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猿渡
しおりを挟むカレンとの会話は続いている。
それよりパーティー俺と2人だけどいいのかな?
「俺と2人パーティーだけどカレンはいいのか?」
『ん?それは別に問題ないでしょ?え?まさか冒険者辞めるとか?』
「いや、まだ辞めないけどいずれね」
『あぁ、良かった。ほんとに辞める時は早めに言ってよね?私1人になっちゃうし!』
「分かったよ!」
と言って明日の8時にギルドで待ち合わせをすることになった。
次の日は初雪だったのでタクシーで向かう。
「おっと、ほんとに冒険者が多いなぁ」
タクシーから降りると寒い中パーティー募集してる人なんかがいた。
「おい!河地じゃないか!よし!揃ったから行くか!」
「は?なんだ猿渡か。なんだ人手不足か?」
「な、な、なんだその言い方は!こっちが下手にでりゃいい気になりやがって!」
殴ってくるので避けて腹に一発喰らわせると漏らしてその場でうずくまった。
こりゃやばいと低級ポーションを飲ませると目が覚めて、
「な、な、な。なんだ、ひ、ひいぃ」
「はぁ、お前も下にばっか威張ってないでその腹どうにかしたらどうだ?」
「う、うるさい!み、みるな!くそっ!」
と言って逃げて行った。
まさかこんなことになるとはな。
「あれ、どうしたの?」
「いやなんでもないよ、おはよう」
「おはよ、さて、今日も頑張りますか!」
「前から聞きたかったが、そんなに頑張って欲しいものでもあるのか?」
「ん?冒険者になったのは私の自由だけど、なったなら上を目指すのは当たり前でしょ?」
ふーん、そっか、カレンは上を目指してるのか。
「で?レベルは上がったのか?」
「んー、大学組は小遣い稼ぎだから実はレベル上がってないんだよね」
「そうか、俺はレベル46のローグになったぞ?」
「え?まじで!抜かされたぁ!!」
「んじゃ、今日はレベル上げだな」
「うっす!」
と言って更衣室に入るがここも多いな。
なんとか着替えて待つと、声をかけられる。
「お兄さんレベル幾つですか?」
「私達とパーティーになりません?」
と誘われるが、やっとカレンがやって来て、
「あなた達のレベルは?職業は?」
「え!?あ、パーティーもう組んでたんだ、ごめんなさい」
あらら、帰って行っちゃった。
「カレンが怖かったんじゃないか?」
「あの子らは寄生させてもらいたかっただけよ?」
「寄生?寄生虫のことか?」
「そう、強い人についていけば何もしなくてもレベルが上がるからね!」
「へぇ、考えるもんだな」
寄生かぁ、青蘭達の時の俺も寄生だな。
「ほら、いこうよ!」
「はいはい」
改札を抜けて門をくぐるとそこはダンジョンだ。気温は中のほうがあったかいな!
「左4ゴブリンだな」
「私から行くわよ!ファイアーボール!」
着弾すると俺が懐に入って斬り倒していく。
「凄い!ヤトは強くなったね!」
「まぁ、レベルも上がったしな」
「私はあれからは上がってないんだ」
「まぁ、レベルの低いのと行ってたんだろ?しょうがないよ」
「だから、今日は目指すのは30階ね」
「泊まりになるぞ?」
「行って来たから大丈夫!」
と言われても俺と2人だと危ないだろ。
「はぁ、じゃあいくかね!」
順調に階を降りていく。
「ファイアーランス!!」
オークには少しオーバーキル気味だが、問題ないな!
「よし!快勝!」
ピースをつくって笑う。
「よし、俺も頑張ろう!」
「ちゃんとあたしの分もとっといてね!」
「おう!」
25階層でテントを張って寝る。
カレンはソファーで俺はごろ寝だ。
「ハルカはどうしてるかな?」
「ん?ハルカなら今日も潜ってるよ?」
「あぁ、連絡先交換したな」
「そうそう、ヤトからは連絡こないって言ってた!」
「あはは、何もないのに連絡するのもな」
「今は60階層のボスを倒して61階層を探索中らしいよ!」
「へぇ、そんなとこに行ってるんだな!」
「もうA級に上がる試験を受けるって言ってた」
カレンが興奮していっている。
「そうか、なら次はS級だな」
「そんな簡単じゃないよ?三つはダンジョン攻略しないといけないんだからね」
「へぇ、そういうのがあるのか」
「私達も50階層まで行ったらC級に上がれるんだけどね」
「2人だときついなぁ」
流石にレベルが上がっていけばいいだろうが、すんなりとはいかないだろう。
「目指せC級!!」
「あはは」
「笑い事じゃないの!!」
俺はそこまでランクにこだわってないからな。
「俺よりも上に行こうとしてる奴とパーティー組んだほうがいいんじゃないかな?」
「いや!ヤトは助けてくれたからパーティーを組むならヤトがいいの!」
「そんなもんか?」
「そう!まぁ、パーティーメンバーを募集してもいいけどね!」
まぁ、こればっかりは運だからな。
喋りながら寝てしまった。
起きると早い時間に起きてしまったので外に出てみる。
「ん?」
草むらに人影がある。
「おい大丈夫か!」
「う…あ」
「ったく!ポーションだ!飲め!」
蓋を開けてポーションを口に突っ込む。
「あ、あぁ、生きてた…」
「おう、死にかけてたな!」
「あんがと、おっさん」
「まだおっさんじゃないぞ!」
綺麗な子だ。見た目からしたら剣士ってとこかな?
「オレは木村楓」
「俺は河地夜人だ」
「じゃーヤト、いくつなの?」
「31だ!」
「やっぱおっさんじゃん!」
「お兄さんだ!お前は幾つだよ?」
「23」
「けっ!社会人なら敬語使え!」
「ん、立てない」
と手を出すので、
「ほら、掴まれ」
フラフラなカエデをテントに連れていく。
「ほら入れよ」
「エロいことするんでしょ!」
「しねえっつーの!人がいるから入れって」
と中に入れると、
「えっ!ひろっ!」
「はぁ」
はぁ、変なの拾ったな。
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