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番外小話 4
【水遊び企画2016】野郎共は河童?
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ムーンライトノベルズで開催されたmo-toさま主催【水遊び企画2016】参加作品です。
++++++++++
「ねえママ、渉君は一体どこまで泳いでいくつもりだと思う?」
目の前の片道25メートルあるプールでさっきからクロールで泳いでいる渉を前に友里が呆れたように声をあげた。
「さあ、もしかして気分的にはハワイぐらいまで行っちゃうつもりとか?」
「なにそれ、河童?」
「河童は淡水生物じゃなかったっけ?」
「あ、河童集団からまた一人脱落。っていうかパパ相手によくやるよねえ。ってかパパも体力あり過ぎ」
そう。さっきからプールを往復しているのは渉だけじゃなくて信吾さんも一緒。更にはさっきまで重光先生も一緒だったのだ。
重光先生は学生時代に水泳部で今でもたまに泳いでいるってことだったけど、さすがに年には勝てないよと言いながら早々にリタイア。幸斗君はさっきまで日頃の運動不足解消をここでまとめてしておきますって頑張っていたけど、たった今もう無理だって笑いながらプールから上がって今は二人のことを笑いながら見物している。そして残ったのが森永家の二人。しかも信吾さんはどっちかって言うと渉に付き合って泳いでいるって感じなんだよね……。
「河童親子だねえ」
ちなみに私はお腹に赤ちゃんがいるので今日はプールには入らず日傘をさして見学中。もうちょっとお腹が大きくなったらマタニティスイミングってやつに参加する予定なのでそれまでは我慢なのだ。
「あら、まだ頑張ってるの? そろそろお腹が空くんじゃないかしらって思って持ってきたんだけど」
沙織さんと結花ちゃんが三時のおやつを持ってきた。
「絶対にパパには負けたくないって渉が意地になっちゃってるみたいで」
「さすが森永さんの血を引いてるわね。結花、二人におやつだから上がってきなさいって言ってあげて。このままだと渉君が沈むまで続けそうだから」
「はーい」
結花ちゃんがプールサイドに立つと二人に声をかけた。幸斗君が立ち上がってこっちにやってくる。
「父さんは?」
「電話にかかり中。夏休みぐらい放っておいてほしいのにってブツブツ言いながら話してるわ。終わったらこっちに戻ってくるから」
そうこうしているうちに信吾さんと渉が水を滴らせながら戻ってきた。二人にバスタオルを渡す。
「二人とも何処まで泳いでいくつもりなのかしらって話してたんだよ?」
「さて、渉は何処までいくつもりだったんだ?」
信吾さんが笑いながら、ちょっとへばり気味の渉を見下ろした。
「家から東京湾までぐらいの距離」
「だとさ」
「せっかく遊びに来たのにくたくたになるまで泳ぐなんて」
まったく男の子達の心理ってよく分からないよ。
「まだ泳ぐつもりなら途中で沈まないようにね。沙織さん、私、ちょっと休ませてもらって良いですか?」
「ええ、ここは私が見てるから。大丈夫?」
「さすがに暑くて。友里はどうする?」
「私はここでおやつ食べてる。ママのお世話はパパに任せた~、私は渉君を応援する~」
「まだ泳がせるつもりか」
友里の言葉に信吾さんが笑った。渉の表情からしてまだ続けつもりでいるのは間違いなくて“頑張る”って顔をして頷いている。
「食べて直ぐは駄目だからね、続けるならちゃんと休憩してからね」
「分かったー」
「じゃあ沙織さん、申し訳ないですけどお願いします」
「任されたからこっちのことは心配しないで」
椅子から立ち上がると建物の方へと向かう。いくら避暑地とは言え暑いものは暑いんだよ。そりゃ水の中に浸かっていればそんな風には感じないだろうけど。
「沙織さんって全然暑そうにしてないんだよね。お化粧崩れもないみたいだし羨ましいよ」
私の言葉に横を歩く信吾さんが笑った。
