のそれはアシュレイらしい優しい口づけだった。
 リリーの喉から甘い吐息が漏れると、アシュレイは嬉しそうにその唇を首筋へと滑らせる。
 軽く吸い付くように唇を当て、チュッと音を立てて跡を残した。
「んっ……」
 ピリリとした痛みに身をすくませたリリーの頭を、アシュレイは「大丈夫」と言うように撫でる。
 リリーは恥ずかしさに耐えきれず、顔を枕に埋めた。
「真っ赤だね。リリー、意地っ張りなのは変わらないね。あの頃と」
 優しく微笑んだアシュレイは、彼女の背に手を回し、藤色のドレスのホックを器用に外していく。
 ジー……というファスナーの音が部屋に響くたび、リリーの頬はさらに紅潮した。
「リリーって、こんなに小さかったっけ?」
 そう言いながら、アシュレイは彼女の身体を抱き上げる。
 まるで子供の服を脱がせるように、袖から腕を抜かせた。
 密着したままでは抵抗もできず、リリーは困ったように声を上げる。
「アシュレイが大きくなったのよ! 私は変わってないもの!」
「それもそうだね」
 軽く笑ったアシュレイは、リリーをベッドの上に横たえた。
 逃げ出さないように、そっと自分の身体で包み込むようにして。
 脱がされたドレスの下には、肌に沿う薄布の下着だけが残った。
 白に近い淡い藤色の絹。
 肩にかかる細い紐と胸元を包む柔らかな布が、灯りを受けてほのかに光る。
 同じ色のショーツとキャミソールには、小花の刺繍が揺れていた。
 恥ずかしそうに両腕で胸元を覆うリリーに、アシュレイはその腕ごと唇を重ねる。
「やっ……アシュレイ……」
 心臓の近くに落とされたキスは、思っていたよりも熱くて――息が詰まる。
「リリー、わかるよね? 僕のものになるってこと……」
 囁いた声は低く、艶を帯びていた。

「あっ……」
 リリーの声は甘く蕩けて部屋の中に響いた。
 思ってもみなかった自分の声にリリーはその口を抑えた。
 アシュレイが触れる場所、アシュレイの掌の熱、
 すべてがリリーの声を引き出そうとするかのようで。キャミソールの下の薄く色づいた突起を指の腹でなぞられるだけでリリーの身体が陸に打ち上げられた魚のようにピクリと跳ねた。
「可愛い……リリー」
 その声が嬉しそうに弾むと同時に指はリリーの弱い部分を容赦なく刺激して、リリーの身体が跳ねる。
 その繰り返しにリリーはもう嫌だと首を振る。
「あしゅ……」
「女の子だね。リリー、きちんと女の子の身体してる」
 そんな恥ずかしいことを言われてリリーが身を捩りアシュレイから逃げようとすると今度は少し強い力でその薄く色付いた飾りをキュッと摘まれる。
「あぁ……っん」
 部屋いっぱいにリリーの甘い声が響いて、アシュレイは自分の下腹部の熱の塊がしなりを帯びたことを自覚する。
「リリー……僕も君と同じくらい“男”になってるよ。」
 銀色の髪の王子様がリリーの身体にそれを押し付けるようにすると、リリーはますます身を縮こまらせた。

「痛い? 大丈夫?」
 指をそっと差し入れながら、アシュレイが心配そうにリリーを見つめた。
 その優しい声に頷きかけたけれど、息が詰まって言葉にならない。
 身体の奥が、きゅうと掴まれるように熱い。
 アシュレイの指がゆっくりと動くたび、そこからぬるりとした感触が広がって――
 くちゅ、くちゅ、と恥ずかしい音が立つ。
 その音が耳に届くたび、リリーは顔を真っ赤にして目をぎゅっと閉じた。
「アシュレイ……だめ、そんな音、聞かないで……」
「音じゃないよ、リリーが感じてる証拠だよ」
 低く優しい声が耳元で囁かれる。
 その声だけでまた身体が熱を帯び、逃げたいのに、指先を求めるように奥がきゅっと締まった。
「リリー、上手に受け入れてるよ。……ほら、もう少しだけ慣らしていこうね」
 ゆるやかに出し入れされるたび、理性が溶けていく。
 こんなふうに触れられることが、どうしてこんなにも気持ちいいのか。
 リリーは恥ずかしさに震えながらも、アシュレイの指を拒めなかった。

「もういいかな? リリー」
「え?」
「ずっと指だけだと思ってた?」
 そんなわけない。――けれど、その言葉にリリーは、今まさに自分たちが何をしているのかを突きつけられた気がした。
「僕のものになるって話だったでしょう? 君の中に入っていいよね?」
 直接的な言葉、そして直接的な行動。
 気づかないふりをしていたアシュレイの屹立を目の当たりにして、リリーは思わず息をのんだ。
「は、入らないよ!」
 思わず口をついて出たのは、恐れでも拒絶でもなく――そのあまりの大きさに怯んだからだった。
 ブンブンと頭を振り、何度も「無理だよ」と呟く。
「入るよ。大丈夫」
 アシュレイは優しく宥めるようにリリーの頭を撫でた。
「このために、時間をかけて解してきたんだ」
「アシュレイ……、は、入らないよ……」
「リリー、入れるんだよ。リリーの中に」
 その言葉に、ヒュッとリリーの喉が鳴った。
 アシュレイは本気だ――それが伝わってくる。
 それほどまでに、リリーが欲しくてたまらないのだ。
 リリーを、アシュレイのものにしたいのだと。

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