16 / 94
本編
第十六話 嵐の前の静けさです、静かじゃなかったけど
しおりを挟む
「ねえ、信吾さん」
「ん?」
ちょっと遅いお昼ご飯を食べた後、ソファに座った信吾さんの足の間におさまりホテルの専用チャンネルでやっている映画を観ていて、ちょうど一本目のエンドロールが流れ始めた時にふと思いついことを口にした。
「もう赤ちゃんできてると思う?」
信吾さんは何故だか飲みかけていたお茶でむせている。あれ、そんな変な質問だったかな。普通のことだよね? だって避妊しないで愛し合ってるわけだし?
「そのことなんだがな……」
「なあに?」
「今更なんだが学校はどうするつもりだ? 避妊しないって言ったのは俺だが、初志貫徹で医者になれって言ったのも俺なわけで……休学といっても限度ってものがあるだろ?」
「それはそうなんだけど」
確かに赤ちゃん産まれたら学校に通い続けるのは無理だよね。もしかしたら既に命が宿っているかもしれない下腹部のあたりに手をやりながら考えこんじゃった。
医者になりたいっていうのは死んだお母さんの影響もあるんだと思う。少しでも病気で辛い思いをしている人の役に立ちたいって思ったから。だけど、その夢よりと同じくらい信吾さんと家族を作るのも大事なことなんだけどな……。
「信吾さんは赤ちゃん、欲しくないわけじゃないよね?」
「奈緒との子供は何人でもほしいよ。だが、それで奈緒が自分の夢を諦めるのは嫌だな。だからちょっと後悔している、色々な意味で。今更だがやはりきちんと避妊はした方がよかったのか?とかな……」
「なるほど。でも、できてたら産んでも良い?」
「当たり前だ」
そう言って信吾さんは私の手の上に自分の手を重ねる。
「良かった。じゃあ買いに行かなくちゃね、その、あれ……」
「あとでな、この映画終わったら」
さっきのは冒険ファンタジーだったんだけど、信吾さんが観たかったのはその次のこれだったみたい。わあ、ホラーっぽいよ? もしかしてオカルト? 大画面だから迫力ありそうで怖いよ……。
「し、信吾さん、これ私も一緒に観なきゃダメ?」
私、スプラッターとかホラーとか全然ダメなんだよ。これでも医者になりたいんだよ? スプラッターがダメだったら外科医になれないじゃん? それと一病院に一幽霊っていうぐらい病院にはオカルト話がついてまわってるから夜勤出来ないんじゃん?
みゅうさんならそんな映画も笑い飛ばして見てそうだけど私はどう考えても無理。もしかして私って医者には不向きなのかも。
「これ、話題になってたホラー映画でCGがリアルだって評判だったやつだぞ?」
「リアルなのイヤだぁ……」
画面から禍々しい雰囲気が駄々漏れでわたし的にはお布団を頭からかぶっちゃいたいぐらいなのに、信吾さんてば全然平気なんだよね?
「怖くないの?」
「だってただの映画じゃないか。俺が怖いのには任務に失敗して死人が出ることぐらいだよ。作りものだって割り切れば怖くないだろ?」
「そんなこと言ったってぇ……」
やっぱり怖いよ。最初はヒーッとか言いながら信吾さんの肩に顔を押し付けてたんだけど、ストーリー的には面白くて怖いのと気になるのとで私はあっち向いたりこっち向いたりととても忙しい状態になってしまった。そのうち信吾さんの手で目隠しをしてもらってその指の隙間から観たりしている自分に気がついて、何やってるんだ私!なんて自分で自分に突っ込みを入れてみる。
「そんなので怖いのマシなのか?」
「多分……」
信吾さんにしがみつくようにして、しかも手で目隠しされながらって、傍から見たら滑稽なことしてるよね? でもこうでもしないと観られないんだもの仕方がないよ。
そんな私を面白がっていた信吾さんはいつのまにか映画を観賞することを放棄してバスローブの中に手を滑り込ませている。ルームサービスの人が来るから私も着替えるって言った時に、お前はそのままでベッドから出てくるなって言ったのはこの為だったのかな。最初は“珍客”対策で隠れてろってことだと思っていたんだけど。
「やんっ、映画、観ないの?」
「こっちの方が楽しいから。奈緒は観てろよ、気になるんだろラストが」
「そうだけど、そんなことされたら、気が散って分かんないよ……」
膝の上にテレビ画面の方を向いたまま座らされた。いつの間にかロープははだけちゃって辛うじて腰のベルトで引っかかっている状態。腰から脇にかけて撫でていた信吾さんの手が前に回り込んできて両方の胸を掴んできた。
「んっ……はっ……」
爪で先端を弾くように触られて体がピクンと震えちゃった。もう何処をどう触れば私が感じるか全部知られちゃったみたい。画面では何だか怖いお化けみたいなのが暴れて登場人物達を追い詰めていて、その画面が暗転するたびにそこには胸を愛撫されている私と後ろの信吾さんの姿が映る。なんだかそれが凄くエッチな感じ。
「信吾さん、胸ばかりじゃ、やだ……」
「映画はいいのか?」
「だってぇ……」
「こっちは俺に任せて映画を観てろ」
「無理だよぅ」
片方の手が下に下りてきて足の間を探っている。ゆったりとした動きで指に滲み出ていた蜜を塗りつけるとそのまま襞を掻き分けて胎内へと入ってきた。
「あっ」
信吾さんの肩に頭を押し付けるようにして体を反らしてそれを受け止めた。信吾さんの指って結構太くて長いからちゃんと濡れてないと辛い。それが分かっているからゆっくり挿れてくれるんたけど、まだちょっと辛いかな。
「んんっ、ぁんっ」
「辛い?」
「だ、いじょぶ……ひゃうっ……っ」
花芯を親指で撫でられて悲鳴をあげてしまった。もう映画に意識を向けてられないよ、無理ぃ。
「そろそろ映画の方はクライマックスだぞ?」
そんなこと言われても無理だよう。中の感じるところを擦られちゃって目を開けてられないんだもん。部屋に響いているのは映画の中のヒロインの悲鳴なんだか私の喘ぎ声なんだか分かんない状態だ。もうイっちゃうかもしれないと思った時、指が胎内から引き抜かれた。
「あ、なんで?」
「ちょっと腰上げて」
「え……?」
言われた通りに信吾さんの膝に手をついて腰を浮かせると、何やら後ろでごそごそしている。
「いいよ、そのまま腰おろして」
「う、ん……」
腰に両手が添えられて、さっきまで指が入っていた場所に熱くて硬いものが押し当てられた。ゆっくりと押し開かれる感触にちょっと眉をひそめた。
「信吾さん、避妊、は?」
「この前の残り、ポケットに入れてた」
「……そう、なの?……ああっ」
先端が入ってしまうとあとは一気に奥へと入り込む。それが一番奥にあたる感触が凄過ぎて腰を浮かせた。
「痛いのか?」
「ううん、そうじゃなくて……もっと奥に入ってこられちゃいそうでちょっと怖かっただけ」
これでも医者の卵だから自分の体がどうなっているかぐらいは分かってる。だから男女の営みのメカニズムも分かっているつもりだった。信吾さんと愛し合うようになって知識だけなのと実際にするのとでは全然別物なんだってことを実感したけれど。
「痛くないんだな?」
「うん、平気。信吾さんと深く結ばれてるって感じで幸せ」
可愛いこと言うなって後ろからぎゅって抱きしめられて耳をペロリって舐められると、体が反応して私の中にいる信吾さんを締めつけたのが分かった。耳元で加減しろって呻き声がする。そんなこと言われても自分で何とか出来るとは思えないんだけどな……。
「信吾さんは気持ちいい?」
「ああ。奈緒が俺を離したくないってここで伝えてくれていて、すごく優越感に浸れる」
そう言って花芯を撫でてきた。思わず声をあげて体をよじったら信吾さんが辛そうに呻いた。
「ご、ごめんなさい、痛かった?」
「違う違う、気持ち良過ぎて声が出ただけだよ、心配するな」
信吾さんがゆっくりと私の中で動いている。でもいつもとちょっと感じが違う。気持ち良いけど何か隔たりがあるって言うか、気持ち的なものもあるんだろうけど薄い膜一枚なのにこんなに違うものなのかな。私がそう感じるってことは信吾さんも同じように感じているってことだよね?
「ごめんね?」
「何が?」
「学校のことで気を遣わせちゃって……」
「そんなこと。俺は奈緒が幸せならそれでいいんだ。医者になる夢はちゃんと叶えろよ、後で後悔しないように」
「……うん」
私が頷くと同時にゆっくりとした動きが徐々に激しいものへと変わっていくと、奥に信吾さんのものが当たってそのたびに声が出ちゃって止まらない。自分の声が恥ずかしくて思わず手で口を押さえてしまう。
「我慢するな、可愛い声なんだ、もっと聞かせてくれ」
私の耳たぶをカプリと噛んだ信吾さんが囁いた。
「だって、恥ずかしいっ、はっ、んっ」
「俺と奈緒しかいないんだ、恥ずかしくなんてないだろ?」
口を押さえていた手が信吾さんの手によって外されて腰の辺りで抑え込まれてしまう。気がつけばいつの間にか信吾さんの動きに合わせて私も腰を振っていて、声を抑えることが出来なくなっていた。そして大きなうねりが襲ってきて支離滅裂なことを半ば叫びながら達してしまった。きっと後で自分が何を言ったか思い出したら死ぬほど恥ずかしいんだろうなってことばかり口にしたような気がする。やっぱり恥ずかしいこと言うのは私向きじゃないよ……。
それと、私のあとを追うように信吾さんも達したことが膜越しにも分かったけど、最後に彼から溢れた熱いものを直接体に受け止めることが出来ないのは正直言って少しだけ寂しかった。信吾さんの気遣いは本当に嬉しいんだけれど。だから私もピルを飲みはじめようかなってちょっと考えちゃったよ。また改めて相談してみようかな。
で、結局あのホラー映画の結末は分からずじまい。怖いのはやっぱり苦手だからもう観ないと思うから、きっとずーっと分からずじまいなんだろうな、結末。
+++++
夜になって晩御飯をルームサービスで頼むっていうのは、これは決定事項だった。
どうしてもそうしなきゃいけないから今日は我慢してくれって言われちゃった。再びシャワーを浴びてベッドでゴロゴロしながら私は新聞を読んでいる信吾さんに声をかけた。
「ねー、私、そろそろ自分でご飯作って食べたいよ……ホテルも外食も美味しいけど何だか勿体ないもん」
「そうだな、この件が片付いたら一度、家に戻るか?」
「うん、そうしたい。部屋の空気の入れ替えもしたいしお掃除もしたい。洗濯を頼めるのは楽で良かったけどね。信吾さんはまた駐屯地に戻るの?」
「ああ。週末にはこっちに戻ってこれるが」
「次からは私んところだね。今みたいな贅沢は出来ないけど、のんびりしようね?」
何か考えているような様子。ちょっとだけ首を傾げている。
「そうだ、どこかで二人の新居、探さないとな」
ああ、そうだった。もうちょっと駐屯地に近い場所に移った方が良いんだよね。今の私の家と駐屯地の中間ぐらいの場所。あまり都会すぎて騒々しい街はイヤなんだけど、信吾さんはどうなんだろう。
「そうなると今のマンション、どうしようかなあ……」
「持ち続ける気がないのなら売るしかないだろう? あれは完全に奈緒名義なのか?」
「みたい。だけどお父さんのお金で買ったものだから気持ち的には微妙だよ」
「部屋に色々と買いそろえたモノに関しては?」
「私が今使っているお金はお母さんが残してくれたものなんだよ。お父さんから渡されたものに関しては貯金口座にそのまま手つかずで残ってて、銀行さんの肥やしになってる」
「なるほど」
信吾さんは頷くと何やら考え込んでしまった。
「でも、どうして?」
「片倉と完全に縁を切るなら、そういうものも無い方が良いだろ? 後々になってあれやこれや言われるのは胸糞悪いし」
その言い方に思わずクスッと笑ってしまう。信吾さんって本当にお父さんのこと嫌ってるんだね。普通なら傷つくかもしれないけど私にとってはちょっと面白い、かな。
「まだ何か言ってくるのかな」
「さあな。俺が何者か分かったら煩く言ってくるかもしれんし、そうでないかもしれん」
「別に信吾さんとお父さんが結婚するんじゃないんだから、そんなに煩く言うことないのにね」
途端に嫌そうな顔になった。
「……俺と片倉議員を同じ文節に入れるな。しかも何で結婚なんだ」
「え、例えばの話だよ。別にそうしろって言うわけじゃないし」
「当然だ」
新聞をテーブルの上に置くと、ちょっと真面目な顔をしてこちら見た。
「結婚と言えば、奈緒は片倉議員と実の母親の馴れ初めのことはどの程度知ってるんだ?」
「お父さんとお母さん? えっと確かお見合いだったんじゃないかな、偉い議員さんの紹介だったみたいだよ? で、お爺ちゃん達がお父さんの為に色々と援助したって話は聞いたことがある」
「ふむ。今はどうなんだ? 母親の実家からの資金援助はどうなってる?」
どうだったかなあと考えてみる。あまりそういうことに興味なかったし、他の人からもそう言う話は聞いたことないなあ。あ、でも……。
「今の奥さんと再婚する時、お爺ちゃん達が怒ってたって話は聞いたことあるよ? もう片倉とは縁を切るとかどうとか。ほら、えっと……今の奥さんはお父さんと、そのぅ……」
「不倫関係にあった女性なんだろ?」
知ってたのか。何処かの雑誌で書かれたこともあるし知っていても不思議じゃないよね。
「うん、それそれ。普通に再婚したんだったらきっと何も言われなかったんだろうけど、お母さんのお葬式の時に我が物顔で乗り込んできたらしくてね、大顰蹙だったみたい。私は小さかったからあまり覚えてないんだけど」
「奈緒のことは? お爺さん達が引き取るとか言う話は無かったのか?」
「んー……どうなのかな、あったかもしれないし無かったかもしれない。なにせ私、当時はまだ幼稚園児だから……」
多分、聞いていても分からなかったと思うし、今は連絡取ってないし……。
「高校卒業と同時に家を出されたって言ってたよな、あれはどういうことなんだ?」
「んー? そんなこと話したっけ」
「最初に会った時に。子供が産まれたから家を出されたとか何とか」
酔っ払った時にあれやこれや話した記憶はある。そんなことまで喋っちゃってたのか、お喋りなこの口め。
「あー……今の奥さんは最初から私を追い出したかったんだと思う。私が母親っ子だったってのもあって懐かなかったからね。けどほら、議員の後継者とかそういう問題もあって我慢してたんだと思うよ? だから自分達に子供が産まれて、しかも男の子だったから。まあ後はお察しの通りってやつで」
ちょっと肩をすくめながら笑ってみせた。実際のところ家を出てからの方が楽しく暮らしていけてるから、片倉の家から出されたことに関してはそれほど恨むとかいう気持ちも無いんだよね。今の方がずっと幸せだし。
「何ともかんとも。聞けば聞くほど腹が立つカツラ野郎だな……」
こちらにやってきてベッドにバフッと勢いよく腰をおろしたので私の体が反動で飛び上がった。
「もう、乱暴だよ、信吾さん」
「お袋さんの墓はどうなってる?」
「実はお爺ちゃんとこのお墓に入ってる。今の奥さんがお葬式に来た時にお爺ちゃんが無茶苦茶に怒って、その時にお骨を持って帰っちゃったんだって」
「じゃあ奈緒に母親の墓参りに行っても片倉議員と鉢合わせすることはないのか」
「うん。お父さんがあっちに行ったらきっとフルボッコにされちゃうと思うし」
されちまえば良いのにとか呟いてる……もうちょっとオブラートに包もうよ信吾さん。
「しかしどうして奈緒はお袋さんの実家を頼らないんだ? あっちだって奈緒は血の繋がっている孫なわけだろ?」
「家を出てから?」
「ああ」
「……私も片倉の人間だったから、かな。何だかんだ言っても私の中にはお父さんの血が半分流れてるわけだし、そういうのもあってちょっと後ろめたいって気持ちもあってね。なんとなく行きづらいの」
「今はもう森永奈緒で、血縁はともかく、片倉の人間じゃないだろ」
「あ、そっか、そうだね」
言われるまで考えもしなかった。お母さんのお墓参り、行きたいな……。
「結婚の報告、しに行くか?」
「うん、行きたい。あ、けどちょっと遠いかな……甲府なんだけど」
「俺の方も移動許可をとっておくから次の休みの時に行くか、甲府に」
「うん、行く!」
「じゃ、来週の予定は決まりだな。ところで、そろそろ夕飯を頼むんだが、良いか?」
「……そうやってお尻を撫でながら聞かれても深刻さに欠けるよ、信吾さん」
私の言葉に笑って更にお尻を掴んできたけど、その目はいつもと違って既に戦闘態勢って感じ。やっぱり信吾さん、自衛隊の人なんだって改めて実感する瞬間だった。
「ん?」
ちょっと遅いお昼ご飯を食べた後、ソファに座った信吾さんの足の間におさまりホテルの専用チャンネルでやっている映画を観ていて、ちょうど一本目のエンドロールが流れ始めた時にふと思いついことを口にした。
「もう赤ちゃんできてると思う?」
信吾さんは何故だか飲みかけていたお茶でむせている。あれ、そんな変な質問だったかな。普通のことだよね? だって避妊しないで愛し合ってるわけだし?
「そのことなんだがな……」
「なあに?」
「今更なんだが学校はどうするつもりだ? 避妊しないって言ったのは俺だが、初志貫徹で医者になれって言ったのも俺なわけで……休学といっても限度ってものがあるだろ?」
「それはそうなんだけど」
確かに赤ちゃん産まれたら学校に通い続けるのは無理だよね。もしかしたら既に命が宿っているかもしれない下腹部のあたりに手をやりながら考えこんじゃった。
医者になりたいっていうのは死んだお母さんの影響もあるんだと思う。少しでも病気で辛い思いをしている人の役に立ちたいって思ったから。だけど、その夢よりと同じくらい信吾さんと家族を作るのも大事なことなんだけどな……。
「信吾さんは赤ちゃん、欲しくないわけじゃないよね?」
「奈緒との子供は何人でもほしいよ。だが、それで奈緒が自分の夢を諦めるのは嫌だな。だからちょっと後悔している、色々な意味で。今更だがやはりきちんと避妊はした方がよかったのか?とかな……」
「なるほど。でも、できてたら産んでも良い?」
「当たり前だ」
そう言って信吾さんは私の手の上に自分の手を重ねる。
「良かった。じゃあ買いに行かなくちゃね、その、あれ……」
「あとでな、この映画終わったら」
さっきのは冒険ファンタジーだったんだけど、信吾さんが観たかったのはその次のこれだったみたい。わあ、ホラーっぽいよ? もしかしてオカルト? 大画面だから迫力ありそうで怖いよ……。
「し、信吾さん、これ私も一緒に観なきゃダメ?」
私、スプラッターとかホラーとか全然ダメなんだよ。これでも医者になりたいんだよ? スプラッターがダメだったら外科医になれないじゃん? それと一病院に一幽霊っていうぐらい病院にはオカルト話がついてまわってるから夜勤出来ないんじゃん?
みゅうさんならそんな映画も笑い飛ばして見てそうだけど私はどう考えても無理。もしかして私って医者には不向きなのかも。
「これ、話題になってたホラー映画でCGがリアルだって評判だったやつだぞ?」
「リアルなのイヤだぁ……」
画面から禍々しい雰囲気が駄々漏れでわたし的にはお布団を頭からかぶっちゃいたいぐらいなのに、信吾さんてば全然平気なんだよね?
「怖くないの?」
「だってただの映画じゃないか。俺が怖いのには任務に失敗して死人が出ることぐらいだよ。作りものだって割り切れば怖くないだろ?」
「そんなこと言ったってぇ……」
やっぱり怖いよ。最初はヒーッとか言いながら信吾さんの肩に顔を押し付けてたんだけど、ストーリー的には面白くて怖いのと気になるのとで私はあっち向いたりこっち向いたりととても忙しい状態になってしまった。そのうち信吾さんの手で目隠しをしてもらってその指の隙間から観たりしている自分に気がついて、何やってるんだ私!なんて自分で自分に突っ込みを入れてみる。
「そんなので怖いのマシなのか?」
「多分……」
信吾さんにしがみつくようにして、しかも手で目隠しされながらって、傍から見たら滑稽なことしてるよね? でもこうでもしないと観られないんだもの仕方がないよ。
そんな私を面白がっていた信吾さんはいつのまにか映画を観賞することを放棄してバスローブの中に手を滑り込ませている。ルームサービスの人が来るから私も着替えるって言った時に、お前はそのままでベッドから出てくるなって言ったのはこの為だったのかな。最初は“珍客”対策で隠れてろってことだと思っていたんだけど。
「やんっ、映画、観ないの?」
「こっちの方が楽しいから。奈緒は観てろよ、気になるんだろラストが」
「そうだけど、そんなことされたら、気が散って分かんないよ……」
膝の上にテレビ画面の方を向いたまま座らされた。いつの間にかロープははだけちゃって辛うじて腰のベルトで引っかかっている状態。腰から脇にかけて撫でていた信吾さんの手が前に回り込んできて両方の胸を掴んできた。
「んっ……はっ……」
爪で先端を弾くように触られて体がピクンと震えちゃった。もう何処をどう触れば私が感じるか全部知られちゃったみたい。画面では何だか怖いお化けみたいなのが暴れて登場人物達を追い詰めていて、その画面が暗転するたびにそこには胸を愛撫されている私と後ろの信吾さんの姿が映る。なんだかそれが凄くエッチな感じ。
「信吾さん、胸ばかりじゃ、やだ……」
「映画はいいのか?」
「だってぇ……」
「こっちは俺に任せて映画を観てろ」
「無理だよぅ」
片方の手が下に下りてきて足の間を探っている。ゆったりとした動きで指に滲み出ていた蜜を塗りつけるとそのまま襞を掻き分けて胎内へと入ってきた。
「あっ」
信吾さんの肩に頭を押し付けるようにして体を反らしてそれを受け止めた。信吾さんの指って結構太くて長いからちゃんと濡れてないと辛い。それが分かっているからゆっくり挿れてくれるんたけど、まだちょっと辛いかな。
「んんっ、ぁんっ」
「辛い?」
「だ、いじょぶ……ひゃうっ……っ」
花芯を親指で撫でられて悲鳴をあげてしまった。もう映画に意識を向けてられないよ、無理ぃ。
「そろそろ映画の方はクライマックスだぞ?」
そんなこと言われても無理だよう。中の感じるところを擦られちゃって目を開けてられないんだもん。部屋に響いているのは映画の中のヒロインの悲鳴なんだか私の喘ぎ声なんだか分かんない状態だ。もうイっちゃうかもしれないと思った時、指が胎内から引き抜かれた。
「あ、なんで?」
「ちょっと腰上げて」
「え……?」
言われた通りに信吾さんの膝に手をついて腰を浮かせると、何やら後ろでごそごそしている。
「いいよ、そのまま腰おろして」
「う、ん……」
腰に両手が添えられて、さっきまで指が入っていた場所に熱くて硬いものが押し当てられた。ゆっくりと押し開かれる感触にちょっと眉をひそめた。
「信吾さん、避妊、は?」
「この前の残り、ポケットに入れてた」
「……そう、なの?……ああっ」
先端が入ってしまうとあとは一気に奥へと入り込む。それが一番奥にあたる感触が凄過ぎて腰を浮かせた。
「痛いのか?」
「ううん、そうじゃなくて……もっと奥に入ってこられちゃいそうでちょっと怖かっただけ」
これでも医者の卵だから自分の体がどうなっているかぐらいは分かってる。だから男女の営みのメカニズムも分かっているつもりだった。信吾さんと愛し合うようになって知識だけなのと実際にするのとでは全然別物なんだってことを実感したけれど。
「痛くないんだな?」
「うん、平気。信吾さんと深く結ばれてるって感じで幸せ」
可愛いこと言うなって後ろからぎゅって抱きしめられて耳をペロリって舐められると、体が反応して私の中にいる信吾さんを締めつけたのが分かった。耳元で加減しろって呻き声がする。そんなこと言われても自分で何とか出来るとは思えないんだけどな……。
「信吾さんは気持ちいい?」
「ああ。奈緒が俺を離したくないってここで伝えてくれていて、すごく優越感に浸れる」
そう言って花芯を撫でてきた。思わず声をあげて体をよじったら信吾さんが辛そうに呻いた。
「ご、ごめんなさい、痛かった?」
「違う違う、気持ち良過ぎて声が出ただけだよ、心配するな」
信吾さんがゆっくりと私の中で動いている。でもいつもとちょっと感じが違う。気持ち良いけど何か隔たりがあるって言うか、気持ち的なものもあるんだろうけど薄い膜一枚なのにこんなに違うものなのかな。私がそう感じるってことは信吾さんも同じように感じているってことだよね?
「ごめんね?」
「何が?」
「学校のことで気を遣わせちゃって……」
「そんなこと。俺は奈緒が幸せならそれでいいんだ。医者になる夢はちゃんと叶えろよ、後で後悔しないように」
「……うん」
私が頷くと同時にゆっくりとした動きが徐々に激しいものへと変わっていくと、奥に信吾さんのものが当たってそのたびに声が出ちゃって止まらない。自分の声が恥ずかしくて思わず手で口を押さえてしまう。
「我慢するな、可愛い声なんだ、もっと聞かせてくれ」
私の耳たぶをカプリと噛んだ信吾さんが囁いた。
「だって、恥ずかしいっ、はっ、んっ」
「俺と奈緒しかいないんだ、恥ずかしくなんてないだろ?」
口を押さえていた手が信吾さんの手によって外されて腰の辺りで抑え込まれてしまう。気がつけばいつの間にか信吾さんの動きに合わせて私も腰を振っていて、声を抑えることが出来なくなっていた。そして大きなうねりが襲ってきて支離滅裂なことを半ば叫びながら達してしまった。きっと後で自分が何を言ったか思い出したら死ぬほど恥ずかしいんだろうなってことばかり口にしたような気がする。やっぱり恥ずかしいこと言うのは私向きじゃないよ……。
それと、私のあとを追うように信吾さんも達したことが膜越しにも分かったけど、最後に彼から溢れた熱いものを直接体に受け止めることが出来ないのは正直言って少しだけ寂しかった。信吾さんの気遣いは本当に嬉しいんだけれど。だから私もピルを飲みはじめようかなってちょっと考えちゃったよ。また改めて相談してみようかな。
で、結局あのホラー映画の結末は分からずじまい。怖いのはやっぱり苦手だからもう観ないと思うから、きっとずーっと分からずじまいなんだろうな、結末。
+++++
夜になって晩御飯をルームサービスで頼むっていうのは、これは決定事項だった。
どうしてもそうしなきゃいけないから今日は我慢してくれって言われちゃった。再びシャワーを浴びてベッドでゴロゴロしながら私は新聞を読んでいる信吾さんに声をかけた。
「ねー、私、そろそろ自分でご飯作って食べたいよ……ホテルも外食も美味しいけど何だか勿体ないもん」
「そうだな、この件が片付いたら一度、家に戻るか?」
「うん、そうしたい。部屋の空気の入れ替えもしたいしお掃除もしたい。洗濯を頼めるのは楽で良かったけどね。信吾さんはまた駐屯地に戻るの?」
「ああ。週末にはこっちに戻ってこれるが」
「次からは私んところだね。今みたいな贅沢は出来ないけど、のんびりしようね?」
何か考えているような様子。ちょっとだけ首を傾げている。
「そうだ、どこかで二人の新居、探さないとな」
ああ、そうだった。もうちょっと駐屯地に近い場所に移った方が良いんだよね。今の私の家と駐屯地の中間ぐらいの場所。あまり都会すぎて騒々しい街はイヤなんだけど、信吾さんはどうなんだろう。
「そうなると今のマンション、どうしようかなあ……」
「持ち続ける気がないのなら売るしかないだろう? あれは完全に奈緒名義なのか?」
「みたい。だけどお父さんのお金で買ったものだから気持ち的には微妙だよ」
「部屋に色々と買いそろえたモノに関しては?」
「私が今使っているお金はお母さんが残してくれたものなんだよ。お父さんから渡されたものに関しては貯金口座にそのまま手つかずで残ってて、銀行さんの肥やしになってる」
「なるほど」
信吾さんは頷くと何やら考え込んでしまった。
「でも、どうして?」
「片倉と完全に縁を切るなら、そういうものも無い方が良いだろ? 後々になってあれやこれや言われるのは胸糞悪いし」
その言い方に思わずクスッと笑ってしまう。信吾さんって本当にお父さんのこと嫌ってるんだね。普通なら傷つくかもしれないけど私にとってはちょっと面白い、かな。
「まだ何か言ってくるのかな」
「さあな。俺が何者か分かったら煩く言ってくるかもしれんし、そうでないかもしれん」
「別に信吾さんとお父さんが結婚するんじゃないんだから、そんなに煩く言うことないのにね」
途端に嫌そうな顔になった。
「……俺と片倉議員を同じ文節に入れるな。しかも何で結婚なんだ」
「え、例えばの話だよ。別にそうしろって言うわけじゃないし」
「当然だ」
新聞をテーブルの上に置くと、ちょっと真面目な顔をしてこちら見た。
「結婚と言えば、奈緒は片倉議員と実の母親の馴れ初めのことはどの程度知ってるんだ?」
「お父さんとお母さん? えっと確かお見合いだったんじゃないかな、偉い議員さんの紹介だったみたいだよ? で、お爺ちゃん達がお父さんの為に色々と援助したって話は聞いたことがある」
「ふむ。今はどうなんだ? 母親の実家からの資金援助はどうなってる?」
どうだったかなあと考えてみる。あまりそういうことに興味なかったし、他の人からもそう言う話は聞いたことないなあ。あ、でも……。
「今の奥さんと再婚する時、お爺ちゃん達が怒ってたって話は聞いたことあるよ? もう片倉とは縁を切るとかどうとか。ほら、えっと……今の奥さんはお父さんと、そのぅ……」
「不倫関係にあった女性なんだろ?」
知ってたのか。何処かの雑誌で書かれたこともあるし知っていても不思議じゃないよね。
「うん、それそれ。普通に再婚したんだったらきっと何も言われなかったんだろうけど、お母さんのお葬式の時に我が物顔で乗り込んできたらしくてね、大顰蹙だったみたい。私は小さかったからあまり覚えてないんだけど」
「奈緒のことは? お爺さん達が引き取るとか言う話は無かったのか?」
「んー……どうなのかな、あったかもしれないし無かったかもしれない。なにせ私、当時はまだ幼稚園児だから……」
多分、聞いていても分からなかったと思うし、今は連絡取ってないし……。
「高校卒業と同時に家を出されたって言ってたよな、あれはどういうことなんだ?」
「んー? そんなこと話したっけ」
「最初に会った時に。子供が産まれたから家を出されたとか何とか」
酔っ払った時にあれやこれや話した記憶はある。そんなことまで喋っちゃってたのか、お喋りなこの口め。
「あー……今の奥さんは最初から私を追い出したかったんだと思う。私が母親っ子だったってのもあって懐かなかったからね。けどほら、議員の後継者とかそういう問題もあって我慢してたんだと思うよ? だから自分達に子供が産まれて、しかも男の子だったから。まあ後はお察しの通りってやつで」
ちょっと肩をすくめながら笑ってみせた。実際のところ家を出てからの方が楽しく暮らしていけてるから、片倉の家から出されたことに関してはそれほど恨むとかいう気持ちも無いんだよね。今の方がずっと幸せだし。
「何ともかんとも。聞けば聞くほど腹が立つカツラ野郎だな……」
こちらにやってきてベッドにバフッと勢いよく腰をおろしたので私の体が反動で飛び上がった。
「もう、乱暴だよ、信吾さん」
「お袋さんの墓はどうなってる?」
「実はお爺ちゃんとこのお墓に入ってる。今の奥さんがお葬式に来た時にお爺ちゃんが無茶苦茶に怒って、その時にお骨を持って帰っちゃったんだって」
「じゃあ奈緒に母親の墓参りに行っても片倉議員と鉢合わせすることはないのか」
「うん。お父さんがあっちに行ったらきっとフルボッコにされちゃうと思うし」
されちまえば良いのにとか呟いてる……もうちょっとオブラートに包もうよ信吾さん。
「しかしどうして奈緒はお袋さんの実家を頼らないんだ? あっちだって奈緒は血の繋がっている孫なわけだろ?」
「家を出てから?」
「ああ」
「……私も片倉の人間だったから、かな。何だかんだ言っても私の中にはお父さんの血が半分流れてるわけだし、そういうのもあってちょっと後ろめたいって気持ちもあってね。なんとなく行きづらいの」
「今はもう森永奈緒で、血縁はともかく、片倉の人間じゃないだろ」
「あ、そっか、そうだね」
言われるまで考えもしなかった。お母さんのお墓参り、行きたいな……。
「結婚の報告、しに行くか?」
「うん、行きたい。あ、けどちょっと遠いかな……甲府なんだけど」
「俺の方も移動許可をとっておくから次の休みの時に行くか、甲府に」
「うん、行く!」
「じゃ、来週の予定は決まりだな。ところで、そろそろ夕飯を頼むんだが、良いか?」
「……そうやってお尻を撫でながら聞かれても深刻さに欠けるよ、信吾さん」
私の言葉に笑って更にお尻を掴んできたけど、その目はいつもと違って既に戦闘態勢って感じ。やっぱり信吾さん、自衛隊の人なんだって改めて実感する瞬間だった。
68
あなたにおすすめの小説
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
体育館倉庫での秘密の恋
狭山雪菜
恋愛
真城香苗は、23歳の新入の国語教諭。
赴任した高校で、生活指導もやっている体育教師の坂下夏樹先生と、恋仲になって…
こちらの作品は「小説家になろう」にも掲載されてます。
貴方の腕に囚われて
鏡野ゆう
恋愛
限られた予算の中で頭を悩ませながら隊員達の為に食事を作るのは、陸上自衛隊駐屯地業務隊の補給科糧食班。
その班員である音無美景は少しばかり変った心意気で入隊した変わり種。そんな彼女の前に現れたのは新しくやってきた新任幹部森永二尉だった。
世界最強の料理人を目指す彼女と、そんな彼女をとっ捕まえたと思った彼のお話。
奈緒と信吾さんの息子、渉君のお話です。さすがカエルの子はカエル?!
※修正中なので、渉君の階級が前後エピソードで違っている箇所があります。
梅の実と恋の花
鏡野ゆう
恋愛
とある地方都市の市役所出張所に勤めている天森繭子さんちのお隣に引っ越してきたのは診療所に赴任してきたお医者さんでした。
『政治家の嫁は秘書様』の幸太郎先生とさーちゃんの息子、幸斗のお話です。
白衣の下 第一章 悪魔的破天荒な医者と超真面目な女子大生の愛情物語り。先生無茶振りはやめてください‼️
高野マキ
ライト文芸
弟の主治医と女子大生の甘くて切ない愛情物語り。こんなに溺愛する相手にめぐり会う事は二度と無い。
貴方と二人で臨む海
鏡野ゆう
恋愛
防衛省情報本部で勤めている門真汐莉。
どちらかと言えば頭脳労働が得意な彼女が遭遇したのは見るからに頑丈そうなお兄さん。
ちょっと(否かなり)強面な殆ど陸にいる海自男と、ちょっと(否かなり)おっちょこちょいな背広組のお嬢さんのお話。
【東京・横須賀編 完結】【東京・江田島編 GW 完結】
ドクターダーリン【完結】
桃華れい
恋愛
女子高生×イケメン外科医。
高校生の伊吹彩は、自分を治療してくれた外科医の神河涼先生と付き合っている。
患者と医者の関係でしかも彩が高校生であるため、周囲には絶対に秘密だ。
イケメンで医者で完璧な涼は、当然モテている。
看護師からは手作り弁当を渡され、
巨乳の患者からはセクシーに誘惑され、
同僚の美人女医とは何やら親密な雰囲気が漂う。
そんな涼に本当に好かれているのか不安に思う彩に、ある晩、彼が言う。
「彩、 」
初作品です。
よろしくお願いします。
ムーンライトノベルズ、エブリスタでも投稿しています。
サディスティックなプリテンダー
櫻井音衣
恋愛
容姿端麗、頭脳明晰。
6か国語を巧みに操る帰国子女で
所作の美しさから育ちの良さが窺える、
若くして出世した超エリート。
仕事に関しては細かく厳しい、デキる上司。
それなのに
社内でその人はこう呼ばれている。
『この上なく残念な上司』と。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる