32 / 57
反響
しおりを挟む翌日は朝から電話で起こされ、
「お前パーティー組んだのか?」
「なんだよ、朝っぱらから……組んだけど」
「『氷剣姫』とか?」
「そうだ」
ツネが大声で話すのでスマホを遠ざける。
「よし!今日飲みに行くぞ!マー坊も誘っておけよ!」
「はいはい、分かったから」
「んじゃな!」
と電話が切れる。
もう一度寝ようとすると、電話が鳴り、
「マジか!ついにパーティー組んだのか!」
「あぁ、ツネが今日飲むってさ」
「分かった空けとくわ!んじゃ」
とマー坊からの電話だった。
「……んーーーーーー!」
と枕に顔を埋めて大声を出す。
起きて顔を洗いコーヒーを淹れながらテレビをつけると、カグヤが出演していて、パーティーを組んだことを話している。
これ見て電話してきたな?
『それではランカーでもない一般の方ですか?』
『はい、でも彼のことは尊敬できて、信頼できるのでパーティーを組みました』
いやいや、結構強引でしたが?
『なんでも星3だとか?』
『あら、別にランクは関係ありますか?』
『い、いえ、星5の氷室さんにしては思い切ったなと』
『そうでしょうか?これからランクは上がるでしょうし、関係ないと思いますけど』
俺はランクを上げるなんて言ってないぞ?
「はぁ、言いたい放題だな」
覚悟はしてたが反響がすごいな。
どうせネットは罵詈雑言だろうし、見るまでもないな。
「よし、んじゃちょっと外をドライブするかな」
家にいてもニュースはこれだし、ネットも見る気はないので家にいても暇だから車でドライブする。
『合成』するのに必要な物はと、マジックバッグも『収納(大)』がつけれるようになったしそろそろ替えるか、あとは前衛のカグヤに全身防具を作ったら買うだろうし、革鎧、ローブなんてのもいいな。
ショッピングモールで少し探してみるか。
と大型ショッピングモールで買い物をする。
鞄屋でいい感じのウエストヒップバッグを5個選んで買うと、防具専門店で革鎧をあるだけ、52個とスーツ型防具は8セットしかなかった。
ブーツは32足デカいのを頼む。
結構な額だな。まぁ、買うけど。
魔道具屋に行くと『帰還玉』が売られていた!
それにゴブリンの魔石は0だし、魔道具師が買って行ったのだろう。
これで俺は自分の分だけ作ればいいな。
フードコートでテイクアウトできる物を大量に発注する。
『収納』に入れるので気にせず買いまくる。
あとは夏服を買い足し、ドリンクもアイスコーヒーやタピオカミルクティーなど『収納』する。
その他も見て周り、必要そうな物は買って行く。
いやぁ、買ったな!ストレス発散!
車に戻り買ったばかりのCDを読み込ませると、ドライブがてらマンションまで遠回りしながら帰る。
部屋に戻るとタピオカミルクティーを出して、飲みながら合成部屋に行き、色々と『合成』して行く。
『オーガ革のマジックバッグ』……(収納(大)、防汚)
『ブラックオーガの革鎧』……(フィット、硬化、剛力、防御+40)
『ミスリルのスーツ型防具』……(フィット、硬化、剛力、防御+40)
『ブラックオーガのブーツ』……(フィット、防汚、素早さ+50)
ふぅ、これだけ作ればいいだろ!
と満足し、新しいマジックバッグに詰めておく。
メールが来ていつもの『居酒屋麦わら猫』だな。
マー坊にメールすると、『今新宿ー』と返信が来たので、早いけど俺も新宿までタクシーで向かう。最近はタクシーに乗り慣れてきたな。
「よぉ!久しぶり!」
「なんだよ!ニュースになんて出てきたから朝からビックリしたぞ」
「まぁ、二度手間になるから後で話すよ」
「了解!」
と新宿をプラプラ歩いて、古い武器屋があったので入って見ると、
「ん?これって」
『青銅の剣』と『鑑定』にでる。
「へぇ。錆びた剣も綺麗になるんだな」
しかも一本千円とかなり安い。まぁ、元が安いからしょうがないけど。
かなり大量にあるので全て買う。
店長のお爺ちゃんもビックリしてたな。
流石に全部入るかな?と思いながらマジックバッグに入れると全部入って、しかもまだ余裕がありそうだ。
これで剣、槍、ダガー、片手剣が作れるな!
