ガチャから始まる錬金ライフ

盾乃あに

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連載

それから


 あれから三ヶ月、
 夏に入り、暑い中俺はタクシーでいつもの『プライド』まで行く。
「いらっしゃいませ、今日も暑いですね」
「だな、ポーションは順調?」
「はい、おかげさまで!」
 と店の中に入ると冷たい空気に触れる。

「いらっしゃいませ」
「よ!アジーン!」
「あはは、私はゼロですよ」
 アジーンはあの後、死んだことになっている。
 俺がそうしてもらった。
 今はゼロとして生きている。
 ちなみにアジーンが1という意味だったからゼロにした。名付けは俺だ。

「ゼロは調子は?」
「元気ですよ」
「そうか!ならよし!」
 いつものようにカウンターに向かうが、
「アーシャ?何やってんだよ」
 商談スペースにちょこんと座ってるアーシャがいた。
「べ、別に?買い物?」
「聞いてるのはこっちだけどな。まぁ、ゼロに会いに来たんだろ?」
「そんな事ないわよ!」
 と顔を真っ赤にしている。

 俺はカウンターでポーションを卸す。
 いつもの量をいつも通りに。
「ありがとうございます」
「いやこちらこそだよ。あれからロシアは?」
「何の音沙汰もないですね」
 まぁ、暗殺に失敗してあんな大衆の前で撃たれたんだ。死んだと思っただろ。

 ゼロは俺の代わりに『ルベル』に入って素材を調達してきてくれている。
 まぁ、週に一度くらいだから苦にならないだろ。

 俺はそれを買って錬金術でポーションを卸す。
 まさに夢の錬金術師だな。

 ゼロは斥候寄りのアタッカーだからちょうどいいし、何より真面目だからリーダーのカレンも何も言わないで仲間にしている。

「アーシャ、ストーカーも程々にな」
「な、ストーカーじゃない!私も帰る」
 と俺についてくるアーシャ。
「なんだよ、いればいいだろ?」
「誤解はされたく無いからな」
「っとに素直じゃ無いねー」
 ムスッとした顔のアーシャは少し髪が伸びている。

「フンッ!ゼロはお父さんみたいな人だから」
「そうか?似合うと思うぞ?イタッ!」
 足を蹴られる。

「はぁ、暑いなぁ」
「タクシーは?」
「最近運動不足でな」
「そう、ダンジョンに行けばいい」
「ダンジョンダイエット?しようかな?」
「今から行く!カレンに連絡する」
 と新しいスマホを慣れた手つきで使う。

「まじか…まぁいいけどさ」
俺らは反転してギルドに向かう。

「でも俺はブランクがあるぞ?」
「フォローはする」
「ふぅ。しょうがないな」
 と2人で暑い中を歩く。

「そう言えば『黒い宝石』はダンジョン攻略してるらしいな」
「いま50階層にいるらしい」
 とこともなげに言う。
「何で知ってんの?」
「カレンから聞いた」
「あぁ、ネットの情報か」
 カレンも一人暮らしをし始めて暇があればネットの海を泳いでるらしい。

 シオンはようやくモクレンと離れて暮らしだしたのに、モクレンが愚痴を言いに俺の所にくる。
 姉として弟の世話を焼きたいのだろうな。

 みんなそれなりに満喫している様だ。

 ギルドに着くと、それなりに人が多いので冷房の効きが悪いな。
 とりあえず更衣室で着替える。

 久しぶりに袖を通す龍革のレザーアーマーにブーツだ。
「あ、ヤト、久しぶりだね」
「よう!モクレン!強くなったか?」
「そんな直ぐに変わらないよ」
「そっか」
 とモクレンとも話しながら更衣室から出ると、
「レディーを待たせるな!」
「はぁ、そんなに待ってないだろ?」
「て言うか相当久しぶりじゃない?」
「お手柔らかにな!」
 シオン、カエデ、カレン、アーシャが防具を纏っている。
「久しぶりだから60階層辺りまで行こうか?」
「えぇ!久しぶりなのに!?20階層あたりで」
 俺はそれくらいでちょうどいいと思うのだが、
「ダメェ!そうやって、直ぐサボる!」
「だって行く意味ないだろ?俺はもうダンジョン引退」
「『ルベル』の元リーダーがよく言うよ!さぁ!いくわよ」
 と連れて行かれる。

「もう働かなくてもいいんだよー」
「泣き言言わない!」
 久しぶりに潜ると少しジメッとして少し涼しいな。
「オラァ!」
「そうそう、たまにはね」
 まぁたまにはいいかもな。
「お前らも戦えよな!」
「はいはーい」
 とカレン達もちゃんと戦い出す。

「ふぅ、疲れるんだよ」
「運動不足ですね」
「うっせー、俺はダンジョンなんて怖くて嫌いだ!」
 誰が好き好んでこんな命のやり取りをすんだよ!
「でも戦えてるよ?」
「それは戦わざる得なかったからだよ」
「そっか。あ!次きたよ!」
「は?俺かよ!ったく!」
 と動かされて汗をかく。
「ふぅ、ふぅ、ふぅ」
「本当に運動不足ね」

「うっせ!俺は戦うのは嫌いだ」

 結局60階層まで行く羽目になって、途中から魔法バンバン撃ちまくってた。

「ほら!ヤトも動けよ!」
「やだよ、怪我したら痛いし」
 と魔法でモンスターを倒す。
「腑抜け」
「いいもーん」
「腹出てるぞ」
「うそ?」
「ビール腹」
「え!?うそだろ?」
「いや、ふくよかになったなぁって」
「クソッ!動いて痩せてやる!!」
 結局のところ動くじゃねーか!!

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「ほら運動不足じゃねーか」
「若者と一緒にすんな」
 俺だってもう少し若ければ…

「そうだな!若返ればいいんだよな!」
「は?!若返りの薬はやめとけよ!」
「何でだよ!」
「同い年になったらそれはそれで気まずいでしょ」
 うーん、俺はそこまでだがな?

 ダメかぁ。
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