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アストルム騎士団創立編
第25話 悪役令嬢 妹現る
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騎士見習いを連れてレーナ殿と娘を迎えに行く。
馬車の横にたっている女性と子供が件の2人だろう。
「貴殿がレーナ殿か?」
「は、はい。レーナと申します。コチラは娘のヒナです。」
大きい目に涙をためて今にも泣き出しそうじゃないか。
レーナ殿も震えているが、そりゃぁそうだろう。
遠い親戚とはいえレーナ殿がいたのは田舎の伯爵の屋敷。
こちらは王都に一番近い公爵家の屋敷なのだから。
「まずは父上にご挨拶頂く。がその前にその身なりを整えて頂こう。貴殿らはもうクロウリー公爵家の人間なのだから。」
父上は2人の処遇をどうするつもりなのか。
挨拶の場には私も同席した方が良さそうだな。
屋敷に到着し少ない荷物を降ろして2人を適当な部屋に案内しマーサに身なりを整えさせた。
まぁ、子供には私の昔の服を着てもらえればいいだろう。
腕を組んで終わるのを待っているとリアーナがコソッと耳打ちをする。
「ダリア様、ただいま領地からの視察が戻り報告を受けました。」
「ほぉ、早いな。また乗馬が上手くなったのか。」
「ダリア様には誰も敵いませんよ。」
「フンっどうだろうな。それで、報告は?」
「はい、ダリア様の領地を代わりに治めております貴族は危険薬物の売買に関わっており資金の横領もしているかと。」
「証拠は?」
「全て物的証拠がございません。ただ、視察した騎士見習いによりますと街での薬物中毒者が目立っていると。」
「なるほど、横領の件は?」
「領民はとても貧しい暮らしをしているらしく、食料、資金ともに行き渡っておりません。ですが貴族の個人の支出は多額なものだとか。」
「、、、、なるほどな。ならば外側から探りを入れても無駄だな。」
「如何なさいますか?」
「この私が領地を請け負ったことは貴族の耳にも届いているはずだ。しかし、一向に連絡が無いのはこの私が子供だからとたかを括っているからに違いないな。侵入捜査なら闇に潜める者が適任だな。」
自然に口角が上がるのがわかる。
「リアーナ、私と同じ闇属性の騎士見習いを集めろ。私の部屋に集めておいてくれ。こちらの件が片付いたらすぐに向かう。」
「かしこまりました。」
まったく、有難い土地を与えてくださったものだ。
「お嬢様。レーナ様、ヒナお嬢様のお支度が整いましてございます。」
「あぁ、ありがとうマーサ。では参りましょう。」
コンコン
「父上、レーナ殿とヒナ嬢をお連れしました。」
「入れ。」
許可とともに扉を開け2人を部屋に入れる。
父上の威圧に2人とも小さく震えているが分からなくもない。
父上は戦場で何百人もの敵を薙ぎ払い、無情な心で裏切った貴族を粛清してきた。
怖くないわけが無い。
「こ、公爵様にご挨拶を。」
「お前は私の側室となった。公爵家の名に泥を塗らぬよう留意して振る舞うよう。部屋は、そうだな。ダリア、お前に任せよう。いいな?」
「承知致しました、父上。」
意外だ、部屋まで任せられるとは。
母上に気を使え、ということか。
難しいことを仰る。
私はレーナ殿たちだけを先に部屋をあとにさせ父上に食事は共にするのかを聞いてみた。
「父上、食事は私たちと共にすると考えてもよろしいのですか?」
「あぁ、構わん。娘には公爵令嬢としてのマナーを叩き込めばならんからな。」
「承知しました。では失礼致します。」
あー余計に難しいな。食事を共にするならあまり遠いところに住まわせるわけにはいかないな。
仕方ない。多少遠いが母上の近くよりはマシだろう。
東の方の部屋にでも住んでもらうとしよう。
「マーサ、東館の方へレーナ殿とヒナをお連れしろ。荷物はロランに持ってこさせる。」
「かしこまりました。」
「あ、あの!ダリアお嬢様!」
「何か?」
レーナ殿は深深と頭を下げお礼を言い出した。
「こんなにご丁寧にありがとうございます。」
「レーナ殿、父上も仰っていたように公爵家の側室として自覚をお持ちください。家の中では側室でも外では公爵夫人です。このような扱い、公爵夫人には当然です。お忘れなきよう。」
そう言い残すと私はその場を後にした。
そうだ、開き直ってふんぞり返っている方がここで生きていくのには楽だろう。
自室の扉が開かれると既にリアーナによって集められた見習い騎士が膝まづいて待っていた。
「待たせたな。それでは、始めようか。」
𝓽𝓸 𝓫𝓮 𝓬𝓸𝓷𝓽𝓲𝓷𝓾𝓮𝓭🌃
馬車の横にたっている女性と子供が件の2人だろう。
「貴殿がレーナ殿か?」
「は、はい。レーナと申します。コチラは娘のヒナです。」
大きい目に涙をためて今にも泣き出しそうじゃないか。
レーナ殿も震えているが、そりゃぁそうだろう。
遠い親戚とはいえレーナ殿がいたのは田舎の伯爵の屋敷。
こちらは王都に一番近い公爵家の屋敷なのだから。
「まずは父上にご挨拶頂く。がその前にその身なりを整えて頂こう。貴殿らはもうクロウリー公爵家の人間なのだから。」
父上は2人の処遇をどうするつもりなのか。
挨拶の場には私も同席した方が良さそうだな。
屋敷に到着し少ない荷物を降ろして2人を適当な部屋に案内しマーサに身なりを整えさせた。
まぁ、子供には私の昔の服を着てもらえればいいだろう。
腕を組んで終わるのを待っているとリアーナがコソッと耳打ちをする。
「ダリア様、ただいま領地からの視察が戻り報告を受けました。」
「ほぉ、早いな。また乗馬が上手くなったのか。」
「ダリア様には誰も敵いませんよ。」
「フンっどうだろうな。それで、報告は?」
「はい、ダリア様の領地を代わりに治めております貴族は危険薬物の売買に関わっており資金の横領もしているかと。」
「証拠は?」
「全て物的証拠がございません。ただ、視察した騎士見習いによりますと街での薬物中毒者が目立っていると。」
「なるほど、横領の件は?」
「領民はとても貧しい暮らしをしているらしく、食料、資金ともに行き渡っておりません。ですが貴族の個人の支出は多額なものだとか。」
「、、、、なるほどな。ならば外側から探りを入れても無駄だな。」
「如何なさいますか?」
「この私が領地を請け負ったことは貴族の耳にも届いているはずだ。しかし、一向に連絡が無いのはこの私が子供だからとたかを括っているからに違いないな。侵入捜査なら闇に潜める者が適任だな。」
自然に口角が上がるのがわかる。
「リアーナ、私と同じ闇属性の騎士見習いを集めろ。私の部屋に集めておいてくれ。こちらの件が片付いたらすぐに向かう。」
「かしこまりました。」
まったく、有難い土地を与えてくださったものだ。
「お嬢様。レーナ様、ヒナお嬢様のお支度が整いましてございます。」
「あぁ、ありがとうマーサ。では参りましょう。」
コンコン
「父上、レーナ殿とヒナ嬢をお連れしました。」
「入れ。」
許可とともに扉を開け2人を部屋に入れる。
父上の威圧に2人とも小さく震えているが分からなくもない。
父上は戦場で何百人もの敵を薙ぎ払い、無情な心で裏切った貴族を粛清してきた。
怖くないわけが無い。
「こ、公爵様にご挨拶を。」
「お前は私の側室となった。公爵家の名に泥を塗らぬよう留意して振る舞うよう。部屋は、そうだな。ダリア、お前に任せよう。いいな?」
「承知致しました、父上。」
意外だ、部屋まで任せられるとは。
母上に気を使え、ということか。
難しいことを仰る。
私はレーナ殿たちだけを先に部屋をあとにさせ父上に食事は共にするのかを聞いてみた。
「父上、食事は私たちと共にすると考えてもよろしいのですか?」
「あぁ、構わん。娘には公爵令嬢としてのマナーを叩き込めばならんからな。」
「承知しました。では失礼致します。」
あー余計に難しいな。食事を共にするならあまり遠いところに住まわせるわけにはいかないな。
仕方ない。多少遠いが母上の近くよりはマシだろう。
東の方の部屋にでも住んでもらうとしよう。
「マーサ、東館の方へレーナ殿とヒナをお連れしろ。荷物はロランに持ってこさせる。」
「かしこまりました。」
「あ、あの!ダリアお嬢様!」
「何か?」
レーナ殿は深深と頭を下げお礼を言い出した。
「こんなにご丁寧にありがとうございます。」
「レーナ殿、父上も仰っていたように公爵家の側室として自覚をお持ちください。家の中では側室でも外では公爵夫人です。このような扱い、公爵夫人には当然です。お忘れなきよう。」
そう言い残すと私はその場を後にした。
そうだ、開き直ってふんぞり返っている方がここで生きていくのには楽だろう。
自室の扉が開かれると既にリアーナによって集められた見習い騎士が膝まづいて待っていた。
「待たせたな。それでは、始めようか。」
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