私達が涼しい建物に入ったところで重光先生とすれ違う。
「大丈夫かい?」
「さすがに暑いので少し休んできます。渉は、まだ泳ぐ気満々なので……」
「さすが森永君の息子だね。こっちのことは気にせずにゆっくり休むと良いよ。その為に誘ったんだから」
ここは東京からちょっと離れた場所にある昔ながらの避暑地。
私達が宿泊しているのはその地域にある小規模なホテルだ。昔はイギリスだったかどこだったかの貿易商さんの御一家が住んでいたお宅で、そこをホテルに改修して今に至っているってことらしい。何度も改築が繰り返されているので設備は近代的なんだけど外観は未だに古き良き時代の面影を色濃く残していた。
沙織さんに夏休みの数日を皆で過ごしませんかってお誘いを受けたのはまだ夏休みが始まる前だった。先生もお休みで家族水入らずで過ごすところに私達がお邪魔しても良いのかなって思ったんだけど、幸斗君や結花ちゃんが大きくなってからは小さい子がいなくてプールを使う機会も少なくなってきたから是非にということだったので御招待を受けることにした。
まあ私の予想としては、先生と信吾さんで仕事絡みの話でもあるんじゃないのなって感じだったんだけど今のところそんな気配は微塵もない。それどころかこっちに来てからは河童なの?って言うぐらいに“男の子達”は皆で嬉々として泳いでいる。
「信吾さん、もっと泳ぎたかったんじゃないの?」
部屋に戻るとシャワーを浴びる為にバスルームに入った信吾さんに声をかけた。
「俺は十分に泳いだよ。さっきまで続けたのは渉が続けていたからだ」
「二人してハワイまで行くつもりなのって友里と話してたんだよ」
「さすがに俺もあと一往復でやめようと思ってた」
「じゃあ結花ちゃんが声をかけなかったら渉が勝ち残ってたってわけか、渉君、ざんねーん」
「お蔭で父親の威厳は保てたけどな」
信吾さんの笑い声が水の流れる音の合間に聞こえてきた。
「服、ここに置いておくね」
「ああ」
ベッドルームに入ると窓際からプールサイドを見下ろす。
「わあ、休憩しなさいって言ったのにもうプールに入ってる」
今度は四人で二対二に分かれてビーチボールで水球らしい。日傘をさして見物している沙織さんがこっちを見上げて手を振ってきたので振り返した。沙織さんの顔は「まったく皆して仕方がないの」って苦笑い気味だ。
「奈緒、体を横にしてなくて良いのか?」
信吾さんの声に振り返る。
「もう皆でプールに入っちゃってるよ、元気だよね」
「誘ってくれた沙織さんには感謝しないとな」
「うん。まさか貸し切りだとは思わなかったよ」
厳密には先生の警備関係の人もいるから重光先生達と私達だけって訳じゃないんだけど。
「私、てっきり秘密の会談でもあるんだと思ってたよ」
窓から離れてベッドに座ると信吾さんを見上げた。
「俺の方ではその予定は無いぞ。今回は純粋に夏休みだし重光さんもそのつもりだと思う、今のところは」
「夏休みでも落ち着かないのは気の毒だね、先生。それに信吾さんも」
「世界中で何が起きるか分からないからな、それは仕方のないことだ。ほら、寝ろ」
「……」
「なんだ?」
私の様子に首を傾げる信吾さん。
「お昼寝するんだからね」
「……分かった分かった。悪戯はしないから安心して昼寝をしろ」
苦笑いしながらびっくりするぐらい軽い羽根布団をめくってポンポンと叩く。靴を脱いで体を横にする。うちのベッドも寝心地の良いものを選んで買ったけど、ここのベッドの寝心地も最高。これ、持って帰りたいぐらい。
冷たいシーツの触り心地を楽しみながら、居心地の良い体勢になろうとモソモソしていると横に信吾さんが入ってきたのでピッタリとくっつく。うん、やっぱり信吾さんにくっついているのが一番良い感じ。
「ねえ」
「ん?」
「特作の家族の人達とこんな風にプールに来たらどうなるかな」
「そりゃもう夏休みじゃなく夏季訓練に様変わりだろうな」
「誰が一番長く泳いでいられると思う?」
「俺に決まってる」
自信満々に言ってるけどそれって本気?
