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七章 ひきこもり
第六十話
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どれくらいの時間が経ったのだろう。二人とも何も話さずただお互いの体温だけを感じながら海を眺めていた。
抱き締めていた腕は少し緩み、遠慮がちに腰に添えられていた。
何か言いたい気持ちもあったが、何を言ったら良いのか分からず何も言えなかった。
「そろそろ帰るか……」
ディルアスも何も話さない。
きっとこれで良いんだ。
ディルアスがゼルを呼び戻しロッジまで戻った。
帰って来るとオブが真っ先に飛び付いて来た。
『おかえり~! たのしかった~?』
オブがあれこれ聞いてくる。
「じゃあまたな……」
オブに構っているとディルアスが帰ってしまった。
いつも帰りは少し寂しくなってしまう。少しね!
「ディルアスありがとう! またね!」
叫ぶと、ディルアスは少し振り向き手を振った。
ひきこもり生活を始めて早三年程の月日が経った。毎日家庭菜園に試行錯誤したり、あまり得意ではない料理をしてみたり。森を散策して動物とお友達になってみたり。
比較的に楽しい生活を送っている。
ディルアスは相変わらず数ヶ月に一度は遊びに来てくれている。少しずつ笑顔も増えてきたようにも思う。まだ満面の笑みはないけどね。
アレンたちともたまに通信で喋っている。イグリードと二人で自国だけでなく、他の二国とも争いを起こさないようにしていく方法をいつも模索しあっているそうだ。
私との約束を必死に守ろうとしてくれている。
ルナとオブはというと、相変わらずな感じ。それが何か嬉しい。
「あ、そういえば、オブはそろそろ何か攻撃が出来るようになったりはないの?」
『? こうげき!』
「うん。ルナやゼルみたいに炎の攻撃が出来たりとか」
攻撃が出来るようになれば人間に狙われることも、だいぶマシになるのでは。
私がいなくなったら契約魔獣じゃなくなっちゃうしね。
そうするとルナにばかり助けてもらうのもダメだと思うし。
『ほのおだせるかなぁ』
「ルナは教えてあげられない?」
『ふむ、ドラゴンのことはよく分からんが、練習でもしてみるか』
『うん、ぼくやってみる~』
この日からしばらくオブの特訓が始まった。
ルナに見本を見せてもらいながら、オブはケフッケフッと一生懸命口から何かを吐き出そうとしている。しかし中々出ない。
ションボリしているオブも可愛いが、いつまでも出来ないのも可哀想だしなぁ。
「炎をイメージしながら口に魔力を集中させてみたらどう?」
いつも自分が魔法を使うときにする方法だ。魔獣の魔力も同じではないかな。
『イメージしながら、まりょくをしゅうちゅう?』
「うん、そう」
『うーん、イメージ、イメージ……』
オブが必死に考えている。
考えながら口をパカッと開き……
ポン! と可愛い炎の球が出た。掌サイズくらいの小さな炎だが、それでも初めての攻撃魔法だ!
「オブ、やった! 出たよ!」
『ぼくにもだせた~!』
オブはとても喜んで、ますますやる気満々になった。それからというもの毎日練習をしている。
ルナは付き合わされて少しうんざり顔。
それでも付き合ってあげてるんだから、ルナも大概良い人だよね。人じゃなくて狼だけど。
ある日、身体の真ん中、深い深い奥のほう、何かチリッとしたものを感じた。
抱き締めていた腕は少し緩み、遠慮がちに腰に添えられていた。
何か言いたい気持ちもあったが、何を言ったら良いのか分からず何も言えなかった。
「そろそろ帰るか……」
ディルアスも何も話さない。
きっとこれで良いんだ。
ディルアスがゼルを呼び戻しロッジまで戻った。
帰って来るとオブが真っ先に飛び付いて来た。
『おかえり~! たのしかった~?』
オブがあれこれ聞いてくる。
「じゃあまたな……」
オブに構っているとディルアスが帰ってしまった。
いつも帰りは少し寂しくなってしまう。少しね!
「ディルアスありがとう! またね!」
叫ぶと、ディルアスは少し振り向き手を振った。
ひきこもり生活を始めて早三年程の月日が経った。毎日家庭菜園に試行錯誤したり、あまり得意ではない料理をしてみたり。森を散策して動物とお友達になってみたり。
比較的に楽しい生活を送っている。
ディルアスは相変わらず数ヶ月に一度は遊びに来てくれている。少しずつ笑顔も増えてきたようにも思う。まだ満面の笑みはないけどね。
アレンたちともたまに通信で喋っている。イグリードと二人で自国だけでなく、他の二国とも争いを起こさないようにしていく方法をいつも模索しあっているそうだ。
私との約束を必死に守ろうとしてくれている。
ルナとオブはというと、相変わらずな感じ。それが何か嬉しい。
「あ、そういえば、オブはそろそろ何か攻撃が出来るようになったりはないの?」
『? こうげき!』
「うん。ルナやゼルみたいに炎の攻撃が出来たりとか」
攻撃が出来るようになれば人間に狙われることも、だいぶマシになるのでは。
私がいなくなったら契約魔獣じゃなくなっちゃうしね。
そうするとルナにばかり助けてもらうのもダメだと思うし。
『ほのおだせるかなぁ』
「ルナは教えてあげられない?」
『ふむ、ドラゴンのことはよく分からんが、練習でもしてみるか』
『うん、ぼくやってみる~』
この日からしばらくオブの特訓が始まった。
ルナに見本を見せてもらいながら、オブはケフッケフッと一生懸命口から何かを吐き出そうとしている。しかし中々出ない。
ションボリしているオブも可愛いが、いつまでも出来ないのも可哀想だしなぁ。
「炎をイメージしながら口に魔力を集中させてみたらどう?」
いつも自分が魔法を使うときにする方法だ。魔獣の魔力も同じではないかな。
『イメージしながら、まりょくをしゅうちゅう?』
「うん、そう」
『うーん、イメージ、イメージ……』
オブが必死に考えている。
考えながら口をパカッと開き……
ポン! と可愛い炎の球が出た。掌サイズくらいの小さな炎だが、それでも初めての攻撃魔法だ!
「オブ、やった! 出たよ!」
『ぼくにもだせた~!』
オブはとても喜んで、ますますやる気満々になった。それからというもの毎日練習をしている。
ルナは付き合わされて少しうんざり顔。
それでも付き合ってあげてるんだから、ルナも大概良い人だよね。人じゃなくて狼だけど。
ある日、身体の真ん中、深い深い奥のほう、何かチリッとしたものを感じた。
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