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山梨ダンジョン
しおりを挟む採取もあらかた終わり、ここからどうするのかを決める。
「出来れば50階層に行きたいんだが、ブルファングベアだからなぁ」
「なんだ?俺たちが負けるってのか?」
「いやいや、危険だからな」
「大丈夫!5人でなんとか頑張ろう!」
とモクレン。
「あ、そういえば渡すの忘れてた。ほら、モクレンは火魔法、カレンは土魔法と杖術だ」
「す、スキルボール!?」
「なんでそんなにもってるんだよ!」
とカエデに聞かれるが『ガチャ』のことは言えないしな。
「さぁ、秘密だ。要らないのか?」
「いる!もらうわよ!」
2人とも胸に押し当てると、
「やった!私『魔法使い』になってる!」
「それは良かったな!」
喜んでる2人はもう、先に行くと言う頭しかないわけで。
「よし!いくわよ!」
「採取メインで頼むな!」
「任せといて!」
ガンガン進んでいく。
カエデとシオンも手が出せないくらい魔法が飛び交う。
「おい!俺らにも残せよ!」
「そうよ!モクレン!」
「あはは!楽しくてさ!」
おっと、よろけてるじゃないか!
「モクレン!魔力ポーションだ!飲め」
「あ、あはは、いやぁ魔力の使い過ぎかな?テンション上がっちゃって…すいません」
「カレンも飲んどけ!」
「はーい!飲みまーす」
と2人に魔力ポーションを渡して飲ませる。
さすがに魔力切れで倒れられても困るからな。
だが、さすが上薬草の宝庫だな!
他の素材も何かに使うんだろう、取っていく。
魔力ポーションを飲んで落ち着いたのか、またカエデとシオンが戦って、カレンとモクレンが採取を手伝ってくれている。
「ありがとな!助かるよ!」
「本当にバイト代欲しいくらいね!」
「おう!やるぞ!いくら欲しい?」
「嘘よ!スキルボールでお釣り返さなきゃいけないんだから!」
「そうだよ、俺らの方が貰ってるからね」
そっか。
でもこいつらが強くなれば俺としてもWin-Winの関係だからな。
「ヤト、置いてくよ?」
「おう、悪い悪い!すぐいくわ!」
「そろそろセーフティーゾーン探さないとね?」
「だな!って、ここら辺でいいんじゃないか?結界石もあるしな!」
「うーん、そうね!ここにしましょ!」
テントを張るとみんな入って行く。
とりあえずここら辺のモンスターは居なくなっているから大丈夫。
俺も中に入るとみんな思い思いに寛いでいる。
カエデなんかはSAで買ったお菓子を開けて食べ始める。
「どっこいしょっと」
「ヤト、おっさんくさいね」
「この中じゃおっさんだからな」
俺も腹が減ったのでバッグからモスを取り出すと、
「あー!1人だけそんなもの買ってたの?」
「ん?みんなマジックバッグがあるだろ?」
とカレンは言うと、
「モスはずるいよ!もう無いの?」
「あるはあるけど」
「ちょーだい!」
「はぁ、食いたいなら自分で買ってこいよ?」
と買ってきたモスを出してやるとみんな群がって食べ始める。
バッグに大量に飯関係はいれてあるからいいが、流石に3食はきついぞ?
「自分の分は自分で買ってこいよ?」
「だってモスなんか頭にないよ!」
「はいはい」
「うー、じゃあ、私のあげるから」
とCoCo壱のカレーを取り出す。
「ちゃんとあるじゃ無いか?」
「でもモスは別腹じゃん」
人の畑はってやつか。
「分かったからそれは次に食えよ?」
「はーい」
そそくさと自分のバッグに入れて食べている。
武器の手入れをしながら防具はファブって匂いを消す。
みんな疲れているようでさっさと眠ってしまった。
俺はコーヒーを淹れて飲みながら練金素材を箱にまとめている。
「へぇ、几帳面ですね」
「ん?起きてたのか?使いたい時に出せるようにな。探す一手間がめんどくさいからな」
まぁ、マジックバッグの中はぐちゃぐちゃになってしまいがちだからな。
「モクレンはポーションまだ足りるか?」
「うん!まだ余裕ある」
「そうか。なら良かった」
一応後衛2人にはポーションを持たせてある。
それからモクレンと駄弁りながら収納を整えると、
「さて、寝るか」
と寝袋を出して中に潜って寝始める。
翌朝、スッキリ目が覚めると外を見回る。
ナツメの朝露というのが取れたので錬金に使うのだろうな。
散歩から帰ってくるとカエデがバクバク飯を食っていた。
「お前食いすぎじゃね?」
「もぐ、これくらい食っても腹は減るしね」
「そうか」
にしても朝から弁当2個食いは食いすぎだろ?
「さて!行こう!」
「はいはい」
みんなでテントをたたむと先に進む。
上薬草も大量に取れてあとは50階層だけだ。
ボス部屋の前にやってくると、流石にみんな緊張している。
ブルファングベアは体長5メートルはあるでかいクマで爪や皮膚も硬い。
「んじゃ行くぞ!」
「「「「おう」」」」
中に入ると立ち上がって吠えるブルファングベアに負けずにこっちも声を出す。
「ウォォオォォ!!」
「ファイヤーランス!!」
「ストーンランス!!」
カレンとモクレンの魔法が飛んでいく。俺、カエデ、シオンが着弾と同時に攻撃して行く。
やはり硬いが刃が通らないわけでは無いな!
「オラオラオラ!!」
雷鳴の短剣でめった斬りにすると痺れた!
「カエデ!」
「おう!オラァ!」
カエデが首を刎ねてブルファングベアは光になってドロップへと変わった。
「「「「おっしゃー!!」」」」
ドロップは魔石と毛皮と上蜂蜜。
宝箱には罠があったので俺が開けるとスキルボール『鉄壁』が入っていたのでシオンに渡す。
「よし!これで私も強くなった!」
と喜ぶシオン。
あとはボス部屋の素材を集めるだけだな!
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