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ポーション不足
しおりを挟む白雲の腕輪を魔法鍛治で首輪にする。
小さな鈴もつけてテンにつける。
『かっこいいにゃ!』
「早く動けるはずだよ?」
『ほ、本当にゃ!』
反復横跳びする猫…
「あと薬も飲めるか?」
『大人にゃ猫にゃから飲めるにゃ』
「ならこれ飲んでくれ」
とAGI速薬を渡す。
『何にゃこれ?』
「素早く動けるようになるぞ」
「飲むにゃ!」
と言って躊躇っているのが可愛いな。
その間にレザーアーマーに翼用の穴を開ける。
「よし!出来た!」
『の、飲んだにゃ』
「テンもよく飲めたね」
『あ、当たり前にゃ!悪魔族だにゃ!』
とビールを開け2人でテレビを見る。
『人間は多いにゃ、エルフやドワーフはどうしたにゃ?』
「こっちの世界には人間と動物しかいないな」
『にゃ!?滅びたのかにゃ?』
「違うと思うよ、昔から人間だけみたいだな」
『そうなのにゃ。別の世界にゃ』
エルフやドワーフがいる世界もあるんだな。
「まぁ、こっちの世界を楽しんでよ」
『そうにゃね。もう楽しんでるけどにゃ』
と黒いチビ猫は両手で器用にビールを飲んで、爪に引っ掛けてチーズを食べる。
今度ポーチを作ってやろう。
可愛いからな!
スキルボールはミライとメグミに渡せばいいか。『疾風』『風魔法』だからちょうどいいだろう。
あとは転移の書だが、全て同じ魔法陣っぽいな、一枚あればコピーして使えそうだな。
これでいちいち一階層から下に行かなくても済むかもな。
『何にゃ?考え事かにゃ?』
「いや、それにしてもニュースばかりだな」
『チャンネル変えるにゃ!あ!アニメやってるにゃ』
とアニメを見出すテン。
人間臭いな。
そのあとは風呂に入って寝る。
頭の横で寝るからフスフスと寝息が聞こえる。
朝起きて歯を磨き朝飯を食う。
今日は錬金術でマジックポーチを作ろう。
テンの採寸をして革でポーチを作る。
まぁ、簡単な物だな。
大蝦の皮と一緒に錬金すれば出来上がりだ。
「テンのものはここに入れればいいからな」
「にゃ!了解したにゃ!」
とポーチにチョールを詰め込んでいる。
低級ポーションを卸しに行かないといけないのでミライに連絡して『プライド』まで行く。
「いらっしゃいませ」
「よ!猫も一緒だけどいいかい?」
『よ!』
「し、喋る猫ですか?は、はい、どうぞこちらに」
ミライ達は外で警戒しているようだな。
『テンにゃ、よろしくにゃ』
「はい、テン様ですね、よろしくお願いします」
「今日は低級ポーションを作ってきたんだが」
「はい!もうあの数はなくなってしまいました」
「もう?あれだけあったのに!?」
「はい、あればあるだけ捌けてしまいますからね」
1000本卸してもあっと言う間に完売か。
どれだけポーションが不足してるかだよな。
「殆ど海外の方に回しました。前々から打診があったので」
「そうか。じゃあ今回の分も」
「多ければそちらにも回しますね」
とりあえず1000本昨日作ったからそれを渡す。
「ありがとうございます」
「あとは上級ポーションだが」
「あるだけで!」
「じゃあ100だな」
「おぉ!!ありがとうございます」
あとは魔石をまた1000個ほど買って、店から出る。
「ミライ。アメリカのエマ宛に荷物を送ることはできるか?」
「…はい、検閲が入りますがよろしいですか?」
「それで構わない。家に帰ったら取りに来てくれ」
「はい!」
もう俺だけじゃ無理だからな。
エマにも頑張ってもらわないとな!
「じゃあ十分後に来てくれるか?」
「分かりました!」
俺は部屋に入ると鑑定ゴーグルを三つ作る。
段ボールに入れているとチャイムが鳴る。
「よし、これをすぐに送ってくれるか?」
「はい!分かりました!」
と去って行くミライ。
部屋に入ると『プライド』で調べてもらったエマの番号に電話する。
『Hello?』
「エマか?河地夜人だ」
『ヤト!こっちは大変なの!』
「分かってる、いいものを送ったから受け取ってくれ」
『いいもの?薬草とか?』
「まぁ、そんなとこだな」
『薬草を鑑定士が鑑定して、私が錬金、また鑑定士がって、凄くめんどくさいのよね』
「それもなくなると思うぞ?届いたら電話してくれ」
『分かった!これに連絡すればいいのね!』
「じゃぁ、頑張れよ!」
『分かったわ」
とこれでアメリカも錬金術の速度が上がるだろ。
「さぁ、相棒!作るぞ!」
『にゃ?またあのポーションかにゃ?」
「それが終わったらビール飲もうぜ」
『分かったにゃ!頑張るにゃ!』
ネット通販で大量の薬草を買った。
とりあえず目指すは10,000本だな。
結局全部作り終わる頃にはテンは力尽きていた。
「よし!終わったな!」
『にゃ…終わったのかにゃ?』
「おう!手伝ってくれてありがとな」
『いいにゃ、ビール飲むにゃ』
「ハハッ!ゲンキンな猫だな」
『にゃ、しょうがにゃいにゃ』
「気にすんな」
「よ、よし飲むにゃ!』
と2人でビールを飲む。
『他に錬金術師はいにゃいのかにゃ?』
「だな、いてくれれば助かるんだがな」
『そうか、薬師でもポーションは作れると思うにゃ』
「そうか、薬師ね!探してくれるかな…」
『にゃーもお願いしてやるにゃ』
「ありがとな」
それから一週間でエマにゴーグルが届いたようで、
「凄いゴーグルね!これも錬金術?」
「そうだよ、でも素材が集めるの大変なんだよ」
「これで私も鑑定できるわ!ありがとう」
「おう!がんばれよ!」
エマも頑張って錬金術をマスターして行くだろうな!
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