「途中でありとあらゆる手段を使って相手を沈めるのは無しで!」
「なんだ、駄目か」
「当たり前でしょ?」
信吾さんはそうだなあと考え込む。
「香取辺りじゃないか? あいつの身体能力に関しては米軍のお墨付きもあるからな」
「信吾さんが香取君の年齢ぐらいの時はどうだったの?」
「今と昔じゃ訓練方法も違うから簡単には比べられないが、あいつの方が上だと思う」
「そうなんだ……悔しいとかある?」
「まあ香取達の働きを見ていると自分があと十年若かったらなと思わないでもないがこればかりはな」
そう言って私のことを抱き寄せた。
「そうだな、あと十年若かったらもっと奈緒のことを堪能できたんだよな、そういう意味では悔しいか」
「ちょっと、そういう意味じゃなくて……」
「俺はそういう意味で考えた」
いつの間にか信吾さんがそういう意味のことをする態勢に入っている。
「悪戯はしないって言ったんじゃ?」
「これは悪戯じゃないだろ、俺の身体能力を証明するってやつだ」
「私のお昼寝の時間なんですけど」
「心配するな、ちゃんと昼寝をする時間は取ってやるから」
いやだから、そこで時計を見るのはやめて下さい、信吾さん。
「赤ん坊もいることだし優しくするから」
「そうじゃなくて~」
いつの間にか二人の服は全部ベッドの下で山になっていた。そして信吾さんは自分の身体能力のを証明する為の行動に入った。
「あのさ……」
「ん?」
キスの途中で問い掛ける。
「もしかして渉と友里がそれぞれ幸斗君と結花ちゃんと同室になったのは、こういうことの為?」
「どうだと思う?」
ニヤリと笑った信吾さんの顔を見たら答えは自ずと出たって感じだよね……。
++++++++++
「ねえママ、渉君は一体どこまで泳いでいくつもりだと思う?」
目の前の片道25メートルあるプールでさっきからクロールで泳いでいる渉を前に友里が呆れたように声をあげた。
「さあ、もしかして気分的にはハワイぐらいまで行っちゃうつもりとか?」
「なにそれ、河童?」
「河童は淡水生物じゃなかったっけ?」
「あ、河童集団からまた一人脱落。っていうかパパ相手によくやるよねえ。ってかパパも体力あり過ぎ」
そう。さっきからプールを往復しているのは渉だけじゃなくて信吾さんも一緒。更にはさっきまで重光先生も一緒だったのだ。
重光先生は学生時代に水泳部で今でもたまに泳いでいるってことだったけど、さすがに年には勝てないよと言いながら早々にリタイア。幸斗君はさっきまで日頃の運動不足解消をここでまとめてしておきますって頑張っていたけど、たった今もう無理だって笑いながらプールから上がって今は二人のことを笑いながら見物している。そして残ったのが森永家の二人。しかも信吾さんはどっちかって言うと渉に付き合って泳いでいるって感じなんだよね……。
「河童親子だねえ」
ちなみに私はお腹に赤ちゃんがいるので今日はプールには入らず日傘をさして見学中。もうちょっとお腹が大きくなったらマタニティスイミングってやつに参加する予定なのでそれまでは我慢なのだ。
「あら、まだ頑張ってるの? そろそろお腹が空くんじゃないかしらって思って持ってきたんだけど」
沙織さんと結花ちゃんが三時のおやつを持ってきた。
「絶対にパパには負けたくないって渉が意地になっちゃってるみたいで」
「さすが森永さんの血を引いてるわね。結花、二人におやつだから上がってきなさいって言ってあげて。このままだと渉君が沈むまで続けそうだから」
「はーい」
結花ちゃんがプールサイドに立つと二人に声をかけた。幸斗君が立ち上がってこっちにやってくる。
「父さんは?」
「電話にかかり中。夏休みぐらい放っておいてほしいのにってブツブツ言いながら話してるわ。終わったらこっちに戻ってくるから」
