ガチャから始まる錬金ライフ

あに

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70階層

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「だー、つっかれたよ!」
「お疲れ様!」
「60階層なんてまだ序の口よ?」
「ん?まだ先に行ってるのか?」
「まぁ、66階層?」
「なーにが序の口だよ!まだそんなに行ってないじゃないか!」
 ったく、カレンは大袈裟だ。
「65階層の中ボスが強かったんだから!」
「へっ!ったく」
「じゃー行ってみなさいよ!!」
「あ?何で俺が行かないといけないんだよ!」
「60階層でへばってるおっさんには無理か」
「な、なにを!俺が言ったらケチョンケチョンにしてやるよ!」
「よーし!いったわね!いくわよ!」
「おーし!いったろやないか!」
 売り言葉に買い言葉…怖いですね。

 65階層、
「ぬおー!何じゃあいつ!キモいぞ!」
「タランチュラのデカいやつだよ!」
「ほら!早く攻撃して!」

「ぬ、クソォ!フレイムバーストッ!!」
 炎の魔法で焼き尽くせ!!

「き、効いてる!」
「おらぁぁ!!!」
 タランチュラは光に変わりドロップになった!
「どーだ!これで俺もおっさんじゃないだろ!」
 と魔力ポーションを取り出してクイっと一本飲む。
 ドロップはデカい魔石とシーフの種、牙だ。
 宝箱が出てきたので罠を解いてあけるとハイドコートだった。

「さすが、魔導士ね!さぁ!70階層に行きましょう!」
「…は?いやいや、行かないぞ?怖いし」
「何いってるの?これだけ無傷でこれたんだから70階層にいくでしょ?」
「ふっざけんなよ!いくかよ!帰る!」
「行きも帰りも一緒よ!なら行くしかないでしょ!」
「クッ!!」
 諦めて70階層に行くしかないか。
「分かったが、俺は逃げに徹するぞ!」
「それじゃ倒せないでしょ!」
「魔導士として参加する」
「…はぁ、分かったわよ」
 それからはRPGとなって俺を先頭に罠を回避しながら進む。
「あ!宝箱」
「本当だな、罠がついてるなぁ」
「ヤトの出番ね」
「はぁ」
 これ神経使うんだよなぁ。
 しょうがないから開けるけどさ。
・スキルボール『風魔法』
「『風魔法』だからモクレンだな」
「よし!後一つだ!」
 とモクレンは胸にスキルボールを押し当ててスキルを覚える。

 その後もRPGとなって一列で動いて70階層の扉の前。
「休憩だな」
「だね」
 少し休憩する。
「ヤトはダンジョン辞めるの?」
「辞めはしないと思う」
「じゃあ、まだやるんだね?」
「んー…別に苦労することはないんだよなぁ」
 金も仕事もあるからな。

「そのうち欲しい素材が出てきて自分で取りに行かないといけなくなるわよ」
「そうかもな」
 そうならなければいいけどな。
「さぁ、いくぞ!」

 扉を開けるとそこには蛇の体を持つ女性のモンスター、ラミアがいた。
『きしゃぁぁぁぁぁ!!』
「うお!とりあえずフレイムバースト!」
『ぎゃあぁぁあ!』
「いくぞ、『斬撃』」
「うおぉぉ!」
 とカエデとシオンが向かって行く。
 だが尻尾の振り回しでシオンが吹き飛ばされる。
「うぐぁっ!」
「シオン!」
「ヒール」
「三連射」
 モクレンがすかさずヒールをかけ、アーシャが牽制する。
 その間に俺はハイディングで背後に周り、
「『一撃死』」
 背中の真ん中に短剣を突き立てるとラミアは光となり消えて行く。

「え?まだ元気だったのに?」
「スキルが上手く決まったな!」
 一撃で倒せた。
「すげー!」
「魔導士で行くんじゃなかったの?」
「別にいいだろ?倒せたんだし」
「フンッ!」
 ったく、今日のカレンはめんどくさいぞ?
 ドロップは火焔の杖と大きな魔石。
「武器ドロップだぞ?いらないのか?」
「いる!」
 宝箱からはマジックバッグ(中)と知識の種が二つと蟠桃が一つ入っていた。
「おぉ!貴重な錬金素材だな!」
「マジックバッグはどうする?」
「みんな持ってるし『プライド』で売ればいいんじゃないか?」
「そうね!そうしましょう!」
 と言うことで俺は周りを見ると蟠桃の木と光水晶、カプセルの実などがあるので素材採取をし始める。
 モクレンも鑑定ゴーグルをつけ採取してくれる。
「みんなは休んでてくれ!」
「「「「はーい」」」」
 せっせとバッグに詰めて行く。
「ん?ヤト!これは?」
「商人の種!当たりだな!」
「おし!」
 やはり鑑定ゴーグルはレベル3くらいの『鑑定』しかできないようだな。

 全部取り尽くしてやっと帰れる。
「終わったぞ!」
「よし!次に行きましょう!」
「いや、帰るだろ?」
「いやよ!ヤトがいるんだから最後まで行きましょうよ!」
「…また今度でいいだろ?」
 これか、カレンが情緒不安定だった原因は俺だったみたいだな。
「ほんとに?約束よ?」
「あぁ、約束だ」
 といってようやく帰れた。

 更衣室でシャワーを浴びて、普段着に着替える。
 モクレンと椅子に座ってコーヒーを飲んでいると、
「お待たせ!」
 と4人が帰ってきた。
「おう!どっか飯に行くか?」
「やりぃ!焼肉!」
「高級な焼肉!」
「「肉!」」
 と4人とも肉が食いたいらしい。
「高級な焼肉屋なんて知らんぞ?」
「ここ!行きたかったのよね!」
「んじゃ行くか!」
「待って予約とるから」
 とカレンが電話して予約は取れたようだな。
 にしても手際のいいことで、

「よっしゃ!行こう!」
「「「「いぇーい!」」」」
 タクシーで向かうと結構な距離だな。
 店に着くといい匂いでお腹が空く。
 入って予約してある席に着くと生大を五つとジュースをとりあえず頼む。
「「「「「「カンパーイ」」」」」」
「しかし、みんな強くなったな!」
「それより頼もう!」
 とメニューを片っ端から頼んでいく4人に苦笑いのモクレン。

「やっぱりリーダーはヤトだね」
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