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石榴の月 第二話⑱
石榴の月~愛され求められ奪われて~
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嘉門の漆黒の瞳の奥底に、お民を憎んでるかのような暗い光がまたたいた。
「おのれ、そなたはそこまで申すか。このに抱かれるのが辱めだと、俺に抱かれるよは死んだ方がマシだと」
ふいの静けさが二人の間に落ちた。
その時、嘉門の中の怒りも憎悪も決定的ものになったことを、お民は迂闊にも知りなかった。
「そうか、であれば、俺はそなたを殺すまいそなたが死よりも厭うという方法で、そなに仕置きをしてやろう」
「―私に何をするつもりなの?」
お民は悲鳴のような声を上げた。
死など恐れはしない。たとえ源治に二度逢えなくなるとしても、この卑劣な男にま慰みものにされるよりはよほど良い。
他の男に抱かれて、再び源治を裏切るよなことになるよりは、よほど良い。
そう思って、死でさえ従容として受け容るつもりだったのに。
お民は再び近づいてくる嘉門を、まるで霊でも見るかのような恐怖に強ばった顔でつめた。
褥にうつ伏せになったお民の上に嘉門のしい身体が覆い被さっていた。狂ったよう抵抗するお民を、嘉門は容易く扱った。おの身体を独楽を回すように回して帯を解き半ば引き裂くようにして着物や肌襦袢、身つけているものすべてをはぎ取った。
一切の行動に荒々しさはなく、ただ淡々機械的に行っているだけに、余計に不気味いうか怖かった。全裸にしたお民の両手をろ手のまま紅絹の紐を使って背中で一つにった。
顔を褥に押しつけられるという屈辱的な勢になったお民の口には布がくわえさせらている。
―自害でもされては、たまらぬからな。
と、耳許で囁かれた。
石澤の屋敷にいる間も、ここまで屈辱的恰好をさせられたことはない。人には言えような体勢や肢体をさせられたことはあっも、少なくとも縛られたり、猿轡をさせらたことは一度もなかったのだ。
嘉門の指先がお民の身体の隅々を丹念にってゆく。お民の感じる部分を知り尽くし男の指に抗えず、快感に白い喉をのけぞらせ声を洩らす。口に布を押し込まれているため大きな声は出ないが、くぐもった声がかすに洩れるのが余計に淫らに聞こえた。
自分で抑制しようとしても、できない。 声を洩らすまいとしても、先に身体の方反応してしまう。しかも愛撫が濃密になれなるほど、お民の身体中の感覚はより鋭敏なり、ほんの少し身体のどこかに口づけらただけで、身を捩らせ、あえかな声を上げしまう。
お民は絶望で気が狂いそうだった。こので自分の生命を絶ってしまえるならば、どほど幸せなことかと思った。
昔から、そうだった。嘉門の愛撫は執拗で的確だ。女の身体のどこに触れればいちば感じるかをよく知っていて、お民がわずかも与えられた刺激によって反応を見せると更に容赦なくその部分を責め立てる。
ぐったりと四肢を投げ出したお民の、そだけは反抗的な光を残した瞳を見下ろして嘉門は肩をすくめてみせた。
まるでまな板の上の魚をひっくり返すよにいとも簡単に、お民の身体を仰向けにする。 それは何とも酷(むご)い光景だった。嘉門はおの両脚を持つと、これ以上は開けないといほど大きく開脚させた。
男にあらゆる角度からからあられもない好を見下ろされ、お民は羞恥に頬を赤らめた。 今度は立て膝をさせられたお民の口から嘉門が布を取った。
「そなたの悩ましい声を聞きとうなった」 太股をいきなり嘗め上げられ、口づけらたお民は、その得体の知れぬ感触に思わずを捩った。
「うっ、ぁあっ、ああ」
嘉門は艶を帯びたお民の声や、切なげな情に感じ入ったように見つめている。
女の乱れた髪やかすかに顰められた眉、ずかに開いた紅椿のような唇。殊に潤んだは露の雫を宿し、何とも言われぬ凄艶な色が溢れている。
その直後、下腹部に突如として滾り切っ熱塊を挿し入れられ、お民は悲鳴を上げた嘉門は躊躇うことなく、一挙に最奥部までと突きに入ってきた。
あまりの痛みと更にそれを上回る快感にお民は褥の上でもんどり打つ。
「いや―、もう、いや、許して、止めて」 延々と与えられる快楽地獄は、まさに〝獄〟と形容するにふさわしい。
涙ぐんだ瞳で訴えるお民の髪を嘉門がひ房掬い、そっと唇を押し当てる。
「そなたはもう、この俺から逃れられぬ。なたの身体は既に俺に馴染んでいる。今にって亭主の許に帰ったとしても、昔のよう恋しい男と暮らせると思うな。確か、そなが暇を取る前にもそう申し聞かせたはずが」
「おのれ、そなたはそこまで申すか。このに抱かれるのが辱めだと、俺に抱かれるよは死んだ方がマシだと」
ふいの静けさが二人の間に落ちた。
その時、嘉門の中の怒りも憎悪も決定的ものになったことを、お民は迂闊にも知りなかった。
「そうか、であれば、俺はそなたを殺すまいそなたが死よりも厭うという方法で、そなに仕置きをしてやろう」
「―私に何をするつもりなの?」
お民は悲鳴のような声を上げた。
死など恐れはしない。たとえ源治に二度逢えなくなるとしても、この卑劣な男にま慰みものにされるよりはよほど良い。
他の男に抱かれて、再び源治を裏切るよなことになるよりは、よほど良い。
そう思って、死でさえ従容として受け容るつもりだったのに。
お民は再び近づいてくる嘉門を、まるで霊でも見るかのような恐怖に強ばった顔でつめた。
褥にうつ伏せになったお民の上に嘉門のしい身体が覆い被さっていた。狂ったよう抵抗するお民を、嘉門は容易く扱った。おの身体を独楽を回すように回して帯を解き半ば引き裂くようにして着物や肌襦袢、身つけているものすべてをはぎ取った。
一切の行動に荒々しさはなく、ただ淡々機械的に行っているだけに、余計に不気味いうか怖かった。全裸にしたお民の両手をろ手のまま紅絹の紐を使って背中で一つにった。
顔を褥に押しつけられるという屈辱的な勢になったお民の口には布がくわえさせらている。
―自害でもされては、たまらぬからな。
と、耳許で囁かれた。
石澤の屋敷にいる間も、ここまで屈辱的恰好をさせられたことはない。人には言えような体勢や肢体をさせられたことはあっも、少なくとも縛られたり、猿轡をさせらたことは一度もなかったのだ。
嘉門の指先がお民の身体の隅々を丹念にってゆく。お民の感じる部分を知り尽くし男の指に抗えず、快感に白い喉をのけぞらせ声を洩らす。口に布を押し込まれているため大きな声は出ないが、くぐもった声がかすに洩れるのが余計に淫らに聞こえた。
自分で抑制しようとしても、できない。 声を洩らすまいとしても、先に身体の方反応してしまう。しかも愛撫が濃密になれなるほど、お民の身体中の感覚はより鋭敏なり、ほんの少し身体のどこかに口づけらただけで、身を捩らせ、あえかな声を上げしまう。
お民は絶望で気が狂いそうだった。こので自分の生命を絶ってしまえるならば、どほど幸せなことかと思った。
昔から、そうだった。嘉門の愛撫は執拗で的確だ。女の身体のどこに触れればいちば感じるかをよく知っていて、お民がわずかも与えられた刺激によって反応を見せると更に容赦なくその部分を責め立てる。
ぐったりと四肢を投げ出したお民の、そだけは反抗的な光を残した瞳を見下ろして嘉門は肩をすくめてみせた。
まるでまな板の上の魚をひっくり返すよにいとも簡単に、お民の身体を仰向けにする。 それは何とも酷(むご)い光景だった。嘉門はおの両脚を持つと、これ以上は開けないといほど大きく開脚させた。
男にあらゆる角度からからあられもない好を見下ろされ、お民は羞恥に頬を赤らめた。 今度は立て膝をさせられたお民の口から嘉門が布を取った。
「そなたの悩ましい声を聞きとうなった」 太股をいきなり嘗め上げられ、口づけらたお民は、その得体の知れぬ感触に思わずを捩った。
「うっ、ぁあっ、ああ」
嘉門は艶を帯びたお民の声や、切なげな情に感じ入ったように見つめている。
女の乱れた髪やかすかに顰められた眉、ずかに開いた紅椿のような唇。殊に潤んだは露の雫を宿し、何とも言われぬ凄艶な色が溢れている。
その直後、下腹部に突如として滾り切っ熱塊を挿し入れられ、お民は悲鳴を上げた嘉門は躊躇うことなく、一挙に最奥部までと突きに入ってきた。
あまりの痛みと更にそれを上回る快感にお民は褥の上でもんどり打つ。
「いや―、もう、いや、許して、止めて」 延々と与えられる快楽地獄は、まさに〝獄〟と形容するにふさわしい。
涙ぐんだ瞳で訴えるお民の髪を嘉門がひ房掬い、そっと唇を押し当てる。
「そなたはもう、この俺から逃れられぬ。なたの身体は既に俺に馴染んでいる。今にって亭主の許に帰ったとしても、昔のよう恋しい男と暮らせると思うな。確か、そなが暇を取る前にもそう申し聞かせたはずが」
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