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盛り上げるの頑張ってます
第一話 空自だっつーのに何故か再び
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「なあ優、来月のこの日、休み取れないか?」
突然そんなことを葛城さんが言い出したのは久し振りのデートで映画を観にきていたとき。上映が始まるまでに見ようと思って買ったパンフレットを読んでいたら携帯のカレンダーを見ていた葛城さんが思い出したようにそんなことを言い出したのだ。
「どの日?」
「この日」
そう言って画面を見せてくれた。来月の真ん中へんの週末かあ。休暇の申請は今週中に出すように言われているから大丈夫かな、今年の有給もまだ使わずに残っているし。
「週末なんだね、今から申請しておいたら大丈夫だと思うよ。何で?」
「自衛隊の観閲式があるからさ、もし良ければ行かないかって」
「え、あれって物凄い倍率だから申し込んでもなかなか当たらないって聞いてるんだけど」
確か浅木さんがそんなことを言ってたっけ。富士の総合火力演習に友達総出で申し込みを出したのに当たらなかったってガックリしていて、十月の観閲式は何としてもチケットをゲットするんだって張り切っていた筈。まあ浅木さんの場合、富士の方はマスコミ枠なんてのを駆使して取材と称して結局は行っていたみたいだけど観閲式は無理だろうなって言っていたっけ。
「招待枠があるんだ」
「招待って誰かに無理言ったとか言わない?」
「あのなあ、今まで俺がそういうことで無茶を通したことがあったか?」
「葛城さんならやりかねない」
特に今まで何かしたってことはないけど、葛城さんってたまに目的の為なら手段を選ばないことがあるから無きにしも非ずってやつだと思うんだよね。ほら、れいの広報官さんをまた脅したとかさ。
「じゃあ誰からの招待なの?」
「それは秘密」
「えー……」
ますます怪しい。胡散臭げに葛城さんの顔を見上げるとニヤッと笑った。ほらね? 怪しすぎて詮索する気にもなれない。
「今年の観閲式は海自が受け持つ年だから護衛艦に乗れるんだがどうする」
「行きたい」
「即答かよ……」
戦闘機に乗せてやると言っても嫌がるのにこっちはOKなのかよとブツブツ言っている。だって船は空飛ばないじゃない、だから乗りたいし行ったことないから行ってみたい。あ、浅木さんに言ったらカメラを押し付けられるかもしれないから内緒にしておかないと。
「だったらちゃんと休暇を取れよ。せっかくの俺の努力が無駄になるから」
「葛城さんの努力じゃなくて誰かお友達の努力でしょ?」
「槇村さん、そういう生意気なことを言うならお仕置き決定だな」
「何でだ!」
文句を言おうと口を開いたらアヒルのくちばしを摘まむみたいに唇を塞がれて黙らされてしまった。最近の葛城さんてば私ことをすぐおもちゃ扱いするのよね、こういう扱いって非常に遺憾です。
「むむむ」
「はいはい、そろそろ映画が始まるから。文句とお仕置きは後でな」
「むむむっ、ぷはっ、あのねえ……」
唇がアヒルみたいになったら絶対に葛城さんのせいだ。
「楽しみにしてた映画なんだろ? はい、楽しむ楽しむ」
ニヤニヤ笑っている葛城さんを一睨みしている間に館内は暗くなって上映予定の映画の予告編が始まった。今日の映画はSF映画で公開されると聞いてずっと気になっていたもの。葛城さんも観たかった映画らしくてお互いに映画の好みが合って良かったねって話。だってストーリーに夢中になっている間は周囲が暗くても悪戯されることは無いしね。
+++++
「それで? 何か御不審な点でも?」
「不審だらけでしょ」
ニヤニヤしている葛城さんを見下ろした。
只今の私は葛城さん曰く彼の専属パイロットらしい。お仕置きは戦闘機に乗せてグルグル回転するつもりだったけど、今からじゃ暗くて飛ばせないから俺のことを操縦するだけで勘弁してやるとか言われて官舎に引っ張ってこられてしまった結果がこれ。エッチするのはともかくこの下品ここに極まれりみたいなエロパイロット発言はなんとかして欲しい。
「気持ち的な盛り上げが必要だって言ったのは優だろ? だから俺はすぐにでもベッドに引きずり込みたいのに頑張ってるんじゃないか。その努力をまるで他力本願みたいに言われたら腹が立っても仕方がないだろ? だから優はお仕置きされて当然」
そう言うと体を揺すって中断したことに対して再開を促してきた。体の最奥に葛城さんのものが当たり思わず喘ぎ声が零れて慌てて口を両手で押さえた。だって部屋の窓が開いてるんだよ? お隣さんに聞こえたらどうするの?! そんな私のことを見てニヤついているんだから腹が立つったら!!
「もうっ、これの何処がお仕置き?」
「おや、俺に主導権を握って欲しいとか? だったら遠慮なく交代させてもらうけどそんなことたら明日、絶対に会社に行けなくなると思うぞ?」
うーん、それは否定しない。だって葛城さんが本気を出したら絶対に次の日は腰痛い足痛いな状態なんだもの。
そのたびに運動不足は駄目だぞって言われるけどそういう問題じゃないよね。パイロットでさえこんなんってことは他の自衛官さん達って一体どんなことになってるんだろ、やっぱり奥さん達も体力向上に励んでいるんだろうか? ほら、前に見学しに行った陸上自衛隊の人達なんて体力有り余ってそうだし。奥さんも大変そう……。
「あのね葛城さん、私、既に膝が痛い」
途端にそれまでふざけてニヤニヤしていた葛城さんが少しだけ真面目な顔になって身体を反転させた。上にいた私が下になって下にいた葛城さんが上に。うーん、そこは体を離してくれるという選択肢はないのか……。
「そう言うことは早く言えよ優。もしかして外にいる時から痛かったのか?」
「うーん……」
曖昧な返事をしておく。松葉杖は要らなくなったけど当分は長い時間立っていたり歩いたりすると痛くなってくるのは仕方がないってお医者さんにも言われていた。ここ最近は仕事も中の仕事ばかりだから痛み止めが必要なほどは痛まないんだけど、葛城さんに跨ってあれこれ操縦?運動?していたら痛くなってきてしまった。やっぱり痛み止めは持ち歩いた方が良いのかな。
「痛かったんだな? すまない気が付かなくて」
「本格的に痛くなったのはここに来てから。膝をついてあんな風に動いていたらやっぱり痛い」
「……それは、もしかしてあの体位は御不満ということですか槇村さん?」
「真面目な話、あれはしない方が良いってことかなあ」
とにかく長時間の膝つきとか屈伸とか曲げたままというのが宜しくないのが今回のことでよ~く分かった。
「頑張っている優を下から眺めているが楽しかったんだが仕方がないな、当分は俺がパイロットってことで」
「葛城さんは最初からパイロットじゃん……色んな意味で」
ぼそりと呟いたら葛城さんはニッと笑ってから痛む方の膝を撫でた。
「さて、じゃあ本格的に始めようか? さんざん優に焦らされて俺の方は暴発寸前だから」
「一人で爆発してほしい……」
「そんなんじゃお仕置きにならないでしょ、さあ頑張ろうか槇村さん」
「頑張りたくない~」
そりゃね葛城さんとのエッチが嫌だってわけじゃない。気持ち的な盛り上げをしてもらわなきゃ恋人にならないって言ってからこっち、彼なりに頑張ってくれているせいかデートは楽しいし二人っきりなった途端にエロ発言連発するところ以外は不満なんて何も無い。たまにやることなすことハチャメチャな順番ではあるけどまあ概ね「余は満足じゃ」な感じだ。こっちの耐久時間を試すような無茶なエッチの時でもこうやって私に触れる手は優しいし。
「なんだ?」
ジッと見ていたのが気になったのか首を傾げて動きを止めた。
「痛いのか?」
「ううん。あのさ、葛城さんてなんて言うか触る仕草もエロいよね。エッチの時は言うに及ばずそうでない時も」
「あー、それはよく言われる」
「……ふーん、こんな風に他の誰かも触ってるんだ」
「待て待て、今しているように誰かに触ったらそれは変態というやつだ」
なんだか急にムッとなって気分が醒めたぞって顔をしたら葛城さんは慌てて思い違いだと否定した。じゃあ誰のことをこんな風に触ってるのよ。
「俺が触るのは愛機のことだよ。整備している奴が言うにはお前の触り方はいちいちやらしいってことらしい」
「……」
「なんだよ」
「私と飛行機が同じ扱い……」
「だから戦闘機だっつーの。で、優に会うまでは確かに愛機が一番だったさ、どれだけ俺が飛ぶのが好きか分かるだろ?」
まあそれは否定しない。とにかく葛城さんは三度の飯よりも飛ぶ方が好きだって常に言っているしそれは同じ飛行隊にいる人達からも聞いたことあるから。そりゃ誰か人に対してこんな風に触っていないことが分かって安心しはしたけど、やっぱり私ってあの戦闘機と同列なのかと思うとちょっと複雑な気分だ。
「もちろん今は優の方が大事だから心配するな。優と付き合いだしてからは戦闘機に対する変態的なエロさが無くなったって話だからさ」
「それ、誰から情報?」
「桧山」
「桧山さんが言うなら間違いないのかな……?」
桧山さんは葛城さんと同じ飛行隊に所属している人だ。確か航空学生になった頃からの付き合いだって言っていたっけ。だけど人間じゃなくて飛行機に対する変態的エロさって一体どんなんだったんだろう、一度桧山さんに聞いてみなきゃ。
「優が一番大事だというのは今からちゃんと証明してやるから安心してくれ」
「え、いや、別に証明してくれなくても桧山さんの証言だけで十分かなあ……」
「まあまあそんな遠慮なさらず、槇村さん」
「遠慮とかじゃなくて……」
結局、次の日はやっぱり痛む腰をさすりながら葛城さんちから出社する羽目になってしまった。愛機に対する変態的エロさは無くなったかもしれないけど私に対しては十分にエロいよね、葛城さんって。
突然そんなことを葛城さんが言い出したのは久し振りのデートで映画を観にきていたとき。上映が始まるまでに見ようと思って買ったパンフレットを読んでいたら携帯のカレンダーを見ていた葛城さんが思い出したようにそんなことを言い出したのだ。
「どの日?」
「この日」
そう言って画面を見せてくれた。来月の真ん中へんの週末かあ。休暇の申請は今週中に出すように言われているから大丈夫かな、今年の有給もまだ使わずに残っているし。
「週末なんだね、今から申請しておいたら大丈夫だと思うよ。何で?」
「自衛隊の観閲式があるからさ、もし良ければ行かないかって」
「え、あれって物凄い倍率だから申し込んでもなかなか当たらないって聞いてるんだけど」
確か浅木さんがそんなことを言ってたっけ。富士の総合火力演習に友達総出で申し込みを出したのに当たらなかったってガックリしていて、十月の観閲式は何としてもチケットをゲットするんだって張り切っていた筈。まあ浅木さんの場合、富士の方はマスコミ枠なんてのを駆使して取材と称して結局は行っていたみたいだけど観閲式は無理だろうなって言っていたっけ。
「招待枠があるんだ」
「招待って誰かに無理言ったとか言わない?」
「あのなあ、今まで俺がそういうことで無茶を通したことがあったか?」
「葛城さんならやりかねない」
特に今まで何かしたってことはないけど、葛城さんってたまに目的の為なら手段を選ばないことがあるから無きにしも非ずってやつだと思うんだよね。ほら、れいの広報官さんをまた脅したとかさ。
「じゃあ誰からの招待なの?」
「それは秘密」
「えー……」
ますます怪しい。胡散臭げに葛城さんの顔を見上げるとニヤッと笑った。ほらね? 怪しすぎて詮索する気にもなれない。
「今年の観閲式は海自が受け持つ年だから護衛艦に乗れるんだがどうする」
「行きたい」
「即答かよ……」
戦闘機に乗せてやると言っても嫌がるのにこっちはOKなのかよとブツブツ言っている。だって船は空飛ばないじゃない、だから乗りたいし行ったことないから行ってみたい。あ、浅木さんに言ったらカメラを押し付けられるかもしれないから内緒にしておかないと。
「だったらちゃんと休暇を取れよ。せっかくの俺の努力が無駄になるから」
「葛城さんの努力じゃなくて誰かお友達の努力でしょ?」
「槇村さん、そういう生意気なことを言うならお仕置き決定だな」
「何でだ!」
文句を言おうと口を開いたらアヒルのくちばしを摘まむみたいに唇を塞がれて黙らされてしまった。最近の葛城さんてば私ことをすぐおもちゃ扱いするのよね、こういう扱いって非常に遺憾です。
「むむむ」
「はいはい、そろそろ映画が始まるから。文句とお仕置きは後でな」
「むむむっ、ぷはっ、あのねえ……」
唇がアヒルみたいになったら絶対に葛城さんのせいだ。
「楽しみにしてた映画なんだろ? はい、楽しむ楽しむ」
ニヤニヤ笑っている葛城さんを一睨みしている間に館内は暗くなって上映予定の映画の予告編が始まった。今日の映画はSF映画で公開されると聞いてずっと気になっていたもの。葛城さんも観たかった映画らしくてお互いに映画の好みが合って良かったねって話。だってストーリーに夢中になっている間は周囲が暗くても悪戯されることは無いしね。
+++++
「それで? 何か御不審な点でも?」
「不審だらけでしょ」
ニヤニヤしている葛城さんを見下ろした。
只今の私は葛城さん曰く彼の専属パイロットらしい。お仕置きは戦闘機に乗せてグルグル回転するつもりだったけど、今からじゃ暗くて飛ばせないから俺のことを操縦するだけで勘弁してやるとか言われて官舎に引っ張ってこられてしまった結果がこれ。エッチするのはともかくこの下品ここに極まれりみたいなエロパイロット発言はなんとかして欲しい。
「気持ち的な盛り上げが必要だって言ったのは優だろ? だから俺はすぐにでもベッドに引きずり込みたいのに頑張ってるんじゃないか。その努力をまるで他力本願みたいに言われたら腹が立っても仕方がないだろ? だから優はお仕置きされて当然」
そう言うと体を揺すって中断したことに対して再開を促してきた。体の最奥に葛城さんのものが当たり思わず喘ぎ声が零れて慌てて口を両手で押さえた。だって部屋の窓が開いてるんだよ? お隣さんに聞こえたらどうするの?! そんな私のことを見てニヤついているんだから腹が立つったら!!
「もうっ、これの何処がお仕置き?」
「おや、俺に主導権を握って欲しいとか? だったら遠慮なく交代させてもらうけどそんなことたら明日、絶対に会社に行けなくなると思うぞ?」
うーん、それは否定しない。だって葛城さんが本気を出したら絶対に次の日は腰痛い足痛いな状態なんだもの。
そのたびに運動不足は駄目だぞって言われるけどそういう問題じゃないよね。パイロットでさえこんなんってことは他の自衛官さん達って一体どんなことになってるんだろ、やっぱり奥さん達も体力向上に励んでいるんだろうか? ほら、前に見学しに行った陸上自衛隊の人達なんて体力有り余ってそうだし。奥さんも大変そう……。
「あのね葛城さん、私、既に膝が痛い」
途端にそれまでふざけてニヤニヤしていた葛城さんが少しだけ真面目な顔になって身体を反転させた。上にいた私が下になって下にいた葛城さんが上に。うーん、そこは体を離してくれるという選択肢はないのか……。
「そう言うことは早く言えよ優。もしかして外にいる時から痛かったのか?」
「うーん……」
曖昧な返事をしておく。松葉杖は要らなくなったけど当分は長い時間立っていたり歩いたりすると痛くなってくるのは仕方がないってお医者さんにも言われていた。ここ最近は仕事も中の仕事ばかりだから痛み止めが必要なほどは痛まないんだけど、葛城さんに跨ってあれこれ操縦?運動?していたら痛くなってきてしまった。やっぱり痛み止めは持ち歩いた方が良いのかな。
「痛かったんだな? すまない気が付かなくて」
「本格的に痛くなったのはここに来てから。膝をついてあんな風に動いていたらやっぱり痛い」
「……それは、もしかしてあの体位は御不満ということですか槇村さん?」
「真面目な話、あれはしない方が良いってことかなあ」
とにかく長時間の膝つきとか屈伸とか曲げたままというのが宜しくないのが今回のことでよ~く分かった。
「頑張っている優を下から眺めているが楽しかったんだが仕方がないな、当分は俺がパイロットってことで」
「葛城さんは最初からパイロットじゃん……色んな意味で」
ぼそりと呟いたら葛城さんはニッと笑ってから痛む方の膝を撫でた。
「さて、じゃあ本格的に始めようか? さんざん優に焦らされて俺の方は暴発寸前だから」
「一人で爆発してほしい……」
「そんなんじゃお仕置きにならないでしょ、さあ頑張ろうか槇村さん」
「頑張りたくない~」
そりゃね葛城さんとのエッチが嫌だってわけじゃない。気持ち的な盛り上げをしてもらわなきゃ恋人にならないって言ってからこっち、彼なりに頑張ってくれているせいかデートは楽しいし二人っきりなった途端にエロ発言連発するところ以外は不満なんて何も無い。たまにやることなすことハチャメチャな順番ではあるけどまあ概ね「余は満足じゃ」な感じだ。こっちの耐久時間を試すような無茶なエッチの時でもこうやって私に触れる手は優しいし。
「なんだ?」
ジッと見ていたのが気になったのか首を傾げて動きを止めた。
「痛いのか?」
「ううん。あのさ、葛城さんてなんて言うか触る仕草もエロいよね。エッチの時は言うに及ばずそうでない時も」
「あー、それはよく言われる」
「……ふーん、こんな風に他の誰かも触ってるんだ」
「待て待て、今しているように誰かに触ったらそれは変態というやつだ」
なんだか急にムッとなって気分が醒めたぞって顔をしたら葛城さんは慌てて思い違いだと否定した。じゃあ誰のことをこんな風に触ってるのよ。
「俺が触るのは愛機のことだよ。整備している奴が言うにはお前の触り方はいちいちやらしいってことらしい」
「……」
「なんだよ」
「私と飛行機が同じ扱い……」
「だから戦闘機だっつーの。で、優に会うまでは確かに愛機が一番だったさ、どれだけ俺が飛ぶのが好きか分かるだろ?」
まあそれは否定しない。とにかく葛城さんは三度の飯よりも飛ぶ方が好きだって常に言っているしそれは同じ飛行隊にいる人達からも聞いたことあるから。そりゃ誰か人に対してこんな風に触っていないことが分かって安心しはしたけど、やっぱり私ってあの戦闘機と同列なのかと思うとちょっと複雑な気分だ。
「もちろん今は優の方が大事だから心配するな。優と付き合いだしてからは戦闘機に対する変態的なエロさが無くなったって話だからさ」
「それ、誰から情報?」
「桧山」
「桧山さんが言うなら間違いないのかな……?」
桧山さんは葛城さんと同じ飛行隊に所属している人だ。確か航空学生になった頃からの付き合いだって言っていたっけ。だけど人間じゃなくて飛行機に対する変態的エロさって一体どんなんだったんだろう、一度桧山さんに聞いてみなきゃ。
「優が一番大事だというのは今からちゃんと証明してやるから安心してくれ」
「え、いや、別に証明してくれなくても桧山さんの証言だけで十分かなあ……」
「まあまあそんな遠慮なさらず、槇村さん」
「遠慮とかじゃなくて……」
結局、次の日はやっぱり痛む腰をさすりながら葛城さんちから出社する羽目になってしまった。愛機に対する変態的エロさは無くなったかもしれないけど私に対しては十分にエロいよね、葛城さんって。
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