【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ

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<模索 編>

目覚め

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目覚めたのは朝だった。背中の汗で寝衣が肌につく。
その不快から、体調を崩して寝たのだとわかった。思ったより頭はスッキリしている。

「んっ…うん。」

身体も体調も問題なさそうなので、魔法で水を出し、ひと口に入れる。うん、水の味。
さらに水を使って、身支度を終えて自室を出た。

日が上りかけている爽やかな時間。窓を開ければ風が入ってきた。
そういえば、グラウルとサディスの執事2人が王都へ向かっている。窓を開けるなど細かいところは行き届かなくなる。少々の不便だけど、私がやっておこうかと思う。

後継者の仕事ではないと小言を言う専属執事がいないのだ。気楽にやってもよう。


それに今日から、新しい事をやってみようと決めている。

現状、12歳に死ぬまで行ってきた事を前倒しにして、良い方向に向かっていると思う。魔物の氾濫は起こるものの、対処は可能だ。

あの、王都に被害をもたらした大規模な魔物の氾濫までも時間がある。
これに関しては、ヴェーネン家だけで動かないので、変な行動は避けたい。連携が大事であるし、被害を防ぎには作戦の方を変えなければならないと思う。

とにかく、今じゃない。

なので、私の経験から外れることをやってみようと思い至った。12歳まで必至に領地の立て直しと冒険者ギルドとの関係を繋げていたけど。もうやれる事はやってしまった。

(それでも不安だと感情的になるけど…良い案が浮かばない。)

冒険者が寝ているであろう別棟が見える。誰かが起きた様子はない。気づかない可能性もあるが、冒険者は早朝か昼頃起き出す様子だ。

庭を通って、別棟の食堂に向かう事にした。


水を撒く。
走れるようになってからの習慣で、食べられる物も薬効のあるものが植えてある。家庭菜園よりは大きい。
立派になったものだ。

庭師の2人は、小屋かな。メイドが起きるのにもまだ早い。

(オジサマは起きているかな)

可能性はあるけど、回復した挨拶をわざわざ早朝にしなくても良いと思う。花を眺め、美味しい実がなるのも楽しみだなと散歩をした。その間、誰にも会わず思考もスッキリした。

知らないところに出かけて、会ったことのない人と会う。新しい物を作ってみるのもできるだろうか?
水が撒き終わり、水で潤った草花をぼんやりベンチに座って、見ながら考えていると…


「お腹すいてる。」

蕾も食べられるんだったなと考え出したので、朝食を食べに行こうと立つ。

「花の蜜漬け、砂糖をまぶして?お茶にするのも良いかも。」
お金の余裕から、気持ちの保養方法を思い出した。


(高いけど、甘い物が食べたいな。)
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