合成師

盾乃あに

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セレモニー

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 カグヤも合流してシオンと3人で星2ダンジョンを攻略している。
 19階層だが、俺やカグヤが間引くとシオンは残ったモンスターを倒す。

「はぁ、はぁ、ふぅ」
「大丈夫か?」
「はい!まだまだいけます!」
「あまり無理しちゃダメよ?」
 今のシオンは俺の作った防具とブーツを装備しているのでこの辺のモンスターでは傷一つつかない。
 多少無理しても平気なのだが、カグヤから流石に星2でも1人で倒させるのは危険だと怒られた。

 なので間引くことにしたが、それで良かったようだな。俺1人だとシオンに無理させるところだった。

「ほんともうちょっと早く合流すべきだったわね」
「あはは、でもちゃんと見ててくれましたから」
「ダメよ?女の子なんだから怪我して跡が残ったら大変なんだから」
 と俺の方を見ている。
 別に怪我したらポーション使えばいい……ってわけじゃないらしい。
「はいはい、俺が悪かったよ」

 こう言う時は先に折れとくのが無難だからな。

 そうこうしてるうちに20階層の扉の前に到着する。ここを攻略すれば晴れて星3ダンジョンに行けるわけだ。

「まぁ、俺たちの出る幕はないだろ?」
「そんなことわからないでしょ?気を引き締めて!」
「はいはい、だが、少しはシオンを信用しろよ?」
「分かってるけど生産職よ?何があるかわからないからね?」
「ふぅ、じゃあ、行くか!」
「はい!」
 カグヤの過保護っぷりに呆れながら扉を開くと、ゴブリンジェネラルとゴブリンが数体いる。
「グギャァ」
 と汚い声で喚いているが、カグヤがゴブリンを倒してしまうと、ジェネラルとシオンの一騎打ちだ。
 鎧を着たジェネラルは走ってシオンに向かって行くと、シオンはハンマーを横から振り抜く。
「グベッ!」
 とハンマーがジャストヒットしてジェネラルは壁のシミになり消えてドロップに変わる。

「ほらな?」
「へぇ、さすがね!シオン」
 とカグヤは抱きついている。
「えへへ、倒せました」
「よくやった」
「はい!」
 とドロップを拾い、シオンに渡すと宝箱が出てくる。
 シオンは宝箱の前に立つと開けてハイポーションが一つだけだったのでがっかりしている。

「まぁ、星2だからな?ゴルアークが良かっただけだ」
「そうですね。せっかくの宝箱だったのでちょっと残念です」
 シオンはそれをマジックバッグにしまうと、
「でも、ようやく星3ですね!」
「だな、んじゃ外に出るか」
 と3人で外に出る。

 ギルドにドロップを売却し、全部シオンのカードに入れてもらう。
「あ、あの」
「ん?俺らは見てただけだからいらないぞ?」
「わ、分かりました。でも今日の居酒屋は僕、わ、私が出します」
「お!奢りか?飲むぞー」
「そうね、ありがとうシオン」
「はい!」

 居酒屋に到着するとテーブル席に案内され、生を3つ頼む。
「今日は食うぞ!」
「はい!食べて飲んでください!」
「あはは、シオンもね?」
 とカグヤと俺は眩しいものでも見るようにシオンを見つめる。
 花開くとはこう言う事なんだな。
 才能もそうだが努力して手に入れたものだからな。

「あはは、でも凄いですね。ルカさんの『合成師』って」
「まぁな、自分でも特殊なのは分かってるよ」
「そうね、ルカは特殊よね?」
「……どう言う意味だ?」
「別にー?あははは」
 と笑い合う仲間がいることに感謝だ。

「パーティー名はどうする?」
「ん?別にいらなくないか?」
「えー!決めましょうよ!」
 そうかぁ、『栄光』とか『閻魔』、あとはマー坊のパーティー『咲雷』とか漢字二文字が多いのか?
「漢字二文字かぁ」
「べつに決まりがあるわけじゃないのよ?」
「白雷なんてどうでしょう?カグヤさんの白にルカさんの雷で」

「いや、俺は雷の片手剣をよく使ってるだけで、メインは別にあるしな」
「私の白はいいけどシオンが入ってないわよ?」
 色々と案は出てくるが、どれもしっくりこない。

 結局、宿題として持ち帰ることにした。
「んー、お酒入ってると中々出てこないわね」
「まぁ、いいだろ?とりあえずパーティーに乾杯!」
「「カンパーイ」」
 とせっかくシオンが奢ってくれるので話題を逸らす。

「ツネの店はそろそろオープンだろ?」
「そうね、何かプレゼントしないとね?」
「あ、『tortie』の店長さんですよね?」
「だな。プレゼントも考えないとな」
 ツネの店もようやく開店できるようになった。
 もう店はできてるらしい。

「やっぱりお花?」
「んー、花かぁ。まぁ無難だな」
「花環ですか?丸々一同みたいな?」
「それこそパーティー名じゃない?」
「有名じゃないから誰?ってなるだろ」
 流石にそれは恥ずかしいな。
「花瓶はどうですか?」
「いいね!器は必要だな!」
「そうね、花を飾るのにいいわね」
 と言うことで花瓶を贈ることにした。

 花瓶のことは分からないのでカグヤに任せることにした。
 有名なフィンランドの花瓶らしく、まぁ花瓶にしては高いと思うがカグヤが選んで金は俺が出すことにした。
 シオンは花を買ってくれるようだ。

 そして開店日、
 多くの客に祝福されながらセレモニーが行われ、社長の姿もある。
「よ!ルカ」
「ん?あぁ、愛内か」
「覚えてくれたんだな、よかった」
「デスサイズなんか使うのは『閻魔』の愛内くらいだろ?」
 と愛内健人アイウチケントと喋ると、広くなった店内に案内され、前より頑丈なケースに入れられたミスリルソードなんかがズラリと並ぶ。

 そして一番目立つところに花瓶が置いてあり、花が生けられている。
 区切りとしてはいいセレモニーだった。
 
 そして俺たち3人は社長に呼ばれて会食だ。
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