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カナデ編
第十八話 白皇様
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「あ、あの」
蒼汰さんに手を握られどうしたら良いか分からず固まっているが、蒼汰さんは興奮した様子で今まで見たことがないほどの笑顔と早口で……、すいません、もう何が何やら……頭がパニックで何をおっしゃっているのか分かりません。
「「蒼汰!」」
呆れたような声で一哉さんと希実夏さんが、蒼汰さんを止めてくれました。よ、良かったです……。
「落ち着け、馬鹿」
「そうよ! 異世界馬鹿! 奏ちゃん困ってんじゃない!」
「え、あ、あぁ!! ごめん!!」
蒼汰さんはハッとすると自分の手に視線を下ろし、私の手を握り締めていることに気付いたようで、慌てて手を離した。
「本当にごめん!!」
「あ、いえ、その……大丈夫です」
手を握り締められて恥ずかしく、顔が火照るのが分かります。
でも蒼汰さんは無意識ですしね。きっと誰が相手でも同じでしょうし、変に意識しては申し訳ないわ。
チラッと蒼汰さんを見ると顔を真っ赤にして、必死に謝ってくれていた。
その姿が何やら少し可愛く思えクスッと笑う。
「ほ、本当にごめんね!! 手なんか握られて気持ち悪いよね、本当にごめん!」
「フフッ、ちょっと驚いただけですから、本当に大丈夫です。気持ち悪くなんかないです」
「奏ちゃん、もっと怒らなきゃ駄目よ!調子乗るわよ!」
「まあ直之よりはマシだろうがな」
「え、何で俺よ! 俺はそんなことしません!」
「嘘をつくな。さっきから何かにつけて奏を触ろうとしてるのは誰だよ」
「えぇ!? お、俺はそんなことシナイヨ……」
明らかに目が泳いでますよ直之さん。
「蒼汰は興奮すると周りが見えなくなるの何とかしなさいよ。子供の頃そのせいでどれだけ私が振り回されたか」
希実夏さんが溜め息を吐きながら蒼汰さんを小突いてます。本当に仲が良いのですね……良いなぁ、羨ましい…………、ん? うん…………、幼馴染って素敵よね。
私にもオルガがいた。蒼汰さんたちの関係とは少し違うかもしれないけれど、やはり私にとっては大事な幼馴染だった。オルガ、今頃どうしてるかしら……。ちょっとしんみりしてしまう。
「も、もうそんな話は良いだろ! それよりも水嶌さん、さっきの真崎さんが言ってたやつ!」
「え、あ、えぇ」
しんみりしていたところで声を掛けられ、少したじろいでしまう。
「水嶌さんもこの神社に入るときなにか感じたんだね!?」
「え、えぇ、はっきりとしたものを感じたわけではないのですが、何となく違和感を……」
そう、何か微かに、本当に微かに何かが肌に触れるような感覚。もしかしたら勘違いかもしれない。でも蒼汰さんと一哉さんも感じているなら、やはりそうなのかしら。
「えー、何かを感じるって? 俺は全く分からなかったんだけど」
「私も何も感じなかった。何か直之と同じなのが嫌だけど」
「ちょ、どういう意味だよ、それ」
直之さんはプンプンと怒ってます。フフ。
「僕と真崎さんはこの神社、以前にも来たことがあるんだけど、以前からなぜか鳥居をくぐるときに何か違和感を感じていたんだ。でも僕たちだけだから気のせいなのか、本当にそう感じるのか分からなかったんだ」
再び蒼汰さんは目を輝かせ見詰めてくる。そ、そんな真っ直ぐ見詰められるとドキドキしてしまいます。
「でも水嶌さんも感じるってことはやっぱり僕たちが感じていた違和感も間違いじゃなかった! ね、真崎さん!」
「そうだな、奏も感じるなら間違いないだろう」
蒼汰さんと一哉さんで何やら納得気な顔。それに引き換え、希実夏さんと直之さんは怪訝な顔というか、呆れた顔というか……、信じられないといった感じかしら。
「本当にそんなの感じるの? 私は鳥居くぐるときになんか全く何も感じなかったけどなぁ」
希実夏さんがそう言いながら再び鳥居をくぐってみた。皆それに続き、鳥居の辺りをウロウロとする。
「やっぱり何も感じないけど」
「俺もー」
希実夏さんと直之さんはやはり何も感じないようだった。
蒼汰さんと一哉さんはブツブツと言いながら、鳥居の下を一歩進んだり下がったり。それにならって私も鳥居を何度かくぐってみます。
やはり微かにですが、肌に何かが纏わりつくような感覚があります。
「水嶌さんもやっぱり感じるよね?」
「はい」
蒼汰さんは満面の笑みです。ま、眩しいくらいの満面の笑みで何だかそわそわしますね。
鳥居をくぐり直し再び境内に入ると、両脇のお狐様が目に入るのですが、
「…………」
先程は気付かなかったことに気付きました。このお狐様、何やら少し様子が違うような……。
狐は狐……だと思うのですが、何となく少し違うような……。口元がすっと長く突き出し、大きなとがった耳、長く太い尻尾。狐、狐なんですけどね。
そう狐なのよ、なのに何だろうこの違和感。さっきはお狐様の顔立ちだけが気になったから、気付かなかったけど、このお狐様なんだか狐とも少し違うような?
いや、でも狐かなぁ、……、うーん。
「水嶌さん? どうかした?」
「あ、いえ、このお狐様、何か変だな、と思いまして……」
「え?」
「一瞬何となくなんですけど、狐じゃないようにも見えたんです」
「狐じゃない!?」
「え、えぇ」
驚いた顔の蒼汰さんに詰め寄られたじろぎます。
一瞬そう思っただけなので説明が出来ない。ど、どうしよう、余計なことを言ってしまったかしら。
「何かお困りごとですか?」
蒼汰さんに詰め寄られ、あわあわしていると、突然声がし、皆一斉に振り向いた。そこには神主さんらしき衣装を身に着けた年配の男性が立っていた。
「あ、すいません、騒がしくて」
蒼汰さんが慌てて謝る。
「あぁ、貴方は何度かいらしている方ですね」
「え、あ、覚えていらっしゃいますか」
蒼汰さんは何度かここに来ているらしいし、そのときにこの神主さんが目にされて覚えていらっしゃったということかしら。
「ハハ、いつも何やら真面目な顔であちらこちらを見て回ったり、やたらと鳥居を出たり入ったりを繰り返していらっしゃったので、よく覚えております」
「あ、アハハ……、すいません」
にこやかに話す神主さんと違って、蒼汰さんはとても気まずい顔をなさっているわね。そんなに鳥居を何度もくぐっていたら、それは確かに不審な感じで覚えられてしまうかもしれない。
「いえいえ、結構ですよ、お好きに見ていただいて。私はここの宮司を務めておりますので、何か気になることでもありましたら、遠慮なくお聞きください」
「宮司さん」
「はい」
「ということは代々受け継がれている話とかあるのでは!? ここが今のお狐様伝説になった経緯とか教えていただけませんか!? 実話なんですよね!?」
「お狐様伝説……白皇様の逸話ですね?」
「白皇様……」
「えぇ、我々はこの白いお狐様を白皇様とお呼びしております」
宮司さんはお狐の像を見上げながら言った。
「我々の先祖を救ってくださった貴いお狐様。そのお狐様を先祖たちは感謝と敬意を表し、白皇様とお呼びしていたそうです」
「だから白皇稲荷神社……」
「えぇ」
宮司さんは「こちらへどうぞ」と私たちをとある部屋へと案内した。
そこは蔵のような建物で、宮司さんは鍵を開け中へと促す。中は蔵というよりは和室のような造りで、土間から靴を脱いで座敷に上がる。
