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六章 勇者
第四十七話
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昼食を食べ終わり、ルナとオブを部屋に戻したら禁書庫へ。
こうやってしばらく禁書庫通いが続いた。
何日も通い続けるとようやく何冊か勇者が記載された本が見付かった。
一冊はアレンも言っていた、勇者は異世界人でケシュナの森、石碑の側に召還される、という話。
これは今まで現れた勇者の証言を基に書き残したもののようだ。
ケシュナの森は四国に挟まれた丁度中心に当たる場所にある。勇者が現れる国は決まっていないため、ケシュナの森は四国で不可侵条約が結ばれた。どの国に勇者が現れたとしても、魔物の殲滅にはそれを遮ることは出来ないとも協定が結ばれたようだ。
この国の勇者に関する記載の一番古いものは千年程前くらいのものだった。
それ以前から勇者は存在したのかもしれないが、書物として残すようになったのが千年程前のようだった。
始まりは異世界から来たと思われる人物が魔物を殲滅させた、ということ。
そういった人物が現れる度に記載されていく、その歴史から百年に一度くらいの周期で、魔物を殲滅することの出来る人物が現れるということが分かった。
そして徐々に魔物の中でも異常な強さを持つ魔物が現れることが分かっていく。
その後それは魔王と呼ばれるようになり、勇者が使う特殊な魔法でしか倒せないらしいということが分かってきた。
しかしどう言った理由で魔物や魔王が現れるのかは分からなかった。同じように勇者も異世界から現れる、ということしか、はっきりした内容は分からなかった。
「やっぱりこれ以上詳しくは分からないね。ほとんどアレンやルナに聞いたことだけだね」
「そうだな」
「うーん」
とりあえずアレンに報告した。
「ほとんど分からずか……勇者の使える聖魔法とやらをユウは使えるのか?」
「どんな魔法か分からないから何とも……」
「ディルアスと二人で発動させていた結界魔法は違うんだよな?」
「違うと思うけどな……二人で発動とか書いてなかったし」
「うーん、本当に何も分からんな」
アレンは天井を見上げた。
「他国の情報も調べさせてもらったらどうでしょう?」
リシュレルさんが言った。
「他国?」
「えぇ」
「あ、ガイアスか!」
「ガイアス?」
「このエルザイアの隣国だ。ガイアスとは友好国で、昔から長い付き合いだ。あそこの息子とは幼なじみみたいなもんだしな」
息子……王子か。王子同士なら幼なじみでも可笑しくはないね。
「第一王子のイグリード・サフィロ・ガイアス殿下です」
「あぁ、リードなら事情を話せば禁書庫を見せてもらえるかもな。行ってみるか?」
「う……ん、そうだね。他に情報がありそうなら……」
「よし、じゃあリードに連絡を取ってみよう。少し待て」
アレンは魔導具を取り出した。魔導具を握り締め声を掛けた。
「リード、リード、聞こえるか?」
通信をし始めた。相手の声は聞こえない。
久しぶりだな、と他愛ない話をしながら本題に入った。
「近々そっちに行っても良いか? 頼みたいことがある。あぁ。その時に話す。分かった。ではな」
通信が終わったのかアレンはこちらを見た。
「面会の約束はしたぞ。いつ出発する?」
「まさかあなたも行かれるおつもりですか?」
リシュレルさんが真顔で聞いた。
「行くぞ。当たり前だろ。勇者の事は俺も知るべきだろうし、そもそも他国の者にいきなり禁書庫を見せろと言われても向こうも見せられないだろうしな。俺が行くことで通る事柄もあるだろう」
確かに。リシュレルさんの顔が怖い。
「はぁ、仕方ないですね」
「後の事は任せた」
ニッとアレンは笑った。リシュレルさんの深い溜め息が聞こえる。申し訳ない。
