悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。

倉桐ぱきぽ

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★side:バーノン

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「ふむ」

 小さくなっていくロベリアを見ながら、バーノンは笑う。

 自分のことは自分でなんとかする。
 中々、頼もしい言葉ではないか。何でもかんでも助けてくれと、すがってくるより、よほど好ましく思える。

 実を言えば、バーノンは少し前からロベリアともう一人の聖属性を持つ乙女について、ディランに調査させていた。
 もちろん、今、ロベリアと揉めていたのが、もう一人の方だともバーノンは知っていた。このところロベリアがスカーレットから、何かと嫌がらせを受けていることも。

 ディランの報告により、彼女たちのことは、その人柄や成績、教員からの評判など、そこそこ把握している。それこそ、二人の悪い噂まで。ロベリアが、クラスメイトの悪口を言いふらしているとか。スカーレットは、複数の相手と交際しているとか。
 しかし、情報だけでは、真実、分かったとは言えない。
 スカーレットとも一度、二人で話をしたいと、バーノンは思っていた。しかし、彼女はいつも男子生徒と一緒にいて、その機会がなかなか訪れず、うんざりし始めていた。
 その矢先、今の出来事に遭遇したのだった。

 バーノンは何気なく廊下の窓を開け、寄りかかった。ディランには、なるべく校舎には入らないよう言ってある。その代わり、使い魔によって、いつでもバーノンの居場所を把握していた。

「何でしょう?」

 すぐに、背後に気配が現れる。バーノンは振り返りもせず、背後のディランに問いかける。

「今のロベリアとスカーレットの一件、見ていたか?」
「スカーレット嬢がロベリア嬢に、わざとぶつかったように見えましたが」

 やはりと、バーノンはうなずく。見間違いではなかった。

「ディラン。今後、しばらくはスカーレットに張りついていろ。もし、スカーレットがロベリアに何か危害を加えようとするなら、その時はロベリアを守れ」
「私がつくのは、スカーレット嬢の方ですか?」
「あぁ。ロベリアには断られたのでな」

 行け。バーノンが命令すると、すぐさまディランの気配は消えた。

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