六畳くらいの広さで大人が六人も入ると狭く感じる。座敷奥の引き戸を開けると、さらに広い部屋に大量の本やら箱やら、掛け軸らしきものやら様々なものが置かれていた。
宮司さんがその部屋から古い本のようなものと、掛け軸のような巻き物を持って戻って来た。
蒼汰さんに手を握られどうしたら良いか分からず固まっているが、蒼汰さんは興奮した様子で今まで見たことがないほどの笑顔と早口で……、すいません、もう何が何やら……頭がパニックで何をおっしゃっているのか分かりません。
「「蒼汰!」」
呆れたような声で一哉さんと希実夏さんが、蒼汰さんを止めてくれました。よ、良かったです……。
「落ち着け、馬鹿」
「そうよ! 異世界馬鹿! 奏ちゃん困ってんじゃない!」
「え、あ、あぁ!! ごめん!!」
蒼汰さんはハッとすると自分の手に視線を下ろし、私の手を握り締めていることに気付いたようで、慌てて手を離した。
「本当にごめん!!」
「あ、いえ、その……大丈夫です」
手を握り締められて恥ずかしく、顔が火照るのが分かります。
でも蒼汰さんは無意識ですしね。きっと誰が相手でも同じでしょうし、変に意識しては申し訳ないわ。
チラッと蒼汰さんを見ると顔を真っ赤にして、必死に謝ってくれていた。
その姿が何やら少し可愛く思えクスッと笑う。
「ほ、本当にごめんね!! 手なんか握られて気持ち悪いよね、本当にごめん!」
「フフッ、ちょっと驚いただけですから、本当に大丈夫です。気持ち悪くなんかないです」
「奏ちゃん、もっと怒らなきゃ駄目よ!調子乗るわよ!」
「まあ直之よりはマシだろうがな」
「え、何で俺よ! 俺はそんなことしません!」
「嘘をつくな。さっきから何かにつけて奏を触ろうとしてるのは誰だよ」
「えぇ!? お、俺はそんなことシナイヨ……」
明らかに目が泳いでますよ直之さん。
「蒼汰は興奮すると周りが見えなくなるの何とかしなさいよ。子供の頃そのせいでどれだけ私が振り回されたか」
希実夏さんが溜め息を吐きながら蒼汰さんを小突いてます。本当に仲が良いのですね……良いなぁ、羨ましい…………、ん? うん…………、幼馴染って素敵よね。
私にもオルガがいた。蒼汰さんたちの関係とは少し違うかもしれないけれど、やはり私にとっては大事な幼馴染だった。オルガ、今頃どうしてるかしら……。ちょっとしんみりしてしまう。
「も、もうそんな話は良いだろ! それよりも水嶌さん、さっきの真崎さんが言ってたやつ!」
「え、あ、えぇ」
しんみりしていたところで声を掛けられ、少したじろいでしまう。
「水嶌さんもこの神社に入るときなにか感じたんだね!?」
「え、えぇ、はっきりとしたものを感じたわけではないのですが、何となく違和感を……」
そう、何か微かに、本当に微かに何かが肌に触れるような感覚。もしかしたら勘違いかもしれない。でも蒼汰さんと一哉さんも感じているなら、やはりそうなのかしら。
「えー、何かを感じるって? 俺は全く分からなかったんだけど」
「私も何も感じなかった。何か直之と同じなのが嫌だけど」
「ちょ、どういう意味だよ、それ」
直之さんはプンプンと怒ってます。フフ。
「僕と真崎さんはこの神社、以前にも来たことがあるんだけど、以前からなぜか鳥居をくぐるときに何か違和感を感じていたんだ。でも僕たちだけだから気のせいなのか、本当にそう感じるのか分からなかったんだ」
再び蒼汰さんは目を輝かせ見詰めてくる。そ、そんな真っ直ぐ見詰められるとドキドキしてしまいます。
「でも水嶌さんも感じるってことはやっぱり僕たちが感じていた違和感も間違いじゃなかった! ね、真崎さん!」
「そうだな、奏も感じるなら間違いないだろう」
蒼汰さんと一哉さんで何やら納得気な顔。それに引き換え、希実夏さんと直之さんは怪訝な顔というか、呆れた顔というか……、信じられないといった感じかしら。
