合成師

盾乃あに

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『合成』

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「ありがとうございました」
 と窓を開けていうと、
「お気を付けて!ありがとうございました!」
 と車を発進させる。
 魔石エネルギーとガソリンのハイブリッド車で黒のSUV、俺の愛車だ。
 とりあえずノーマルで乗って、気が向いたらドレスアップしていこうかな?
 ピカピカの車はやはり乗っていて楽しいな。
 新宿から足立区まで30分程ドライブしながらアパートに帰ると駐車場に車を駐める。
 初めて使った駐車場。
 なぜか駐車場代も払っていたからな。

 とりあえず部屋に戻って今ある武器を見る。
 ダマスカスソード、鋼鉄の剣、鉄の剣、と一本ずつある。あと鉄の剣が一本あればミスリルソードになるな。
 あとはミスリルの盾、ミスリルダガー、が一つずつあるからこれはツネのところだな。
 錆びた片手剣、ダガー、大剣、があるが集めないと合成できないしなぁ。

「あ、そうそう、ポーションを買ったんだった」
 4本あるので『合成』してみる。
 ポーション→ハイポーション→エクストラポーションになった。
 入ってた試験管も豪華になっている。
 『エクストラポーション(解毒、解呪、幸運+3)』と言うとんでもないポーションが出来上がった。
 エクストラポーションはオークションにも出てない貴重な物らしいので、ちょっと売るのはやめて保管しておくか。
 俺の行ってるダンジョンだとポーションがあれば事足りるしな。
 でも今『合成』で使ったからどこかで入手しないとな。

 なんでも『合成』できると思ったが、試しにフォークとスプーンを『合成』しようとしたが無理だった。
 まぁ、試しだからな。
 そのほかも試したが、やはりダンジョンに関係あるものが『合成』の対象になるのか、出来ないものも多かったな。

 翌日は初級ダンジョンに車で向かう。
 トランクにはビニールを敷いていらない毛布をその上に敷いてある。車を汚す気はないからな。
 準備を整えてダンジョンに入って行く。

 ここからは直ぐに2階層に降りて3階層を目指しながらゴブリンを斬っていく。
 3階層に降りてオークを倒していくと、レベルも上がってきて、武器やオーク肉もドロップし、最高のダンジョンだな。
 もう持てないくらいになるとダンジョンから出てオーク肉を買い取ってもらい、武器類を車のトランクに積むと、もう一度3階層まで降りて行き、これを繰り返す事4回でタイムリミットの15時になったので辞める。
 
 大体、オーク肉が60万程、魔石は一個200円から300円なので拾っていく。
 まぁチリつもで結構な額になるので、捨てるわけにもいかない。
 武器もそれなりに集まったので帰って『合成』だな。
「ステータス」
ーーー
 里見瑠夏サトミルカ  32歳
 レベル27      ジョブ 合成師 
 スキル 合成 鑑定 加工 new
 ユニーク 追加効果 
ーーー
 よし、スキルが増えてるし、後レベル3で4階層の目安だな。
 4階層のモンスターも見てみたいし、この調子だな。
 初級ダンジョンは5階層までだし、今のレベルでも十分、ソロクリアは可能だ。
 星2が20階層、星3が50階層、星4が100階層、星5に至ってはまだわからないようだし、星5は世界にまだ8つしか見つかってないらしい。
 まぁ、星5まで挑戦する気はないし、俺は現状の最高レベル100まで上がれば、『合成師』スキルがどんなもんかがわかるだろう。

 今のところ不自由はない。
 初級ダンジョンでもそれなりに稼げるからな。ドロップ武器を持って歩くのが大変だが、これが金になるんだから美味しい商売だ。

「星5攻略なんてのは他の探索者に任せればいい」
 車を出して途中でコンビニに寄ってビールやつまみ、飯などを買いアパートに戻る。

 さて、飲みながら『合成』でもしていこうかな。
 まずはマー坊のミスリルソード。
 これは簡単に出来た。鉄の剣まで『合成』すればあとはミスリルまで一回ずつだからな。

『ミスリルソード(力+18、素早さ+12、防御+3、知力+3、幸運+6、炎属性)』

「おぉ!属性が付いたのか!だから炎っぽいデザインなんだな!約束なんてせずに売ればもっと金が手に入ったな。……まぁ、約束したからマー坊に売るけど」
 普通のミスリルソードではなくデザインが変わり炎の様なシルエットの赤っぽいミスリルソードだ。
 他にもミスリルダガー×2、ミスリルスピア、ミスリルの弓、ミスリルの片手剣、ミスリルの大剣が出来たんだが、合成回数が少ないとそれだけ追加効果が減るもんだな。
 しかし、この中でミスリルスピア、片手剣、大剣は属性が付いたから高く売れるぞ!

 ビールを飲みながら笑いが止まらないが、
「追加効果を選べたらもっと稼げるんだが」
 ユニークだからしょうがないか、本当は『鍛治士』が持つスキル『付与』で色んな付与が付けれるらしいけど似たようなもんだしな。
 しかし、属性によってデザインが変わるなんてやはりこれは『合成』でも特殊な『追加効果』なんだな!

 明日は、これを売りにマー坊とツネに連絡しておこうかな。
 いやぁ、自分の才能が怖い!
「ハハッ!初級ダンジョンでこれだけ稼ぐ奴は他にいないだろうな」

 と、1人で喋りながらこの狭い部屋をそろそろ引っ越そうとスマホで初心者ダンジョンが近くにある物件を探してみる。
 新宿に近い場所がいいな。
 また3人で飲むだろうしな。
 と夢を見ながら飲む。


「ん……あぁ、寝てたな。今何時だ?」
 スマホを見ると朝の8時だ。
「ふあぁあぁぁぁ」
 と大欠伸をして起きる。
 コーヒーを淹れてテレビをつけ、パンを食いながらニュースを観る。

 物価高やら言われてるが、魔石エネルギーが出来てからもう何十年だ?一時期下がったけど、ダンジョンから取れるオーク肉や魔石、加工できる資源は沢山あるんだから国がなんとかしろよな。
 本当、こんなんだから景気が良くならないんだよ。
 と、俺が言ってもしょうがないけど。
「……くだらないな」
 俺は金に困ってないし、これからも困ることはないだろうな。

 まぁ、風が吹けば桶屋が儲かるって言うし、俺が儲かれば誰かも儲かるだろ?
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