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しおりを挟む「クラウスさま~」
銀色の髪を左右に揺らし、手を振りながら軽やかに走り駆け寄ってくる美少女。
「ローザ。走ったら危ないよ。転んだらどうす……」
「あっ!」
小石につまずき転びそうになる美少女を、軽やかに両手で抱き寄せると、
「ほら、危ないだろう。まったく、お転婆さんだな」
そう言ってクラウスはローザを抱き上げた。
「ごめんなさい。クラウス様の姿を見たら、早くおそばに行きたくて、つい」
はにかむようにクラウスの腕の中で俯くローザに「まだ、高いヒールは慣れないかな?」と、わざとらしく煽ってみせた。
「そんなことはありませんわ。もうすっかり慣れましたのよ。靴擦れもしなくなったし、体重のかけかたも覚えたわ」
自慢げに話すその顔が可愛らしくて、クラウスはローザの手を取り歩き出すのだった。
「もうすぐローザもデビュタントだ。やっと一緒に夜会に参加できるね」
「ええ! とても楽しみだわ。しっかりエスコートしてくれるのでしょう?」
「ああ、もちろん。皆に自慢して回るのが楽しみだよ」
「まあ。うふふ」
薄っすらと頬を染めるローザを見つめながら、クラウスは腹の底から安堵していた。
『やっとここまで来たか。長かった……』
決して口にしてはならないその想いをぐっと飲みこみ、愛らしいローザに笑みを返すのだった。
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