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2.王子たちの言い分(「いいわけ」と読む)
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「発言をお許し下さい。
私はリリーが泣いて居る所に遭遇し、何故ないて居るのか尋ねた所、
ロゼッタに水を掛けられたのだと、ずぶ濡れの状態で訴えて来たのです」
そう発言したのは宰相の子息ロイド・グラナート。
「自分は制服をズタズタにされ途方に暮れてる所に出くわしました。
誰にヤラれたのかと尋ねた所、ロゼッタだろうと聞かされました」
今度の発言は騎士団長の子息ライアン・ストーム。
「オレが遭遇したのは教科書が破られた現場でした。
聞けばロゼッタから王子に近づくなと言われ破られたのだと聞かされました」
財務大臣子息サイラス・ベンドルトンもリリアンナが被害を受けた現場に居合わせたと主張した。
「・・・では問おう。
その現場に居合わせた、というならば娘…
ロゼッタが行ったと目撃したのだろうな?」
絶対零度な声音で皇帝陛下が問いかけたものの、
2人が「いいえ」と答え会場がザワザワとなる。
「目撃してないのに証言だけで断罪?」「有り得ない」
「皇女殿下には常に護衛が居るから突き落とし…は完全に有り得ないのに…」
王子、宰相の息子、財務大臣の息子が戸惑う。
「どう…いう…事…だ?ロゼッタが皇女?」「聞いておりません父上」
王子と宰相の息子が最初に声を発した。
「・・・馬鹿だ馬鹿だと思って居たが、そこまで馬鹿に成り下がって居たのか。
皇女殿下が留学されて来る事は3年前に通達され、必ず守れと言明したのを忘れたのか?」
そう問うたのは宰相。
「いえ、忘れてはおりません。しかし、彼女が皇女殿下で有ると聞かされて…」
居ないと言おうとして言葉は遮られる。
「やはり、お前は馬鹿なのだな。
ロゼッタ姫のフルネームを先ほど、王子が発言したではないか」
「え・・?え・・え・・・?!
ロゼッタ・ヴァルハラ?ヴァッ…ヴァルハラ帝国!?」
(((今更?!)))
盛大な溜息を吐き出す騎士団長ガレス・ストーム。
「お前も同じ…なのか?皇女殿下がロゼッタ姫で有る…と知らなかったのか?」
財務大臣エドウィン・ベンドルントンが息子を睨みつけ問い正す。
「・・・いえ…知っては居ましたが同一人物で有るとは思って居ませんでした」
(((は?ロゼッタ・ヴァルハラ姫を別人だと思ってた?アホか?阿保だな)))
3人中2人が、皇女の顔を「知らない」とは何事だとは思うが、コレが現実なのだから洒落にならない。
「・・・皆の者、卒業おめでとう…は出来ない状態となってしまった。
これにて失業式は終えるが、王子、騎士団長子息、宰相子息、財務大臣子息、
リリアンナ・ヴァンス、そして…申し訳ないのだが、
皇帝陛下と皇女殿下。残って頂けるだろうか?」
本当に申し訳なさげな顔で皇帝陛下に残って貰いたい旨を伝えた陛下。
「・・・我は一向にかまわん。
我が娘が有りもしない罪で咎められるなど見ていて腹が立つ。
証拠が、そこな女子だと言うだけでも腹立たしいのに…
上位貴族が挙って姫を知らぬとは、いささか、この国の教育に不安を覚える」
「本当に申し開きも有りませぬ。別室にそやつらを連れて行け。
皇帝陛下と皇女殿下も移動して頂ければ…と」
「あい判った」「判りましたわ」
こうして波乱の卒業式は終わり、新たなる攻防戦が別室で繰り広げられることとなった
[外野]この国、大丈夫か?
私はリリーが泣いて居る所に遭遇し、何故ないて居るのか尋ねた所、
ロゼッタに水を掛けられたのだと、ずぶ濡れの状態で訴えて来たのです」
そう発言したのは宰相の子息ロイド・グラナート。
「自分は制服をズタズタにされ途方に暮れてる所に出くわしました。
誰にヤラれたのかと尋ねた所、ロゼッタだろうと聞かされました」
今度の発言は騎士団長の子息ライアン・ストーム。
「オレが遭遇したのは教科書が破られた現場でした。
聞けばロゼッタから王子に近づくなと言われ破られたのだと聞かされました」
財務大臣子息サイラス・ベンドルトンもリリアンナが被害を受けた現場に居合わせたと主張した。
「・・・では問おう。
その現場に居合わせた、というならば娘…
ロゼッタが行ったと目撃したのだろうな?」
絶対零度な声音で皇帝陛下が問いかけたものの、
2人が「いいえ」と答え会場がザワザワとなる。
「目撃してないのに証言だけで断罪?」「有り得ない」
「皇女殿下には常に護衛が居るから突き落とし…は完全に有り得ないのに…」
王子、宰相の息子、財務大臣の息子が戸惑う。
「どう…いう…事…だ?ロゼッタが皇女?」「聞いておりません父上」
王子と宰相の息子が最初に声を発した。
「・・・馬鹿だ馬鹿だと思って居たが、そこまで馬鹿に成り下がって居たのか。
皇女殿下が留学されて来る事は3年前に通達され、必ず守れと言明したのを忘れたのか?」
そう問うたのは宰相。
「いえ、忘れてはおりません。しかし、彼女が皇女殿下で有ると聞かされて…」
居ないと言おうとして言葉は遮られる。
「やはり、お前は馬鹿なのだな。
ロゼッタ姫のフルネームを先ほど、王子が発言したではないか」
「え・・?え・・え・・・?!
ロゼッタ・ヴァルハラ?ヴァッ…ヴァルハラ帝国!?」
(((今更?!)))
盛大な溜息を吐き出す騎士団長ガレス・ストーム。
「お前も同じ…なのか?皇女殿下がロゼッタ姫で有る…と知らなかったのか?」
財務大臣エドウィン・ベンドルントンが息子を睨みつけ問い正す。
「・・・いえ…知っては居ましたが同一人物で有るとは思って居ませんでした」
(((は?ロゼッタ・ヴァルハラ姫を別人だと思ってた?アホか?阿保だな)))
3人中2人が、皇女の顔を「知らない」とは何事だとは思うが、コレが現実なのだから洒落にならない。
「・・・皆の者、卒業おめでとう…は出来ない状態となってしまった。
これにて失業式は終えるが、王子、騎士団長子息、宰相子息、財務大臣子息、
リリアンナ・ヴァンス、そして…申し訳ないのだが、
皇帝陛下と皇女殿下。残って頂けるだろうか?」
本当に申し訳なさげな顔で皇帝陛下に残って貰いたい旨を伝えた陛下。
「・・・我は一向にかまわん。
我が娘が有りもしない罪で咎められるなど見ていて腹が立つ。
証拠が、そこな女子だと言うだけでも腹立たしいのに…
上位貴族が挙って姫を知らぬとは、いささか、この国の教育に不安を覚える」
「本当に申し開きも有りませぬ。別室にそやつらを連れて行け。
皇帝陛下と皇女殿下も移動して頂ければ…と」
「あい判った」「判りましたわ」
こうして波乱の卒業式は終わり、新たなる攻防戦が別室で繰り広げられることとなった
[外野]この国、大丈夫か?
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