「諸々処理したいこともあるから出発は明後日で良いか?」
「あ、それなら一度キシュクに戻って来て良い? あれから一度も連絡してないし」
「ん? あぁ、そう言えばそうだな。キシュクの者と通信はしてないんだな」
「うん。やろうとしてて忘れてた」
「ハハ、意外と抜けてるな」
アレンに笑われたくないんだけど、とか思ったけど、グッと堪えた。
「そう言えば俺たちも繋げとくか」
「?」
「通信だよ」
「あぁ。私、やったことないんだけどどうするの?」
「自分の魔導具に相手の魔力を入れてもらうんだ。やってみよう」
アレンが魔導具を出した。
「これにユウの魔力を注いでくれ」
言われた通りに手を翳して魔力を注いだ。
そして同じように私が身に付けている魔導具にもアレンの魔力を。
「俺も」
ディルアスが言った。
「あ? あぁ、そうだな、ディルアスも繋げとくか。それなら全員同時にも話せるしな」
「へー、全員同時にも話せるんだ」
しかしディルアスの最近の言動が謎過ぎる。初めて会ったときに比べるとあまりに違う。
野生動物が懐いた感じ? そんな表現は失礼か、と一人で苦笑した。
アレンとディルアスと通信を繋げ、試しにと、部屋に戻って話してみた。
まず話したい相手を念じてから声をかけていく。
「アレン、ディルアス、聞こえる?」
「あぁ」
「聞こえるぞー!」
「おぉ、凄いね。便利!」
「ハハ、他にもっと凄い魔法使えるくせに」
「だって今まで知らなかったんだもん」
「まあこれで今後別行動でも連絡は取れるから、何かあったら連絡しろよ」
「分かった! じゃあとりあえず明日はキシュクに行って来るね」
「俺は少し街に出る」
ほとんど発言のなかったディルアスが突然喋った。
「あれ、そう言えばディルアスはガイアスに一緒に行くのか?」
そう言えばディルアスがどうするのか聞いてなかった。
「俺も行く」
「ま、そりゃ行くか、ここまで関わったら最後まで知りたいよな!」
「あぁ」
「じゃあとにかく明後日にな!」
そう言って通信を終えた。
こうやってしばらく禁書庫通いが続いた。
何日も通い続けるとようやく何冊か勇者が記載された本が見付かった。
一冊はアレンも言っていた、勇者は異世界人でケシュナの森、石碑の側に召還される、という話。
これは今まで現れた勇者の証言を基に書き残したもののようだ。
ケシュナの森は四国に挟まれた丁度中心に当たる場所にある。勇者が現れる国は決まっていないため、ケシュナの森は四国で不可侵条約が結ばれた。どの国に勇者が現れたとしても、魔物の殲滅にはそれを遮ることは出来ないとも協定が結ばれたようだ。
この国の勇者に関する記載の一番古いものは千年程前くらいのものだった。
それ以前から勇者は存在したのかもしれないが、書物として残すようになったのが千年程前のようだった。
始まりは異世界から来たと思われる人物が魔物を殲滅させた、ということ。
そういった人物が現れる度に記載されていく、その歴史から百年に一度くらいの周期で、魔物を殲滅することの出来る人物が現れるということが分かった。
そして徐々に魔物の中でも異常な強さを持つ魔物が現れることが分かっていく。
その後それは魔王と呼ばれるようになり、勇者が使う特殊な魔法でしか倒せないらしいということが分かってきた。
しかしどう言った理由で魔物や魔王が現れるのかは分からなかった。同じように勇者も異世界から現れる、ということしか、はっきりした内容は分からなかった。
「やっぱりこれ以上詳しくは分からないね。ほとんどアレンやルナに聞いたことだけだね」
「そうだな」
「うーん」
とりあえずアレンに報告した。
「ほとんど分からずか……勇者の使える聖魔法とやらをユウは使えるのか?」
「どんな魔法か分からないから何とも……」
「ディルアスと二人で発動させていた結界魔法は違うんだよな?」
