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2章 夜の友
5-1 少女の告白
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5-1 少女の告白
空になった酒瓶がいくつも床に転がるころ、宴はぼつぼつお開きとなった。ウッドなどの比較的ましな酔い方をした猟師たちが、床で酒瓶とともに寝っ転がる男たちを家まで送っていった。俺は帰り道が同じウィルといっしょだ。あのマーシャは、父親に手を引かれて帰っていった。一度家に帰ってから出直すつもりなんだろうか。
神殿に帰ってくると、ウィルに今晩寝る部屋へ案内してもらった。
「部屋は二部屋のほうがよろしいですか?」
「あー、もし差し支えなければ、そうしてくれると助かる」
「わかりました。どうせ空き部屋ばかりなので、かまいませんよ。ところで、あのフランセスさん、まだ姿が見えないようですが……」
「ああ、うん。きっとまたその辺ふらふらしてるんだと思う」
「こんな夜分にですか?ここは崖沿いの立地ですし、今日は月も隠れてます。慣れないうちにうろつくのはお勧めできませんよ。探したほうが良いのでは……」
「おっと、そういわれると。わかった、迎えに行ってくる」
「私も手伝います」
「いいよ。俺一人で大丈夫。ウィルはここにいて、ほらあの子、マーシャを待っててやらないと」
「それは……そうですが。わかりました。それなら、少し待っていてください、ランタンをお貸しします」
ウィルはぱたぱた走っていくと、火をともしたランタンを持ってきてくれた。俺は礼を言って受け取ると、暗い廊下を通って、裏庭に出た。夜目の利くフランなら足を滑らすこともないだろうし、そんなに心配はしてないけど。それにたぶん、いるのはあそこ……
「やっぱり。まだここにいたのか」
「ん……帰ってきたんだ」
フランは俺を見ると、ゆっくり立ち上がった。フランは別れた時と同じ場所、墓地の真ん中でうずくまっていた。
「……大丈夫か?」
「何が?」
「だって、こんな墓場でうずくまってたら、そら心配するよ」
「そう?わたしはここのほうが落ち着く。どちらかといえば、わたしは“こっち側”だから」
ゾンビだから、墓場が落ち着く?うーん、そういうものなのか。
「あ、フラン。ウィルが部屋を用意してくれたんだ。お前がいなくて、心配してたぞ。いったん戻って、顔だけ見せてやろう」
「わかった」
フランは素直にうなずいた。俺がランタンを掲げて先導する。けどたぶん、フランは俺よりよっぽど夜目が利くはずだ。あの恐ろしい森の暗さは、それこそ今と同じくらい……
「……」
「ん?フラン?」
フランが急に立ち止まって、後ろを振り返った。俺も同じ方向に目を凝らすが、墨みたいな闇ばかりで何も見えない。
「なにかいるのか?」
「今……」
「えっ、なになに怖い!なにが、なにがいるんだよ!」
思わずフランの小さな背中に縋り付いてしまった。だって、ここは墓場で、しかもゾンビが(おまけに夜目の利く)何か見たって言ってるんだぞ!怖いだろ!
「……気のせい、だったみたい。忘れて」
「でたー!それ一番気になるやつだからな!こういう時ってぜってー何かいるんだよ!」
「いいから、早く戻ろう」
「何だったんだよ!?いったい何のゴースト的なのが、そこにいなすったんだよ!?」
「うるさい!歩きにくいから早く離れて!」
最近のゾンビ娘は、冷たい。体温的にも、人情的にも。
俺たちが戻ると、廊下を歩くウィルと鉢合わせた。
「ウィル。見つけてきたよ」
「ああ、お戻りでしたか。無事に見つかって何よりです……あら?フランセスさんは、そんな大きな手袋、されてましたっけ?」
「ああー、これはその、気にしないでくれ。こいつの趣味だから」
俺に趣味をねつ造されて、フランがじぃーっとにらんでいる気がするが、気にしない。俺は口がうまくないんだ。ちょうどそのとき、遠くからドンドン、と戸をたたく音が聞こえてきた。実にいいタイミングだ。俺はウィルの追及を避けるため、話題を切り替えた。
「お。マーシャが来たみたいだな」
「そのようですね。では、私は出てきますので」
「ああ。先に俺たちは部屋に引っ込んでおくよ」
「わかりました。それでは、お休みなさい」
「お休み、ウィル」
ウィルはぺこりと頭を下げると、祭壇の方へと歩いていった。
「ふあぁ……ねむい。今日はずいぶん動いたなぁ。あんなに何度も山登りをするとは」
俺は大あくびをすると、首をぱきぱき鳴らした。対してフランは少しも疲れを感じさせず、しゃんと立っている。フランが打ち上げのことについてたずねてきた。
「どうだった?路銀、確保できそう?」
「あ。その話を忘れてた。メシと寝床はもらえたけど、できれば次の街までの担保も欲しいところだなぁ」
「あれだけ活躍したんだから、報酬はもらっていいはず。最悪あなたの分だけでももらわないと。唯一、生きた人間なんだから」
「そーだな。明日は……ふわ。ウッドに話してみるか。けど今日はもう休もう。ねみぃよ」
俺はあくびを噛み殺して、自分にあてがわれた部屋に向かう。扉を開ける前に、フランに向けて隣の部屋を指さした。
「ウィルに隣の部屋も開けてもらったんだ。フランは、そっちを使っていいぞ」
「え?」
「うん?部屋を分けてもらったんだよ。そっちの方がいいかと思って」
「ふーん……けど、わたしは疲れも、眠りもしないから」
「じゃあ部屋にいても退屈かな。外に出てるか?」
「いい。誰かに見られても面倒だし。ここにいる」
「へ?ここって、俺の部屋にか?」
「うん。だって、暇だから。暇つぶししたいだけだけど……だめ?」
「いや、俺はかまわないけど」
てっきり俺と一緒の部屋は嫌がるかと思ってたのに。まあフランが言うなら、いいか。
「けどフラン、俺ぜったいすぐ寝るぜ。話し相手にもならないと思うけど……」
「いいよ。別に何かしてほしいわけじゃないから」
「そ、そうか?じゃあ悪いけど、先に寝るぞ」
暇つぶししに来たんじゃないのか?ま、いいけど。俺は部屋に入ると、早々にベッドに潜り込む。フランはベッドから少し離れたところに腰を下ろした。なにをするでもなく、ただ座っているだけだ。相変わらずフランの気持ちは読めないけど、長い夜には、誰だって人恋しくもなるものなんだろうか。
「じゃあおやすみ、フラン」
「……ん」
素っ気ない返事を聞いたのを最後に、俺の意識はぷっつり途絶えた。
つづく
====================
読了ありがとうございました。
続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
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空になった酒瓶がいくつも床に転がるころ、宴はぼつぼつお開きとなった。ウッドなどの比較的ましな酔い方をした猟師たちが、床で酒瓶とともに寝っ転がる男たちを家まで送っていった。俺は帰り道が同じウィルといっしょだ。あのマーシャは、父親に手を引かれて帰っていった。一度家に帰ってから出直すつもりなんだろうか。
神殿に帰ってくると、ウィルに今晩寝る部屋へ案内してもらった。
「部屋は二部屋のほうがよろしいですか?」
「あー、もし差し支えなければ、そうしてくれると助かる」
「わかりました。どうせ空き部屋ばかりなので、かまいませんよ。ところで、あのフランセスさん、まだ姿が見えないようですが……」
「ああ、うん。きっとまたその辺ふらふらしてるんだと思う」
「こんな夜分にですか?ここは崖沿いの立地ですし、今日は月も隠れてます。慣れないうちにうろつくのはお勧めできませんよ。探したほうが良いのでは……」
「おっと、そういわれると。わかった、迎えに行ってくる」
「私も手伝います」
「いいよ。俺一人で大丈夫。ウィルはここにいて、ほらあの子、マーシャを待っててやらないと」
「それは……そうですが。わかりました。それなら、少し待っていてください、ランタンをお貸しします」
ウィルはぱたぱた走っていくと、火をともしたランタンを持ってきてくれた。俺は礼を言って受け取ると、暗い廊下を通って、裏庭に出た。夜目の利くフランなら足を滑らすこともないだろうし、そんなに心配はしてないけど。それにたぶん、いるのはあそこ……
「やっぱり。まだここにいたのか」
「ん……帰ってきたんだ」
フランは俺を見ると、ゆっくり立ち上がった。フランは別れた時と同じ場所、墓地の真ん中でうずくまっていた。
「……大丈夫か?」
「何が?」
「だって、こんな墓場でうずくまってたら、そら心配するよ」
「そう?わたしはここのほうが落ち着く。どちらかといえば、わたしは“こっち側”だから」
ゾンビだから、墓場が落ち着く?うーん、そういうものなのか。
「あ、フラン。ウィルが部屋を用意してくれたんだ。お前がいなくて、心配してたぞ。いったん戻って、顔だけ見せてやろう」
「わかった」
フランは素直にうなずいた。俺がランタンを掲げて先導する。けどたぶん、フランは俺よりよっぽど夜目が利くはずだ。あの恐ろしい森の暗さは、それこそ今と同じくらい……
「……」
「ん?フラン?」
フランが急に立ち止まって、後ろを振り返った。俺も同じ方向に目を凝らすが、墨みたいな闇ばかりで何も見えない。
「なにかいるのか?」
「今……」
「えっ、なになに怖い!なにが、なにがいるんだよ!」
思わずフランの小さな背中に縋り付いてしまった。だって、ここは墓場で、しかもゾンビが(おまけに夜目の利く)何か見たって言ってるんだぞ!怖いだろ!
「……気のせい、だったみたい。忘れて」
「でたー!それ一番気になるやつだからな!こういう時ってぜってー何かいるんだよ!」
「いいから、早く戻ろう」
「何だったんだよ!?いったい何のゴースト的なのが、そこにいなすったんだよ!?」
「うるさい!歩きにくいから早く離れて!」
最近のゾンビ娘は、冷たい。体温的にも、人情的にも。
俺たちが戻ると、廊下を歩くウィルと鉢合わせた。
「ウィル。見つけてきたよ」
「ああ、お戻りでしたか。無事に見つかって何よりです……あら?フランセスさんは、そんな大きな手袋、されてましたっけ?」
「ああー、これはその、気にしないでくれ。こいつの趣味だから」
俺に趣味をねつ造されて、フランがじぃーっとにらんでいる気がするが、気にしない。俺は口がうまくないんだ。ちょうどそのとき、遠くからドンドン、と戸をたたく音が聞こえてきた。実にいいタイミングだ。俺はウィルの追及を避けるため、話題を切り替えた。
「お。マーシャが来たみたいだな」
「そのようですね。では、私は出てきますので」
「ああ。先に俺たちは部屋に引っ込んでおくよ」
「わかりました。それでは、お休みなさい」
「お休み、ウィル」
ウィルはぺこりと頭を下げると、祭壇の方へと歩いていった。
「ふあぁ……ねむい。今日はずいぶん動いたなぁ。あんなに何度も山登りをするとは」
俺は大あくびをすると、首をぱきぱき鳴らした。対してフランは少しも疲れを感じさせず、しゃんと立っている。フランが打ち上げのことについてたずねてきた。
「どうだった?路銀、確保できそう?」
「あ。その話を忘れてた。メシと寝床はもらえたけど、できれば次の街までの担保も欲しいところだなぁ」
「あれだけ活躍したんだから、報酬はもらっていいはず。最悪あなたの分だけでももらわないと。唯一、生きた人間なんだから」
「そーだな。明日は……ふわ。ウッドに話してみるか。けど今日はもう休もう。ねみぃよ」
俺はあくびを噛み殺して、自分にあてがわれた部屋に向かう。扉を開ける前に、フランに向けて隣の部屋を指さした。
「ウィルに隣の部屋も開けてもらったんだ。フランは、そっちを使っていいぞ」
「え?」
「うん?部屋を分けてもらったんだよ。そっちの方がいいかと思って」
「ふーん……けど、わたしは疲れも、眠りもしないから」
「じゃあ部屋にいても退屈かな。外に出てるか?」
「いい。誰かに見られても面倒だし。ここにいる」
「へ?ここって、俺の部屋にか?」
「うん。だって、暇だから。暇つぶししたいだけだけど……だめ?」
「いや、俺はかまわないけど」
てっきり俺と一緒の部屋は嫌がるかと思ってたのに。まあフランが言うなら、いいか。
「けどフラン、俺ぜったいすぐ寝るぜ。話し相手にもならないと思うけど……」
「いいよ。別に何かしてほしいわけじゃないから」
「そ、そうか?じゃあ悪いけど、先に寝るぞ」
暇つぶししに来たんじゃないのか?ま、いいけど。俺は部屋に入ると、早々にベッドに潜り込む。フランはベッドから少し離れたところに腰を下ろした。なにをするでもなく、ただ座っているだけだ。相変わらずフランの気持ちは読めないけど、長い夜には、誰だって人恋しくもなるものなんだろうか。
「じゃあおやすみ、フラン」
「……ん」
素っ気ない返事を聞いたのを最後に、俺の意識はぷっつり途絶えた。
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