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『ルベル』の先
しおりを挟む「アッハッハッハ、やばいくらい美味いな!」
「だね!寒いけどビールによく合う!」
「岩塩だけでも美味いぞ!」
「竜の肉なんてどっから取ってくるのよ?」
「んー、『解体人』ってジョブがあるんだが誰かいるか?」
「要らなーい!」
「ここで食べれますしね」
とみんな久しぶりの自由を楽しんでるようだった。
と、誰か来たみたいでミライが見に行くと、ズカズカと大人数で向かって来たのは、
「社長?」
「あんたらスケジュール投げ出して何してんの?」
と強気の女社長さん。
「焼肉だけど?」
と俺が返すと俺の方を見る女社長?
「あなたが錬金術師ね。悪いけど彼女たちを返してもらうわよ?」
「は、スケジュール管理もなってないマネージャーをつけといてよく言うな?」
「それはこちらが悪いと思ってるわ。流石に働かせ過ぎた。ごめんなさい」
「社長…」
「でも今が頑張りどきなのよ!売れるためには」
「別に売れなくていいだろ?なぁ?」
「まぁ、テレビに出たいとかは別に」
とアーシャが言う。
「そ、そんなこと言わないで!あなたは関係ないでしょ?」
「あるって言ったんだけどな?一応、元『ルベル』のリーダーでこいつらの仲間だ」
「は?は、初めて聞いたわよ?」
「本当よ?ルベルはヤトがリーダーで先にS級になってるわ」
顎が外れそうに口を開けている。
「まぁ、そう言うわけで別に無関係でもないからな?口は出させてもらうぞ?」
「クッ!そ、それなら一週間に一日休みを取るようにするわ!」
「いままでは?」
「…休みは無し」
小さな声で社長は言う。
「なら一週間に四日は休みでいいな?」
「それいいね!休み多いじゃん!」
「買い物行けるし!」
「待て!待って!こっちも都合があるの!」
「そっちの都合だろ?」
「そ、それはそうだけど」
「なぁ、お前ら辞めちまえよ?他のとこ行けば?」
「あぁ、それでもいいかな。てかやってみて疲れたからもうやらないかも?」
「そ!それはダメよ!いま辞められたら困るわ!」
と大慌てでカレンのところによると、
「ねぇ、カレンちゃん?戻ってくれるわよね?」
「んー、週休四日でダンジョンにも行かせてくれたらいいかな」
「そ、そんなぁ」
と項垂れる社長。
「あ、いつのせいね!やっちまいな!」
「え!?S級ですよ?」
「関係ない!錬金術師よ?」
と言うので酔った勢いで男達を拳で倒していく。
「うー、ちょっと加減間違えたかな?」
ポーションをかけてやると逃げていく男達。
「あ、あんたら!!」
と1人になった女社長。
「あのさ?S級舐めてんじゃないの?」
「す、すいませんでした」
「で?どうすんのお前らは?」
「んー、辞めよっかな?」
「そ、それだけはやめて?週休四日でいいから!」
社長はもう社長じゃなくなっていた。
普通のタレントならクビだろうけど冒険者タレントでいま一番売れてるからなぁ。
クビにできないんだろうな。
「あと内藤マネージャーは外してね!」
「分かってるわよ、あいつは今日付でクビよ」
あらら、クビにしちゃったんだ。
まぁ、いいけどね。
「んじゃ社長も肉食べれば?」
「食べてる場合じゃないの!各局に謝りに行かないと」
とよろけながら中を通って正面玄関から出て行った。
「あはは!話って通るのね!」
「それはお前たち次第だっただけだろ?」
「うん!ありがとう!ヤト」
また疲れた顔見せたら…その時はその時だな。
「さぁ、肉食べようぜ!」
『ニャー!』
「美味しいねぇ」
「でしょ!ってカエデ取り過ぎよ?太るわよ?」
「だひじょうぶ!モグモグ、動くから」
とひたすら食ってるが、
「もう前みたいにダンジョンいってないんだろ?」
「これからはモグモグ行くでしょ?」
「まぁ、ほどほどにね」
と前はあんなに頑張ってたのに、変わったんだな。
まぁS級になるのが夢だったからな。
「それでいい、自分のために生きるのが一番だ」
「そうね、もう私達もS級だもの」
と言って乾杯すると、
「そろそろ誰か決めてよね?」
「は?」
「私かアーシャかカエデ!」
「なんでそうなる!俺はもうおっさんだぞ!」
「そうやってすぐ逃げるんだから!」
と逃げ回って、笑いながら焼肉を楽しむ『ルベル』のメンバー。
翌日は朝からレプリカの作成だ。
レプリカだから防御力なんかはない。
昼までに作り終えると『プライド』まで歩いていく。
寒くなって来たからダウンを着ているが、テンも自前の毛皮だけじゃ寒いらしくダウンを着ている。
「おい!お前のせいでクビになったぞ!!」
とやってくるのは内藤だった。
「ふーん、俺のせいか?」
『違うにゃ』
「だってさ」
言ってやると刃物を出してこちらに向かってくる。
刃物を蹴り飛ばして、そのまま踵落としをするとひっくり返ってカエルのように痙攣している。
ポーションをぶっかけて放置して『プライドまで行く。
久しぶりに来たが大盛況だな。
「お疲れ様です。どうぞこちらに」
と如月が俺を見つけていつもの席に。
「レプリカ作って来たが防御力なんて無視の本当のレプリカだからな?」
「はい!それで構いません」
「じゃあ、ほれ」
とテーブルに並べていく。
「映えますねぇ!これを飾らせてもらいます!」
「あはは、簡単な仕事だったよ」
その他がしんどかったからな。
『プライド』にはレプリカがならび、『ルベル』の人気を押し上げていた。
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