144 / 170
クリスマスパーティー2
しおりを挟むパーティーも進み、みんなが酔ってるな。
俺ものんではいるが、まだ酔えそうにないな。
「さぁみんな。楽しんでくれてるかな?今からプレゼントビンゴだ!楽しんでくれ!」
今回は司会がいて青蘭の後に続く。
カレン達も寄ってきてみんなでビンゴを楽しむ。
「おーっと、ここで『黄金騎士』の七沢さんがビンゴだ!」
「んじゃ私はこれね」
「それ俺からだ!」
と小さい箱を取ると。
「ゲッ!小金井から?」
「凄いぞ!上級ポーションだからな!」
「……昨年の方が良かったな」
と落胆しているが壇上から降りてメンバーの元に戻る。
グラムがビンゴするとグラムには小さい箱を選ぶ。金券が入っていてがっかりしていたが、いろんなものと交換できると知って喜んでいた。
ツクヨがビンゴになると一番でかい袋を選び、お菓子一年分をゲットして喜んでいた。
「やったのじゃ!いいのぉ、プレゼント交換!」
と大きな袋をマジックバッグに入れていく。
ツクヨのは『ブルーオーシャン』のサヤに当たり。こちらも喜んでいたのでWin-Winだな。
ほかにもガーナは七沢のストールなどが当たり嬉しそうにしているし、ネオは綺麗なアクセサリーだった。
結局、上級ポーションを当てた七沢に近づく小金井は他の『黄金騎士』につまみ出され一人寂しく飲んでいるのだった。
俺はカレンからのもので無難な財布が貰えて嬉しかった。
パーティーも終わりが近づくと小金井が壇上に勝手に上がり、
「俺様は錬金術師だぞ!!なんなんだよお前ら!守銭奴ばっかりエコ贔屓しやがって!」
何か叫んでいるが青蘭が一発殴ってスッキリした顔で、
「今日は楽しんでもらえたかな?二次会もあるからみんな来てくれよ!こいつは来ないから!」
どっと笑いが起き少し小金井が可哀想になったが、自業自得だな。
船が到着すると送迎バスに皆が乗って二次会に行く。
小金井はポーションをぶっかけられて寒さに震えながらタクシーに乗って帰っていった。
これで流石に懲りただろ。
「ヤト!早く行くわよ!」
「おう、すぐ行く」
流石に誰も船酔いはしてないみたいだな。
バスに乗ってまた去年と同じ居酒屋だな。
「ねぇ、ヤト!そろそろ僕をお嫁にもらってよ?」
「何言ってるの?元々男でしょ?」
「そんなの関係ないやい!僕は女でーす!」
「それなら私が彼女に」
「「元々敵でしょ!」」
「今は味方」
「く、ヤトはどうなの?」
とカレン達に迫られるが。
「俺はもうおじさんだ。しかも歳を取らないみたいだ。だから誰とも付き合う気はないな」
「「「は?」」」
「歳を取らないってどう言うことよ!」
「言葉通りだよ。仙人クラスになったみたいだからな」
「「えぇ!?」」
「それにみんな若い、こんなおじさんじゃなくていいだろ?」
「うー、僕はヤトがいい!」
「私だって!」
「私も」
「あはは、歳取らないんだぞ?気持ち悪くないか?」
「そ、そりゃお婆ちゃんになっていくのは嫌だけど」
「わ、私も仙人クラスに!」
「私も」
と言う3人に、
「本当にそう思うか?歳を取らなくなるのは辛いぞ?全てに置いてかれるからな」
「……」
「それでいい。さぁ、飲もうか!」
とみんなで乾杯する!
「なーんでそんなのになっちゃうかなぁー!!」
と酔ったカレンが言ってくる。
「そうだよ!僕なんて遊びだったんだ」
泣き出すサヤ。
「私はそれでもいい」
となぜか悟った目のアーシャ。
「あんた達の思ってるほど簡単な事じゃないんだよ?置いていかれる悲しさは」
そうだよな。ガーナの言う通りだな。
「「分かってるよ!」」
と、くってかかるカレンとサヤ。
「私は好きな人が自分より長生きしてくれたらそれでいい」
アーシャもそれなりに分かってるんだろうが不老だからなぁ。
「ほら、飲み過ぎだ。水でももらおうか?」
「いい!私は!!……悲しい」
「僕だって」
まぁ、フッたのはしょうがないだろ?
これ以上こんな若い子を縛りつけたくないしな!
「フッた事後悔するくらいのいい女になってやるんだから!」
「僕だっていい女になってやる!」
とカレンとサヤは諦めてくれたようだな。
まぁ、最初から年齢的に無理があったんだ。
「私は振り向かせてみせるから」
「……アーシャ」
アーシャには悪いけどそれはないだろうな。
子孫を残したとしてそれが死ぬのも見ないといけないからな。
本当に厄介なものを飲んでしまったな。
後悔はもう沢山したから諦めたよ。
『ニャーが慰めてやろうかにゃ?』
「あはは、大丈夫だ」
トイレから戻るとそんなことを言ってくるテン。
ツクヨとネオは何か考えているようだがつまみを食うのをやめる気配がないな。
グラムは『黄金騎士』の連中のところでバクバク食べている。
「まぁ、俺はいつも通り守銭奴の錬金術師でいいさ」
「守銭奴じゃないのに」
「そうよ!くっそ!小金井に当たり散らしたい時にいないんだから!」
「僕はみんなのとこに戻るよ」
サヤは『ブルーオーシャン』のところに戻って行った。
みんながいなくなったら俺はどうしようかな?異世界を旅するのもいいかもな。
まだ先の話だが、確実にくる未来だからな。
エマにも伝えとかないとな。
まぁ、エマなら下手なことはしないだろう。
167
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~
喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。
庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。
そして18年。
おっさんの実力が白日の下に。
FランクダンジョンはSSSランクだった。
最初のザコ敵はアイアンスライム。
特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。
追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。
そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。
世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる