悪役令嬢の心変わり

ナナスケ

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アストルム騎士団創立編

第24話 騎士見習い

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剣術、乗馬の才能を認められ父上から馬と領地を与えられた。

父上のセンスも大したものだ。

美しいまでの黒い毛並みの美人を私に与えるのだから。

嬉しさのあまりにこの美人を乗り回していた。

騎士団創設など考えていたがちゃんと処刑エンド回避についても考えないとな。

騎士団とは程遠いが父上に与えられた領地を守る守備隊としてフォンティーヌ伯爵の娘、リアーナ・フォンティーヌを始め伯爵家の騎士見習いを募った。

公爵の騎士見習いというのは表向きであることは着任式で既に伝えてある。

まぁ全て大人からは子供のママゴトだと思われているらしいがそれでいい。

我々が本気ならば問題は無い。

そのためにカリム王子のパーティーに出向き、色んな伯爵に声を掛けてきた。子供を中心にね。

さて、処刑に繋がる絶対的な分岐地点などはわからない。
何せストーリーを知らないのだから。
だが、攻略対象達によって処刑されてしまうことくらいは分かっている。
だが気をつけなければいけないのはなにも男性キャラだけではないな。
主人公であり絶対的なヒロイン、クリスティーヌ。
彼女に敵対してしまっては攻略対象たちに恨まれてしまう。

それに公爵令嬢として聖女候補を辞退するなんて両親が許さないだろうなぁ。

「どうしたらならずに済むんだろう。」

「お嬢様~」

ロラン?彼が慌てるような用事なんかあったかな?

「母上に見つかったら品がないと怒鳴られてしまうよ。どうしたんだい?」

「お、お嬢様こそ、、お、忘れですかっ。」

息を整えながら必死に何かを伝えようとしているが何も分からない。

「本日はヒナお嬢様とその母君レーナ様がこの屋敷に来られる日です。」

「ただでさえ肩身が狭い思いをするんだ。なにも威圧することは無いだろう。それに、父上が出向いているんだろう?」

「そ、、それが。」

また母上か?少しは公爵夫人としての、、、

「誰も出迎えておられないようでして。」

私の眉がピクリと動く。

「使用人は。せめて使用人は出迎えているのだろう?」

「いえ、、、、」

こういうことは珍しいことでは無い。

没落貴族の妾が魔法持ちの子供を産んでしまった場合、親戚がその子供を養わなければならない。
この世界ではよくあることらしい。
子供がまだ小さいと母親も共に引き取られる。今回がそのパターンだ。

使用人からしたらただの使用人が貴族の子供、ましてや魔法持ちの子供を産んでしまい。
更には公爵家の側室として迎えられているのだ。

妬みや嫌悪感を感じるものもいるのだろう。
身ごもらなかったマーサですら関係を持っただけで蔑まれる世の中だ。

「2人はどこに?」

「門の外におります。」

こんな大きい屋敷勝手に入っていいか分からないよな。しかも、門から本館の玄関まで何キロあると思ってるんだ。
バカ広いんだぞ。この屋敷。

「まず父上に挨拶をさせないと、か。ロラン、馬車を出せ。私も馬で向かう。」

もちろんレーナ殿については調べてある。

レーナ殿を身篭らせた伯爵は女に見境なく、美しいレーナ殿を何回も犯していたらしい。
部屋からは嫌がるレーナ殿の声が響いていたが誰も助けなかった、、、

こういうのが当たり前な社会ってなんだ?

騎士団に早く名前をつけよう。呼ぶ時に困る。

「メアリー、リアーナに部隊を編成して正門に集まるように伝えてくれ。ロラン、馬車の用意をしてレーナ殿の元へ行き荷物を積んで我々が到着するのを待て。マーサ、支度を整える。来い。」

庶民だったとはいえクロウリー家の側室と娘だ。
扱い方によっては我が門に泥を塗ることになる。

「お嬢様、騎士見習いの方々の準備ができましてございます。」

「わかった、マーサこの部屋にレーナ殿と娘を連れてくる。父上に会う前に身なりを整えてやれ。」

「かしこまりました、こちらでご用意してお待ちしております。」

玄関を出ると騎士見習いの伯爵の公子、公女が私に膝まづいて待っていた。

我々を甘く見ているもの達に見せてやりたいものだ。

彼らは全員剣の訓練も受けてある程度戦える上に馬を走らせることだってできる。

ただの10歳の子供の集まりだと思ったら痛い目を見るからな。




𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
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