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選別の丘
しおりを挟むツクヨを置いて街に出る。
人が多く、食べ物も足りてないようだ。
「あいつを呼ぶか、街を作るなら役にたつだろう?」
『あいつ?……そうにゃね!』
とりあえず俺はガーナと地球に戻り、グラムを呼び出す。
「どうしたんですか?」
「魔人国を救ってやってくれ!」
「は、は?」
「お前の土木作業が役にたつだろうからな」
俺は事情を説明すると、
「分かったっす!俺がいけば百人力ですね!」
「道具を買ってからいくか?」
「マジですか!俺の道具っすか?欲しかったんですよ!」
親方にも説明してグラムを借りると作業服やと道具屋に行って欲しいものを買ってやる。
「おっしゃー!やるぞー!」
「んじゃ返還するぞ?あっちにまだテン達もいるからツクヨに会いに行くといい」
「ハイっす!」
と返還してガーナとヤトベースで喋る。
「魔人もジョブはあるのか?」
「エルフやドワーフはある。魔人はその固体によってあるなしが決まるねぇ」
「あぁ、テンみたいなのはないってことか」
「そう言うこと、人間ベースだからねぇ」
人間ベースなのか、まぁ、そうなるのか?
「なら『覚醒のモノリス』はあるのか?」
「あるにはあるが、使ってるかどうか不明だねぇ」
と言うことは使ってないんじゃないか?
「『選別のモノリス』があるがエルフやドワーフに使ってもらうか」
「それはいいかもねぇ」
「となれば、行ってくるよ!」
「はいよ、私はここで待ってるからねぇ」
とキセルを持つと煙を燻らせる。
『転移』
テンのとこに来たはずだが?
『お、重いにゃ』
「お、悪い悪い!大丈夫か?」
テンの上に『転移』してしまったようだ。
『気をつけるにゃ!で?何しに来たんにゃ?』
「エルフとドワーフにこれを使わせようと思ってな」
『『選別のモノリス』にゃ、そうにゃね!」
「んじゃ集めてもらえるか?」
『了解にゃ!』
とテンが空を飛んでいくのを見て、ここが小高い丘になってることに気づく。
ここなら皆んなからもみえるかな。
『選別のモノリス』を設置する。
最初はドワーフが来て俺を見て怯えるが、助けた事を知っている人達が来て喜んで『選別のモノリス』を触ってジョブを取得して行く。
結構な列になってようやく終わったかと思ったら、
『この二人で最後にゃ』
と飛び回ったテンもつかれたようで腰を下ろす。
「こ、これにさわればいいんですか?」
「そうだよ、ジョブが出てくるから自分に合ったジョブを選ぶといい」
「は、はい」
エルフの親子が順に触ってジョブを取得する。
「よし!これで全員だな。夜までかかったな」
『ニャーも疲れたにゃ』
小高い丘で二人でビールで乾杯する。
「これからだな」
『そうにゃ!人間に負けない街を作るにゃ!』
「そうだな」
と月を見ながら喋る。
ツクヨとネオも来て『選別のモノリス』はここに置くことにした。
ちょっとやそっとじゃ動かないようにして、ここを『選別の丘』にするそうだ。
宰相がくると、
「じゃから我はちょっと休憩じゃ!」
「まだ仕事がたまってるんですからサッサと来てください」
と宰相に促されしぶしぶついて行くツクヨ。
ネオも補佐をしてるらしくついて行く。
テンと二人また月を見ながらビールを飲んで、
「帰るか?」
『にゃ!』
『転移』で帰って『召喚』でテンを呼ぶ。
『ニャー登場にゃ!』
とポーズを決めて出てくる。
ヤトベースに行くとガーナがいて、
「ただいま」
「遅いおかえりだねぇ、うまくいったかぃ?」
『バッチリだにゃ!』
「そうかい、それは良かったねぇ」
と立ち上がると、
「じゃあ、部屋にかえろうかねぇ」
「俺らも帰るか」
『ニャー!』
部屋に戻ると風呂に2人で浸かって風呂上がりのビールを飲む。
「クハァ、やっぱ一仕事後のビールは美味いな!」
『まぁ、飲んだけどにゃ』
と笑いながらテレビをつける。
いつも通りテレビは芸人やタレントを映して人々を楽しませている。
あっちの世界にもこう言うのが合ったらもう少し違った未来もあっただろうな。
娯楽というものがない世界は生きるだけで精一杯な気がするからな。
精一杯だから娯楽がないのか?
笑って過ごせる世界に変わるといいが。
翌日は如月が来てポーションと武器防具を物色している。
「最近、売り上げがいいんですよね。これも『ルベル』のおかげですねー」
「CM見たよ。『ルベル』を使うなんて思い切ったな!どーせなら『ブルーオーシャン』とか使えば良かったのに」
如月は椅子に座って笑っている。
「いまの『ルベル』の人気は高いですからね」
「へぇ、やっぱりテレビとか?」
「ネット中継を始めたみたいですよ」
「そんなことできるのか?」
「深層は無理でも浅い層なら電波がなんとか届きますからね」
あいつらスゲェな。
「おっと、喋りに夢中になりすぎましたね。カードをお願いします」
「お、おう」
カードをデバイスに入れて入金するとカードを返してくれる。
「出来れば『ルベル』の防具のレプリカを作ってもらえないでしょうか?」
「同じ武器も?」
「そうですね、非売品にして飾るのもいいかなと思いまして」
「うーん、わかった、あいつらに連絡して作っていいか聞いてからな」
「はい、ありがとうございます」
と言って如月はヤトベースから『プライド』に帰って行った。
うーん、レプリカねぇ…作ったことないしなぁ。
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