「違うと思うけどな……二人で発動とか書いてなかったし」
「うーん、本当に何も分からんな」
アレンは天井を見上げた。
「他国の情報も調べさせてもらったらどうでしょう?」
リシュレルさんが言った。
「他国?」
「えぇ」
「あ、ガイアスか!」
「ガイアス?」
「このエルザイアの隣国だ。ガイアスとは友好国で、昔から長い付き合いだ。あそこの息子とは幼なじみみたいなもんだしな」
息子……王子か。王子同士なら幼なじみでも可笑しくはないね。
「第一王子のイグリード・サフィロ・ガイアス殿下です」
「あぁ、リードなら事情を話せば禁書庫を見せてもらえるかもな。行ってみるか?」
「う……ん、そうだね。他に情報がありそうなら……」
「よし、じゃあリードに連絡を取ってみよう。少し待て」
アレンは魔導具を取り出した。魔導具を握り締め声を掛けた。
「リード、リード、聞こえるか?」
通信をし始めた。相手の声は聞こえない。
久しぶりだな、と他愛ない話をしながら本題に入った。
「近々そっちに行っても良いか? 頼みたいことがある。あぁ。その時に話す。分かった。ではな」
通信が終わったのかアレンはこちらを見た。
「面会の約束はしたぞ。いつ出発する?」
「まさかあなたも行かれるおつもりですか?」
リシュレルさんが真顔で聞いた。
「行くぞ。当たり前だろ。勇者の事は俺も知るべきだろうし、そもそも他国の者にいきなり禁書庫を見せろと言われても向こうも見せられないだろうしな。俺が行くことで通る事柄もあるだろう」
確かに。リシュレルさんの顔が怖い。
「はぁ、仕方ないですね」
「後の事は任せた」
ニッとアレンは笑った。リシュレルさんの深い溜め息が聞こえる。申し訳ない。
「諸々処理したいこともあるから出発は明後日で良いか?」
「あ、それなら一度キシュクに戻って来て良い? あれから一度も連絡してないし」
「ん? あぁ、そう言えばそうだな。キシュクの者と通信はしてないんだな」
「うん。やろうとしてて忘れてた」
「ハハ、意外と抜けてるな」
アレンに笑われたくないんだけど、とか思ったけど、グッと堪えた。
「そう言えば俺たちも繋げとくか」
「?」
「通信だよ」
「あぁ。私、やったことないんだけどどうするの?」
「自分の魔導具に相手の魔力を入れてもらうんだ。やってみよう」
アレンが魔導具を出した。
「これにユウの魔力を注いでくれ」
言われた通りに手を翳して魔力を注いだ。
そして同じように私が身に付けている魔導具にもアレンの魔力を。
「俺も」
ディルアスが言った。
「あ? あぁ、そうだな、ディルアスも繋げとくか。それなら全員同時にも話せるしな」
「へー、全員同時にも話せるんだ」
しかしディルアスの最近の言動が謎過ぎる。初めて会ったときに比べるとあまりに違う。
野生動物が懐いた感じ? そんな表現は失礼か、と一人で苦笑した。
アレンとディルアスと通信を繋げ、試しにと、部屋に戻って話してみた。
まず話したい相手を念じてから声をかけていく。
「アレン、ディルアス、聞こえる?」
「あぁ」
「聞こえるぞー!」
「おぉ、凄いね。便利!」
「ハハ、他にもっと凄い魔法使えるくせに」
「だって今まで知らなかったんだもん」
「まあこれで今後別行動でも連絡は取れるから、何かあったら連絡しろよ」
「分かった! じゃあとりあえず明日はキシュクに行って来るね」
「俺は少し街に出る」
ほとんど発言のなかったディルアスが突然喋った。
「あれ、そう言えばディルアスはガイアスに一緒に行くのか?」
そう言えばディルアスがどうするのか聞いてなかった。
「俺も行く」
「ま、そりゃ行くか、ここまで関わったら最後まで知りたいよな!」
「あぁ」
「じゃあとにかく明後日にな!」
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