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【完結】わたしの居るべき場所へ帰るんだ
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裏門を出ると、夜の冷たい空気が肺の奥まで入り込んできた。
そこに見覚えのあるゲンチャーリーが止まってる。
あれ? 荷台がない。
座席には深緑の瞳の人影が一人。
あ。
その視線が重なった瞬間、心臓が跳ねた。
「クロー!」
走る。
二年分の距離を埋めるように、必死に地を蹴る。
息が切れても、喉が焼けても、ただ彼だけを見つめて。
クローがゲンチャーリーから降りて、わたしの方へ手を伸ばす。
その手を、逃がさないように強く掴んだ。
引き寄せられて、折れそうなほど強く抱きしめられる。
あったかい。
「バカ。遅い」
耳元で響く不機嫌そうな声。
でも、嬉しそう。
「ごめん」
「二年も待たせやがって」
「ごめん、本当にごめん」
クローの胸に顔を埋めると、涙が溢れてきた。
王都で独り、平気なふりしてた夜。
手紙を書いても届かなかった夜。
ミカンのジャム舐めながら泣いた夜。
全部、終わった。
「もう、離さねえから。帰るぞ、ニーナ。ミッカンは、今年も豊作だ」
「うん!」
やっと笑えた。心から笑えた。
クローがわたしをゲンチャーリーに乗せてくれる。
「しっかり掴まってろ」
「うん」
クローのお腹に腕を回す。
荷台、外してくれたんだ。
わたしを乗せるために。
ゲンチャーリーが低い音を響かせて動き出す。
いつもこれに乗ると謎技術ってすごいなあって感動する。
遠ざかっていく王都の明かり。
もう、眩しすぎない。
わたしは、わたしの居るべき場所へ帰るんだ。
クローの隣に。
「なあ、ニーナ」
「なに?」
「お前、本当にあほだよな」
「ひどい! 再会してすぐそれ?」
「二年ぶりだからこそだよ」
クローが笑ってる。
ゲンチャーリーのエンジン音に混じって、その笑い声が聞こえる。
意地悪で、ぶっきらぼうで、誰よりも優しい。
ああ、これだ。
この心地よさこそが、わたしの求めてた世界の全部だ。
「ただいま、クロー」
「おう。おかえり」
星空の下、ゲンチャーリーは懐かしい村へ走る。
止まってたわたしたちの時間が、今、動き出した。
そこに見覚えのあるゲンチャーリーが止まってる。
あれ? 荷台がない。
座席には深緑の瞳の人影が一人。
あ。
その視線が重なった瞬間、心臓が跳ねた。
「クロー!」
走る。
二年分の距離を埋めるように、必死に地を蹴る。
息が切れても、喉が焼けても、ただ彼だけを見つめて。
クローがゲンチャーリーから降りて、わたしの方へ手を伸ばす。
その手を、逃がさないように強く掴んだ。
引き寄せられて、折れそうなほど強く抱きしめられる。
あったかい。
「バカ。遅い」
耳元で響く不機嫌そうな声。
でも、嬉しそう。
「ごめん」
「二年も待たせやがって」
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全部、終わった。
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「うん!」
やっと笑えた。心から笑えた。
クローがわたしをゲンチャーリーに乗せてくれる。
「しっかり掴まってろ」
「うん」
クローのお腹に腕を回す。
荷台、外してくれたんだ。
わたしを乗せるために。
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遠ざかっていく王都の明かり。
もう、眩しすぎない。
わたしは、わたしの居るべき場所へ帰るんだ。
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「なに?」
「お前、本当にあほだよな」
「ひどい! 再会してすぐそれ?」
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ゲンチャーリーのエンジン音に混じって、その笑い声が聞こえる。
意地悪で、ぶっきらぼうで、誰よりも優しい。
ああ、これだ。
この心地よさこそが、わたしの求めてた世界の全部だ。
「ただいま、クロー」
「おう。おかえり」
星空の下、ゲンチャーリーは懐かしい村へ走る。
止まってたわたしたちの時間が、今、動き出した。
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