掘り出し物があるから街ブラはいいなぁ。
「おっ、防具屋寄っていいか?」
「ん?いいけどどうした?」
「いや、流石に鋼鉄の全身防具でいままで来たが、そろそろ変えろと言われててな」
「ほぉ、俺も持ってるぞ?」
グッドタイミングだな。
「……と、とりあえず中見て見るか」
「まぁそうだな」
と店の中に入っていく。
革鎧、全身鎧、全身防具、スーツ型防具など結構揃ってるな。
「全身防具かぁ、全身鎧はないなぁ」
全身鎧は騎士甲冑の様な物で全身防具はメイル(胴)、アーム(腕)、コイル(腰)、グリーヴ(脚)と分かれている。
スーツ型防具は各部位に防御用に加工された鉄板やポリカーボネートの様なものが取り付けられている。
まぁ買うなら全身防具かスーツ型防具の方が動きやすいだろうな。
だが、ポリカーボネートか、鋼鉄何かの重い素材だから、絶妙なんだよな。
しかも防具屋は武器屋より安い、なぜかと言うと使ってる素材が革やポリカーボネートだからだ、全身鎧なんかはそれなりの値段がするが、やはり素材だよなぁ。
ミスリルで作れば武器より高くなるはずだが、『革職人』や『防具職人』が少ないのが原因か?
「好きなのを8着買ったら激安で作ってやるよ」
「まじか?でも8着?8着??」
と驚くマー坊。
「そう、信じるか信じないかはマー坊次第だけどな」
122
あなたにおすすめの小説
追放された【鑑定士】の俺、ゴミスキルのはずが『神の眼』で成り上がる〜今更戻ってこいと言われても、もう遅い〜
☆ほしい
ファンタジー
Sランクパーティ『紅蓮の剣』に所属する鑑定士のカイは、ある日突然、リーダーのアレックスから役立たずの烙印を押され、追放を宣告される。
「お前のスキルはゴミだ」――そう蔑まれ、長年貢献してきたパーティを追い出されたカイ。
しかし、絶望の中でたった一人、自らのスキル【鑑定】と向き合った時、彼はその能力に隠された真の力に気づく。
それは、万物の本質と未来すら見通す【神の眼】だった。
これまでパーティの成功のために尽くしてきた力を、これからは自分のためだけに行使する。
価値の分からなかった元仲間たちが後悔した頃には、カイは既に新たな仲間と富、そして名声を手に入れ、遥か高みへと駆け上がっているだろう。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた男が、世界で唯一の神眼使いとして成り上がる物語。
――今更戻ってこいと言われても、もう遅い。
サハギンに転生した俺、最弱から進化して海の覇王になりました
☆ほしい
ファンタジー
目を覚ますと、俺は異世界の海底でサハギンに転生していた。しかも、生まれたての最弱個体。弱すぎて、敵どころか仲間にも狩られるレベルの雑魚だった。
だがこの世界には、「進化」システムと「スキル取得」の概念がある。戦い、喰らい、生き延びれば、どんな存在にでもなれる。
一匹で深海を生き抜き、強敵との死闘を重ね、仲間を得て、次第に領海を広げていく俺。やがて襲い来る海賊、魔族、そして異世界の神々さえも──
進化の果てに手にした力は、神話の海獣すら屈服させる“覇王の威光”。
これは、最弱種族に転生した俺が、知恵と本能を武器に進化を重ね、深海・外洋・空すら制し、異世界の“海王”として君臨するまでの成り上がり戦記!
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
消息不明になった姉の財産を管理しろと言われたけど意味がわかりません
紫楼
ファンタジー
母に先立たれ、木造アパートで一人暮らして大学生の俺。
なぁんにも良い事ないなってくらいの地味な暮らしをしている。
さて、大学に向かうかって玄関開けたら、秘書って感じのスーツ姿のお姉さんが立っていた。
そこから俺の不思議な日々が始まる。
姉ちゃん・・・、あんた一体何者なんだ。
なんちゃってファンタジー、現実世界の法や常識は無視しちゃってます。
十年くらい前から頭にあったおバカ設定なので昇華させてください。
異世界ラーメン屋台~俺が作るラーメンを食べるとバフがかかるらしい~
橘まさと
ファンタジー
脱サラしてラーメンのキッチンカーをはじめたアラフォー、平和島剛士は夜の営業先に向けて移動していると霧につつまれて気づけばダンジョンの中に辿りついていた。
最下層攻略を目指していた女性だらけのAランク冒険者パーティ『夜鴉』にラーメンを奢る。
ラーメンを食べた夜鴉のメンバー達はいつも以上の力を発揮して、ダンジョンの最下層を攻略することができた。
このことが噂になり、異世界で空前絶後のラーメンブームが巻き起こるのだった。
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる