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身代わり姫の告白
第二話「絶唱~身代わり姫の恋~」
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身代わり姫の告白
政子の死により、幕府内は憂愁に閉ざされたが、世の中には悲喜こもごも、そのひと月後には御台所鞠子の懐妊が正式に発表された。竹御所鞠子は現在、妊娠四ヶ月、侍医の診立てでは母子ともに順調で、出産は来年早々になるとのことだ。
この頃、千種は〝紫(むらさき)のおん方〟とか〝紫(むらさき)の上〟と呼ばれることが多くなっていた。もちろん、これは元々の名前紫(ゆかり)とい名にちなんだものだ。竹御所というのはあくまでも尊称であり、次第にこの〝紫のおん方〟という通称の方が親しまれるようになっていた。
懐妊を知ったその日、頼経は泣いた。
「よくやってくれた。尼御台さまがご存命でおわせば、どれほどに歓ばれたことか」
その言葉を聞くにつけ、千種は心が沈んでゆくばかりだった。愛する男の子を授かったのは素直に嬉しい。が、所詮、自分は紛いものの姫なのだ。
御台所としての自覚も十分に備わりつつある今ですら、その罪にも似た意識はずっと千種の心の底に淀んでいた。その心労のせいか、ほどなく少し遅れて始まった悪阻は千種を苦しめ、食事もろくに喉を通らない有様となった。
懐妊初期には順調と診立てた薬師も、千種の日毎に弱っていく様子に首を傾げ、眉をひそめた。
「御台さまには何かお心にお悩みがあらせられるご様子、特にお身体には気になる障りはございませんゆえ、大方はそのご心痛が元ではないのかと拝察仕ります」
薬師は心労が取り除かれれば、烈しすぎる悪阻も自然に治まってゆくだろうと頼経には告げた。
葉月に入り、暑さは格段に厳しくなった。千種は既に五ヶ月に入り、着帯の儀も滞りなく済ませていた。しかし、この時期になっても、頑固な悪阻はまだ彼女を苛んでいた。医師が処方した薬も効かず、日に日に痩せてゆく妻を若い良人は涙を浮かべて見守った。
「私が代われる者なら、代わってやるものを。許してくれ、そなたがここまで弱るのであれば、子など作るのではなかった」
頼経は多忙な政務の合間を縫い、妻を見舞った。起き上がることもできなくなった千種の口に手ずから木匙で粥を食べさせたり、薬を飲ませたりした。
労り合う夫婦の姿に貴賤はない。頼経が甲斐甲斐しく妻の世話をする姿は御家人の涙を誘った。
それでも、暑かった夏を何とか乗り切り、お腹がいよいよ目立ち始める頃になると、悪阻も次第に治まってきた。
八月の終わり、頼経は千種を伴い、由比ヶ浜へ赴いた。海を見たいという妻のたっての望みをきいてのことだった。
頼経は千種を背負い、市の賑わいを抜けて海まで歩いてきた。二人ともに質素な直垂と小袖を身につけて身をやつしていた。
「海が綺麗」
頼経に背負われたまま、千種は鎌倉の海を熱心に眺めた。由比ヶ浜は今日も海鳴りの音が響いている。鎌倉で生まれ育った千種は、この海鳴りの音に慣れ親しんでいた。この音を聞いていると、いつでも子守歌を聞いている赤児のように幸せな気持ちになったものだ。
「頼経さま、もし、私がこのまま儚くなったら、私をまたここに連れてきて下さいますか?」
唐突な願いに、頼経は憮然として言った。
「そのような願いは到底、受け容れがたい。何故、そなたが儚くなるのだ? 侍医も特に悪いところはないと申している。そなたの気持ちの持ち様が余計に身体を弱らせているのだぞ」
それには応えず、千種は淡く微笑んだまま、海を食い入るように眺めた。
「いつか頼経さまはおっしゃいましたね。鎌倉がお好きだと。私もふるさとのこの海が大好きです。私は生まれたときから、ずっとこの波の音を子守歌代わりにして育ちましたから」
だから、その海の側で眠りたいのです。
呟きが海風に儚く溶けて散った。
頼経がついに感情を爆発させた。
