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国王との謁見
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ーー時を遡ってアンジェリカの誕生日前日。
学園を休んだヴィンセントはゼインと共に王宮を訪ねていた。
「ヴィンセント! どうしたんだ? いったい」
国王に呼ばれて謁見の間に駆けつけたウィリアムは、重臣達の目の前にヴィンセントがいることに驚いていた。国王が口を開き、彼に告げた。
「ウィリアム。お前にも王太子として知っておいてもらわねばならんから呼んだのだ」
「何をですか?」
「『白い魔法使い』の存在だ」
「『白い魔法使い』?」
「そうだ。この世には、未だ魔法というものは存在している。数は少なくなったが、魔法の絡む事件というのは時々起こるのだ。そして、それは魔法使いによってしか解決出来ない」
ウィリアムは信じられないという表情で聞いていた。
「わしも、これまでの治世の中で魔法に出会ったことは無い。だが、魔法による事件が起こった時はアステリアの『白い魔法使い』に相談せよと、わしも父から教わっていた。各国のトップにも、その事は共有されている。だからこそ、アステリアは重要な国としてどの国からも尊重されているのだ」
「では父上、もしや今、魔法の絡む事件が起こっているという事ですか?」
国王は頷いた。
「後はこの『白い魔法使い』ゼイン殿が話してくれるだろう」
ゼインが進み出て話し始めた。
「王太子殿下、私がゼインでございます。私の齢は一千年を超え、その間ずっとアステリアの王族と共に歩んで参りました。なぜなら、彼らは私の子孫だからです」
ヴィンセントも頷きながら聞いていた。
「ですから、ヴィンセント殿下にも魔法の気配を感じる能力があります。そのため、学園で気配を感じた殿下に呼ばれて、私が参ったのです」
「学園で?」
「ああ、そうだ。僕は先週、ある人物から魔法の気配を感じ取った。それでゼインに調べてもらうために呼んだんだよ」
「恐ろしいことだな……! それはいったい誰なんだ?」
「ウォルターだ」
「な……! ウォルターは、魔法使いだったのか?」
「いえ、恐らく、何らかのアイテムを手に入れたのでしょう。彼は病弱で成長も遅いようだと殿下から聞いております。それはつまり、何者かが彼の生命力を使って魔法を使用しているということを表しています」
「どんな魔法を使っているのか? まさか国家転覆を狙っているのか」
「いえ、どうやら個人的な願いのようです。昨日、ヴィンセント殿下の婚約式に立ち会いましたが、お相手のアンジェリカ様に魔法がかけられておりました」
「アンジェリカに? ああ、でもそれは頷けるな。ウォルターは異常なまでにアンジェリカに執着していた」
「アンジェリカ様の頭上に描かれていた術式によると、アンジェリカ様が十八歳の誕生日を迎える瞬間に魔法が完了するようです」
国王が口を開いた。
「してゼイン殿、その誕生日はいつなのか」
「明日だと、お聞きしました」
重臣達はざわめいた。
「ゼイン殿、どのような魔法がかけられておるのか?」
「まだちょっとわかりません。かけた本人の所へ行ってみないと。という訳で、今から強制捜査に入りますので、軍の精鋭をお借りしたい」
「もちろんだ。既に準備は出来ておる」
「では、すぐにモーガンの家に向かわせて下さい。私から合図があるまで屋敷の外に待機しておくように。それでは私はここから行ってきますので」
そう言ってパチンと指を鳴らすと、ゼインの姿は消えた。
「き、消えた……!」
あえて派手な退場をしたな、とヴィンセントは思った。これくらいの事をしないと、魔法だなんて信じてもらえないのだ。
学園を休んだヴィンセントはゼインと共に王宮を訪ねていた。
「ヴィンセント! どうしたんだ? いったい」
国王に呼ばれて謁見の間に駆けつけたウィリアムは、重臣達の目の前にヴィンセントがいることに驚いていた。国王が口を開き、彼に告げた。
「ウィリアム。お前にも王太子として知っておいてもらわねばならんから呼んだのだ」
「何をですか?」
「『白い魔法使い』の存在だ」
「『白い魔法使い』?」
「そうだ。この世には、未だ魔法というものは存在している。数は少なくなったが、魔法の絡む事件というのは時々起こるのだ。そして、それは魔法使いによってしか解決出来ない」
ウィリアムは信じられないという表情で聞いていた。
「わしも、これまでの治世の中で魔法に出会ったことは無い。だが、魔法による事件が起こった時はアステリアの『白い魔法使い』に相談せよと、わしも父から教わっていた。各国のトップにも、その事は共有されている。だからこそ、アステリアは重要な国としてどの国からも尊重されているのだ」
「では父上、もしや今、魔法の絡む事件が起こっているという事ですか?」
国王は頷いた。
「後はこの『白い魔法使い』ゼイン殿が話してくれるだろう」
ゼインが進み出て話し始めた。
「王太子殿下、私がゼインでございます。私の齢は一千年を超え、その間ずっとアステリアの王族と共に歩んで参りました。なぜなら、彼らは私の子孫だからです」
ヴィンセントも頷きながら聞いていた。
「ですから、ヴィンセント殿下にも魔法の気配を感じる能力があります。そのため、学園で気配を感じた殿下に呼ばれて、私が参ったのです」
「学園で?」
「ああ、そうだ。僕は先週、ある人物から魔法の気配を感じ取った。それでゼインに調べてもらうために呼んだんだよ」
「恐ろしいことだな……! それはいったい誰なんだ?」
「ウォルターだ」
「な……! ウォルターは、魔法使いだったのか?」
「いえ、恐らく、何らかのアイテムを手に入れたのでしょう。彼は病弱で成長も遅いようだと殿下から聞いております。それはつまり、何者かが彼の生命力を使って魔法を使用しているということを表しています」
「どんな魔法を使っているのか? まさか国家転覆を狙っているのか」
「いえ、どうやら個人的な願いのようです。昨日、ヴィンセント殿下の婚約式に立ち会いましたが、お相手のアンジェリカ様に魔法がかけられておりました」
「アンジェリカに? ああ、でもそれは頷けるな。ウォルターは異常なまでにアンジェリカに執着していた」
「アンジェリカ様の頭上に描かれていた術式によると、アンジェリカ様が十八歳の誕生日を迎える瞬間に魔法が完了するようです」
国王が口を開いた。
「してゼイン殿、その誕生日はいつなのか」
「明日だと、お聞きしました」
重臣達はざわめいた。
「ゼイン殿、どのような魔法がかけられておるのか?」
「まだちょっとわかりません。かけた本人の所へ行ってみないと。という訳で、今から強制捜査に入りますので、軍の精鋭をお借りしたい」
「もちろんだ。既に準備は出来ておる」
「では、すぐにモーガンの家に向かわせて下さい。私から合図があるまで屋敷の外に待機しておくように。それでは私はここから行ってきますので」
そう言ってパチンと指を鳴らすと、ゼインの姿は消えた。
「き、消えた……!」
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