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1週間後
しおりを挟むあれから1週間、
ツネの店はまだ直っていないので休みのツネに付き合い買い物に出かける。
「おい、俺はお前のアシじゃねえんだぞ?」
「いいじゃねーか、暇なんだろ?」
「そんなに暇じゃねーわ」
と喋りながら車を運転する。
「お、ここだな」
「ん、あぁ、『Monica』か」
「来たことあんのか?」
「まあな」
と防具屋『Monica』に入っていくと、身構える店員。
はぁ、今日はいつもと違うんだが。
「きょ、今日は何を?」
「ん?俺じゃなくてこいつが用があるみたいだ」
「あ、そうなんですか!」
「男性物のボディースーツはありますか?」
ツネは今後の事を考え、スーツの下に着る防具を買いに来たようだ。
流石に腕を斬られたから少しは自己防衛に目覚めたらしい。
「強さは防弾チョッキくらいか?」
「だな、今後何があるかわからないからな」
「いや、流石にもうないだろ?」
あんな事が頻繁に起きてたら大変だろう。
「自分の身体を守れるようにならないとな」
「ふむ、まぁ、そうだな」
覚醒者がまたいつ襲うか分からないからな。
備えあればなんちゃらだな。
「そうだ、これもお前のスキルでなんとかなるのか?」
「うーん、たぶんな。でも、8着は必要だし、重くなると思うぞ?」
ミスリル製になっても動きづらいだろ。
「そっかぁ、ならこのままかな。……よし」
「まだ飲むのには早い!」
ここんとこ毎日付き合ってるからこいつの行動はよく分かる。
まだ15時だ。
こんな昼間から酒飲んでどーする。
「……んじゃ、どーすんだよ?」
「マー坊でも迎えに行こう」
「おう、なら行こうぜ」
とマー坊に連絡させるがマー坊はダンジョン に行ってるようで連絡がない。
しょうがないのでカグヤにも連絡するが今日はモデルの仕事らしい。
「んだよ、みんな仕事か」
「いや、休みなのはお前くらいだろ?」
「……お前もな」
俺は休みではないんだがな。
「はぁ、もう付き合ってやらないぞ?」
「ウソ嘘、悪かったよ」
と言ってるので許して車を新宿のパーキングに停める。
歩いて新宿をぶらつくと、ゲーセンを見つける。
「久しぶりにゲーセンでも行くか?」
「ん?いいが、なにするんだ?」
「そりゃ、ゲームだろ?」
と言って中に入る。
所狭しとクレーンゲームが並び、フィギュアやぬいぐるみなどが置いてあるが、久しぶりにくると景品の質が良くなってるな。
「おっ!カグヤのフィギュアじゃね?」
「……本当だな。こんなのにもなってるのか」
そこにはディフォルメされてるがカグヤだとわかる景品が展示されている。
「おっ!あれなんだ?」
「ん?」
見ると平日の16時なのに賑わっている丸くてデカい筐体が四つもある。
読んで見ると『君も覚醒者になって狩りをしよう!』と書いてある。
「どうやら覚醒者のゲームらしいな」
「へぇ、なりきりゲームなのか、昔はロボットのゲームだったよな?」
「あったな、そんなの」
昔、ツネやマー坊と一緒にゲーセンに来てた頃にあったのはロボットに実際に乗ってるような体験型のゲームだったな。
「今じゃ覚醒出来てない奴らのためのゲームだな」
やはり俺もそうだったが、覚醒できるかどうかは運だ。
覚醒出来てない頃はやはり覚醒したいと切に願っていたからな。
こんなゲームでも体験ができるなら、前の俺もやってただろうな。
「俺も並んでやってくるわ!」
「俺はパスだな。あの画面で見てるわ」
「んじゃいってくる!」
とツネは並びに行ってしまう。
人混みをかき分け中に入っていくとすんなり筐体に入っていくツネ。
「へぇ、中はどうなってるのか分からんが中々面白そうだな」
と独り言が出てしまうくらいリアルな映像が流れている。
少し見ているとツネらしきプレイヤーが画面に出てくると魔法を使って戦いに参戦している。
「あいつ魔法使いになったのか、まぁ、後衛がいなかったから今のパーティーと相性は良さそうだ」
とりあえず画面から目が離せないくらいリアルで、しかも友達が戦っていると思うとやはり応援してしまう。
画面では前衛が倒れ、ツネが1人で奮闘するが倒されてしまった。
筐体から出て来たツネは他の奴と握手をしてからこっちにくる。
「よう、惜しかったな?」
「な!あれ中で結構自由に動けるんだぜ?コントローラーを持って走ったり避けたりは操作しないといけないけど、剣を振ったり魔法を撃つのは自分で動かないといけないけどな」
と興奮気味のツネは少し汗をかいている。
「へぇ、そら楽しそうだな」
「な!でも、高すぎだ。一回1000円もしたぞ?プレイヤーカードがあるから次からは500円だけどな」
カードを見せてくるが、一回500円か……ふと横を見るとガチャガチャが一回1500円もするのだから、これはアリなのかもしれない。
「まぁ、楽しかったならそれでいいんじゃないか?」
「だな、少しだけど魔法使いになった気分だったよ」
白い歯を見せて笑うツネは、まだ若い頃にゲームで遊んでいた頃と同じだな。
「んじゃ、そろそろ向かうか?」
「お、ルカのお許しも出たし、飲みに行くか!」
と機嫌の良いツネは前を歩いていつもの居酒屋に歩いて行く。
『居酒屋麦わら猫』の前の歩道は綺麗に直されていてやはりあの日から時間が経ったのを実感する。
「いらっしゃいませー!」
と店員が元気よく迎えてくれるのでそんな事は忘れ、もうビールとつまみは何にしようかと考える。
「よし!飲むぞー!」
「生二つね!」
日常が少しずつ戻って来たな。
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