「愚か者めが。私の前で死ぬ死ぬとばかり申すな。私がどれだけそなたに惚れておるか、そなたは存じておるであろうが。鎌倉どのは女房に腑抜けて鼻の下を伸ばしておると御家人ばかりか鎌倉中の笑いものになっておる。そんな―そんな私に」
そこで言葉が途切れた。グスっと洟をすすり、頼経は続けた。
「そなたを失い、ただ一人で生きてゆけと申すのか? そなたはやはり、つれない女だ」
頼経の逞しい肩が小刻みに震えていた。
「そのように不吉な哀しいことばかり申すのなら、もう帰るぞ」
脅すように言うのに、千種は小さな声を立てて笑った。
「申し訳ございません。御所さまを困らせるつもりはなかったのです」
千種は素直に謝り、降ろして欲しいのだと訴えた。
頼経は手頃な流木を探してきて、千種を座らせた。
「やはり背中からの眺めでは物足りぬか?」
頼経が問うので、千種は笑って首を振った。
「いいえ、御所さまの背中から眺める鎌倉の海はいっとう美しうございます」
長身の良人に負われると、海を見下ろす格好になる。小柄な自分の眼線と見るのとはまた異なり、それはそれで趣があった。
頼経が空を仰ぎながら独りごちた。
「今年の夏も終わるな」
「はい」
千種も良人を真似て空を見上げる。はるかな水平線の辺り、蒼い空と海が溶け合い、どこまでか空なのか判らないほど、今日の海は蒼かった。ここまで蒼い海を千種はいまだかつて見たことはない。
頼経の言うように、見上げた空にはうろこ雲が浮かんでいて、もう盛夏の空ではなかった。最愛の男と共に眺めたこの故郷の海を自分は忘れることはないだろうと、千種はぼんやりと考えた。
〝あのこと〟を話すのなら、今をおいてしかない。はっきりと自覚しているわけではなかったけれど、何故か千種は我が身に約束された時間が残り少なくなりつつあることを漠然と感じ取っていた。さしたる根拠があるわけではない。しかし、蝋燭の焔がじりじりと燃え尽きようとするかのように、生命の焔が最後の輝きを放とうとするのをどこかで感じていた。
もし自分の身に何かあれば、鎌倉幕府を根底から揺るがすこの秘密は永遠に誰に知られることもなく葬り去られる。恐らくはそれこそが政子の望んだことに違いない。が、この世でたった一人の愛するひとにはせめて真実を告げて逝きたい。もしかしたら、それは政子を裏切ることになるのかもしれないけれど。
「頼経さま」
妻に名を呼ばれ、頼経が振り向いた。
「何だ?」
その儚い美貌に浮かぶ覚悟の色を見てとったのか、頼経は形の良い眉をつり上げた。
「また不吉なことを申すのなら、今度こそ有無を言わせず連れて帰るぞ」
千種はゆるりと首をめぐらせた。
「いいえ、頼経さまがご心配なさっているような話ではございません。ただ、いささか愕かせてしまうことにはなるかもしれませんが」
半ば戯れ言に紛らわせるように言い。長い睫を伏せ、しばらく鳴り止まぬ海鳴りを聞いていた。次に眼を開いたときの彼女の瞳に、もう迷いはなかった。
頼経が笑いながら言う。
「そのような言い方をされると、かえって何を言われるかと心ノ臓に良くない」
千種は淡く微笑んだ。
「申し訳ありません。ですが、これだけはどうしても今の中にお伝えしておきたいのです」
頼経は優しい眼で妻を見た。
「その打ち明け話とやらを聞かせてくれ」
千種は頷き、息を吸った。やはり、口にするにはかなりの勇気が要る。だが、頼経にだけは真実を告げたい。その想いが勝った。
「私は紫姫ではありません」
放たれたそのひと言に、頼経は訳が判らないといった顔だ。それは当然だろう。千種は四年前の秋、突如として御所に呼び出され、政子から亡き紫姫の身代わりを命じられたときのことを語った。
更にその二ヶ月後の祝言を経て、今に至るのだということも。
千種は他人事のように淡々と語った。あのとき―政子に身代わりを命じられたときは理不尽だと思い、烈しい悲憤を感じたのに、今となっては、まるで過ぎ去った夢の中の出来事のようにしか思えない。
「思えば、紫姫として生きることになったあの瞬間から、夢の中で生きていたのかもしれません。最初は何とも無味乾燥な他人の人生を生きているだけだと空々しい想いを抱いておりましたが、あなたさまと出逢ってから、その夢が幸せな日々に変わりました」
頼経の唇がかすかに震えた。
「そんな馬鹿な―。では、本物の紫は、私の妻になるはずだった女性は既に四年も前に亡くなっていたというのか」
政子の死により、幕府内は憂愁に閉ざされたが、世の中には悲喜こもごも、そのひと月後には御台所鞠子の懐妊が正式に発表された。竹御所鞠子は現在、妊娠四ヶ月、侍医の診立てでは母子ともに順調で、出産は来年早々になるとのことだ。
この頃、千種は〝紫(むらさき)のおん方〟とか〝紫(むらさき)の上〟と呼ばれることが多くなっていた。もちろん、これは元々の名前紫(ゆかり)とい名にちなんだものだ。竹御所というのはあくまでも尊称であり、次第にこの〝紫のおん方〟という通称の方が親しまれるようになっていた。
懐妊を知ったその日、頼経は泣いた。
「よくやってくれた。尼御台さまがご存命でおわせば、どれほどに歓ばれたことか」
その言葉を聞くにつけ、千種は心が沈んでゆくばかりだった。愛する男の子を授かったのは素直に嬉しい。が、所詮、自分は紛いものの姫なのだ。
御台所としての自覚も十分に備わりつつある今ですら、その罪にも似た意識はずっと千種の心の底に淀んでいた。その心労のせいか、ほどなく少し遅れて始まった悪阻は千種を苦しめ、食事もろくに喉を通らない有様となった。
懐妊初期には順調と診立てた薬師も、千種の日毎に弱っていく様子に首を傾げ、眉をひそめた。
「御台さまには何かお心にお悩みがあらせられるご様子、特にお身体には気になる障りはございませんゆえ、大方はそのご心痛が元ではないのかと拝察仕ります」
薬師は心労が取り除かれれば、烈しすぎる悪阻も自然に治まってゆくだろうと頼経には告げた。
葉月に入り、暑さは格段に厳しくなった。千種は既に五ヶ月に入り、着帯の儀も滞りなく済ませていた。しかし、この時期になっても、頑固な悪阻はまだ彼女を苛んでいた。医師が処方した薬も効かず、日に日に痩せてゆく妻を若い良人は涙を浮かべて見守った。
「私が代われる者なら、代わってやるものを。許してくれ、そなたがここまで弱るのであれば、子など作るのではなかった」
頼経は多忙な政務の合間を縫い、妻を見舞った。起き上がることもできなくなった千種の口に手ずから木匙で粥を食べさせたり、薬を飲ませたりした。
労り合う夫婦の姿に貴賤はない。頼経が甲斐甲斐しく妻の世話をする姿は御家人の涙を誘った。
それでも、暑かった夏を何とか乗り切り、お腹がいよいよ目立ち始める頃になると、悪阻も次第に治まってきた。
八月の終わり、頼経は千種を伴い、由比ヶ浜へ赴いた。海を見たいという妻のたっての望みをきいてのことだった。
頼経は千種を背負い、市の賑わいを抜けて海まで歩いてきた。二人ともに質素な直垂と小袖を身につけて身をやつしていた。
「海が綺麗」
頼経に背負われたまま、千種は鎌倉の海を熱心に眺めた。由比ヶ浜は今日も海鳴りの音が響いている。鎌倉で生まれ育った千種は、この海鳴りの音に慣れ親しんでいた。この音を聞いていると、いつでも子守歌を聞いている赤児のように幸せな気持ちになったものだ。
「頼経さま、もし、私がこのまま儚くなったら、私をまたここに連れてきて下さいますか?」
唐突な願いに、頼経は憮然として言った。
「そのような願いは到底、受け容れがたい。何故、そなたが儚くなるのだ? 侍医も特に悪いところはないと申している。そなたの気持ちの持ち様が余計に身体を弱らせているのだぞ」
それには応えず、千種は淡く微笑んだまま、海を食い入るように眺めた。
「いつか頼経さまはおっしゃいましたね。鎌倉がお好きだと。私もふるさとのこの海が大好きです。私は生まれたときから、ずっとこの波の音を子守歌代わりにして育ちましたから」
だから、その海の側で眠りたいのです。
呟きが海風に儚く溶けて散った。
頼経がついに感情を爆発させた。
「愚か者めが。私の前で死ぬ死ぬとばかり申すな。私がどれだけそなたに惚れておるか、そなたは存じておるであろうが。鎌倉どのは女房に腑抜けて鼻の下を伸ばしておると御家人ばかりか鎌倉中の笑いものになっておる。そんな―そんな私に」
そこで言葉が途切れた。グスっと洟をすすり、頼経は続けた。
「そなたを失い、ただ一人で生きてゆけと申すのか? そなたはやはり、つれない女だ」
頼経の逞しい肩が小刻みに震えていた。
「そのように不吉な哀しいことばかり申すのなら、もう帰るぞ」
脅すように言うのに、千種は小さな声を立てて笑った。
「申し訳ございません。御所さまを困らせるつもりはなかったのです」
千種は素直に謝り、降ろして欲しいのだと訴えた。
頼経は手頃な流木を探してきて、千種を座らせた。
「やはり背中からの眺めでは物足りぬか?」
頼経が問うので、千種は笑って首を振った。
「いいえ、御所さまの背中から眺める鎌倉の海はいっとう美しうございます」
長身の良人に負われると、海を見下ろす格好になる。小柄な自分の眼線と見るのとはまた異なり、それはそれで趣があった。
頼経が空を仰ぎながら独りごちた。
「今年の夏も終わるな」
「はい」
千種も良人を真似て空を見上げる。はるかな水平線の辺り、蒼い空と海が溶け合い、どこまでか空なのか判らないほど、今日の海は蒼かった。ここまで蒼い海を千種はいまだかつて見たことはない。
頼経の言うように、見上げた空にはうろこ雲が浮かんでいて、もう盛夏の空ではなかった。最愛の男と共に眺めたこの故郷の海を自分は忘れることはないだろうと、千種はぼんやりと考えた。
〝あのこと〟を話すのなら、今をおいてしかない。はっきりと自覚しているわけではなかったけれど、何故か千種は我が身に約束された時間が残り少なくなりつつあることを漠然と感じ取っていた。さしたる根拠があるわけではない。しかし、蝋燭の焔がじりじりと燃え尽きようとするかのように、生命の焔が最後の輝きを放とうとするのをどこかで感じていた。
もし自分の身に何かあれば、鎌倉幕府を根底から揺るがすこの秘密は永遠に誰に知られることもなく葬り去られる。恐らくはそれこそが政子の望んだことに違いない。が、この世でたった一人の愛するひとにはせめて真実を告げて逝きたい。もしかしたら、それは政子を裏切ることになるのかもしれないけれど。
「頼経さま」
妻に名を呼ばれ、頼経が振り向いた。
「何だ?」
その儚い美貌に浮かぶ覚悟の色を見てとったのか、頼経は形の良い眉をつり上げた。
「また不吉なことを申すのなら、今度こそ有無を言わせず連れて帰るぞ」
千種はゆるりと首をめぐらせた。
「いいえ、頼経さまがご心配なさっているような話ではございません。ただ、いささか愕かせてしまうことにはなるかもしれませんが」
半ば戯れ言に紛らわせるように言い。長い睫を伏せ、しばらく鳴り止まぬ海鳴りを聞いていた。次に眼を開いたときの彼女の瞳に、もう迷いはなかった。
頼経が笑いながら言う。
「そのような言い方をされると、かえって何を言われるかと心ノ臓に良くない」
千種は淡く微笑んだ。
「申し訳ありません。ですが、これだけはどうしても今の中にお伝えしておきたいのです」
頼経は優しい眼で妻を見た。
「その打ち明け話とやらを聞かせてくれ」
千種は頷き、息を吸った。やはり、口にするにはかなりの勇気が要る。だが、頼経にだけは真実を告げたい。その想いが勝った。
「私は紫姫ではありません」
放たれたそのひと言に、頼経は訳が判らないといった顔だ。それは当然だろう。千種は四年前の秋、突如として御所に呼び出され、政子から亡き紫姫の身代わりを命じられたときのことを語った。
更にその二ヶ月後の祝言を経て、今に至るのだということも。
千種は他人事のように淡々と語った。あのとき―政子に身代わりを命じられたときは理不尽だと思い、烈しい悲憤を感じたのに、今となっては、まるで過ぎ去った夢の中の出来事のようにしか思えない。
「思えば、紫姫として生きることになったあの瞬間から、夢の中で生きていたのかもしれません。最初は何とも無味乾燥な他人の人生を生きているだけだと空々しい想いを抱いておりましたが、あなたさまと出逢ってから、その夢が幸せな日々に変わりました」
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