そうこうしているうちに信吾さんと渉が水を滴らせながら戻ってきた。二人にバスタオルを渡す。
「二人とも何処まで泳いでいくつもりなのかしらって話してたんだよ?」
「さて、渉は何処までいくつもりだったんだ?」
信吾さんが笑いながら、ちょっとへばり気味の渉を見下ろした。
「家から東京湾までぐらいの距離」
「だとさ」
「せっかく遊びに来たのにくたくたになるまで泳ぐなんて」
まったく男の子達の心理ってよく分からないよ。
「まだ泳ぐつもりなら途中で沈まないようにね。沙織さん、私、ちょっと休ませてもらって良いですか?」
「ええ、ここは私が見てるから。大丈夫?」
「さすがに暑くて。友里はどうする?」
「私はここでおやつ食べてる。ママのお世話はパパに任せた~、私は渉君を応援する~」
「まだ泳がせるつもりか」
友里の言葉に信吾さんが笑った。渉の表情からしてまだ続けつもりでいるのは間違いなくて“頑張る”って顔をして頷いている。
「食べて直ぐは駄目だからね、続けるならちゃんと休憩してからね」
「分かったー」
「じゃあ沙織さん、申し訳ないですけどお願いします」
「任されたからこっちのことは心配しないで」
椅子から立ち上がると建物の方へと向かう。いくら避暑地とは言え暑いものは暑いんだよ。そりゃ水の中に浸かっていればそんな風には感じないだろうけど。
「沙織さんって全然暑そうにしてないんだよね。お化粧崩れもないみたいだし羨ましいよ」
私の言葉に横を歩く信吾さんが笑った。
私達が涼しい建物に入ったところで重光先生とすれ違う。
「大丈夫かい?」
「さすがに暑いので少し休んできます。渉は、まだ泳ぐ気満々なので……」
「さすが森永君の息子だね。こっちのことは気にせずにゆっくり休むと良いよ。その為に誘ったんだから」
ここは東京からちょっと離れた場所にある昔ながらの避暑地。
私達が宿泊しているのはその地域にある小規模なホテルだ。昔はイギリスだったかどこだったかの貿易商さんの御一家が住んでいたお宅で、そこをホテルに改修して今に至っているってことらしい。何度も改築が繰り返されているので設備は近代的なんだけど外観は未だに古き良き時代の面影を色濃く残していた。
沙織さんに夏休みの数日を皆で過ごしませんかってお誘いを受けたのはまだ夏休みが始まる前だった。先生もお休みで家族水入らずで過ごすところに私達がお邪魔しても良いのかなって思ったんだけど、幸斗君や結花ちゃんが大きくなってからは小さい子がいなくてプールを使う機会も少なくなってきたから是非にということだったので御招待を受けることにした。
まあ私の予想としては、先生と信吾さんで仕事絡みの話でもあるんじゃないのなって感じだったんだけど今のところそんな気配は微塵もない。それどころかこっちに来てからは河童なの?って言うぐらいに“男の子達”は皆で嬉々として泳いでいる。
「信吾さん、もっと泳ぎたかったんじゃないの?」
部屋に戻るとシャワーを浴びる為にバスルームに入った信吾さんに声をかけた。
「俺は十分に泳いだよ。さっきまで続けたのは渉が続けていたからだ」
「二人してハワイまで行くつもりなのって友里と話してたんだよ」
「さすがに俺もあと一往復でやめようと思ってた」
「じゃあ結花ちゃんが声をかけなかったら渉が勝ち残ってたってわけか、渉君、ざんねーん」
「お蔭で父親の威厳は保てたけどな」
信吾さんの笑い声が水の流れる音の合間に聞こえてきた。
「服、ここに置いておくね」
「ああ」
ベッドルームに入ると窓際からプールサイドを見下ろす。
「わあ、休憩しなさいって言ったのにもうプールに入ってる」
今度は四人で二対二に分かれてビーチボールで水球らしい。日傘をさして見物している沙織さんがこっちを見上げて手を振ってきたので振り返した。沙織さんの顔は「まったく皆して仕方がないの」って苦笑い気味だ。
「奈緒、体を横にしてなくて良いのか?」
信吾さんの声に振り返る。
「もう皆でプールに入っちゃってるよ、元気だよね」
「誘ってくれた沙織さんには感謝しないとな」
「うん。まさか貸し切りだとは思わなかったよ」
厳密には先生の警備関係の人もいるから重光先生達と私達だけって訳じゃないんだけど。
「私、てっきり秘密の会談でもあるんだと思ってたよ」
窓から離れてベッドに座ると信吾さんを見上げた。
「俺の方ではその予定は無いぞ。今回は純粋に夏休みだし重光さんもそのつもりだと思う、今のところは」
「夏休みでも落ち着かないのは気の毒だね、先生。それに信吾さんも」
「世界中で何が起きるか分からないからな、それは仕方のないことだ。ほら、寝ろ」
「……」
「なんだ?」
私の様子に首を傾げる信吾さん。
「お昼寝するんだからね」
「……分かった分かった。悪戯はしないから安心して昼寝をしろ」
苦笑いしながらびっくりするぐらい軽い羽根布団をめくってポンポンと叩く。靴を脱いで体を横にする。うちのベッドも寝心地の良いものを選んで買ったけど、ここのベッドの寝心地も最高。これ、持って帰りたいぐらい。
冷たいシーツの触り心地を楽しみながら、居心地の良い体勢になろうとモソモソしていると横に信吾さんが入ってきたのでピッタリとくっつく。うん、やっぱり信吾さんにくっついているのが一番良い感じ。
「ねえ」
「ん?」
「特作の家族の人達とこんな風にプールに来たらどうなるかな」
「そりゃもう夏休みじゃなく夏季訓練に様変わりだろうな」
「誰が一番長く泳いでいられると思う?」
「俺に決まってる」
自信満々に言ってるけどそれって本気?
「途中でありとあらゆる手段を使って相手を沈めるのは無しで!」
「なんだ、駄目か」
「当たり前でしょ?」
信吾さんはそうだなあと考え込む。
「香取辺りじゃないか? あいつの身体能力に関しては米軍のお墨付きもあるからな」
「信吾さんが香取君の年齢ぐらいの時はどうだったの?」
「今と昔じゃ訓練方法も違うから簡単には比べられないが、あいつの方が上だと思う」
「そうなんだ……悔しいとかある?」
「まあ香取達の働きを見ていると自分があと十年若かったらなと思わないでもないがこればかりはな」
そう言って私のことを抱き寄せた。
「そうだな、あと十年若かったらもっと奈緒のことを堪能できたんだよな、そういう意味では悔しいか」
「ちょっと、そういう意味じゃなくて……」
「俺はそういう意味で考えた」
いつの間にか信吾さんがそういう意味のことをする態勢に入っている。
「悪戯はしないって言ったんじゃ?」
「これは悪戯じゃないだろ、俺の身体能力を証明するってやつだ」
「私のお昼寝の時間なんですけど」
「心配するな、ちゃんと昼寝をする時間は取ってやるから」
いやだから、そこで時計を見るのはやめて下さい、信吾さん。
「赤ん坊もいることだし優しくするから」
「そうじゃなくて~」
いつの間にか二人の服は全部ベッドの下で山になっていた。そして信吾さんは自分の身体能力のを証明する為の行動に入った。
「あのさ……」
「ん?」
キスの途中で問い掛ける。
「もしかして渉と友里がそれぞれ幸斗君と結花ちゃんと同室になったのは、こういうことの為?」
「どうだと思う?」
ニヤリと笑った信吾さんの顔を見たら答えは自ずと出たって感じだよね……。
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