「本当にそんなの感じるの? 私は鳥居くぐるときになんか全く何も感じなかったけどなぁ」
希実夏さんがそう言いながら再び鳥居をくぐってみた。皆それに続き、鳥居の辺りをウロウロとする。
「やっぱり何も感じないけど」
「俺もー」
希実夏さんと直之さんはやはり何も感じないようだった。
蒼汰さんと一哉さんはブツブツと言いながら、鳥居の下を一歩進んだり下がったり。それにならって私も鳥居を何度かくぐってみます。
やはり微かにですが、肌に何かが纏わりつくような感覚があります。
「水嶌さんもやっぱり感じるよね?」
「はい」
蒼汰さんは満面の笑みです。ま、眩しいくらいの満面の笑みで何だかそわそわしますね。
鳥居をくぐり直し再び境内に入ると、両脇のお狐様が目に入るのですが、
「…………」
先程は気付かなかったことに気付きました。このお狐様、何やら少し様子が違うような……。
狐は狐……だと思うのですが、何となく少し違うような……。口元がすっと長く突き出し、大きなとがった耳、長く太い尻尾。狐、狐なんですけどね。
そう狐なのよ、なのに何だろうこの違和感。さっきはお狐様の顔立ちだけが気になったから、気付かなかったけど、このお狐様なんだか狐とも少し違うような?
いや、でも狐かなぁ、……、うーん。
「水嶌さん? どうかした?」
「あ、いえ、このお狐様、何か変だな、と思いまして……」
「え?」
「一瞬何となくなんですけど、狐じゃないようにも見えたんです」
「狐じゃない!?」
「え、えぇ」
驚いた顔の蒼汰さんに詰め寄られたじろぎます。
一瞬そう思っただけなので説明が出来ない。ど、どうしよう、余計なことを言ってしまったかしら。
「何かお困りごとですか?」
蒼汰さんに詰め寄られ、あわあわしていると、突然声がし、皆一斉に振り向いた。そこには神主さんらしき衣装を身に着けた年配の男性が立っていた。
「あ、すいません、騒がしくて」
蒼汰さんが慌てて謝る。
「あぁ、貴方は何度かいらしている方ですね」
「え、あ、覚えていらっしゃいますか」
蒼汰さんは何度かここに来ているらしいし、そのときにこの神主さんが目にされて覚えていらっしゃったということかしら。
「ハハ、いつも何やら真面目な顔であちらこちらを見て回ったり、やたらと鳥居を出たり入ったりを繰り返していらっしゃったので、よく覚えております」
「あ、アハハ……、すいません」
にこやかに話す神主さんと違って、蒼汰さんはとても気まずい顔をなさっているわね。そんなに鳥居を何度もくぐっていたら、それは確かに不審な感じで覚えられてしまうかもしれない。
「いえいえ、結構ですよ、お好きに見ていただいて。私はここの宮司を務めておりますので、何か気になることでもありましたら、遠慮なくお聞きください」
「宮司さん」
「はい」
「ということは代々受け継がれている話とかあるのでは!? ここが今のお狐様伝説になった経緯とか教えていただけませんか!? 実話なんですよね!?」
「お狐様伝説……白皇様の逸話ですね?」
「白皇様……」
「えぇ、我々はこの白いお狐様を白皇様とお呼びしております」
宮司さんはお狐の像を見上げながら言った。
「我々の先祖を救ってくださった貴いお狐様。そのお狐様を先祖たちは感謝と敬意を表し、白皇様とお呼びしていたそうです」
「だから白皇稲荷神社……」
「えぇ」
宮司さんは「こちらへどうぞ」と私たちをとある部屋へと案内した。
そこは蔵のような建物で、宮司さんは鍵を開け中へと促す。中は蔵というよりは和室のような造りで、土間から靴を脱いで座敷に上がる。
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