異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

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王城編

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 * * * *

 翌朝、第二王子付きと定められた侍女がアレクの部屋にカーテンを開ける為、入って行き

(たかが平民のくせに第二王子様ですって?!殺してしまいましょう)

 と暗殺者として送り込まれてしまうのだが、アレクには殺気は気づかれてしまう訳で

「・・・良いのか?
 俺を殺してしまえば王家に刃向かった者として
 懲罰を受けお家断絶すら有り得るんだぞ?」

 とナイフが突き刺される前に枕に忍ばせて居た短剣を突き付けて居た。

「なっ!?何故…(気付いたのよ!)」

「気付いた事が信じられないのか?
 今日までに命が狙われる事が日常だったからな、
 殺気には敏感なのさ。
 とは言えランフォース様の命に従わなかったら
 どうなるか判ってて暗殺しに来たのか?」

 命が狙われる可能性を考えて居たのだろう、ライが慌てて掛け込んで来た。

「アレク無事か?!」


 彼女は俺の侍女として来たんだよね?」

「(兄と呼んでくれた!)勿論だ、
 アレクの世話をさせる為に派遣したのだが…
 どう言うつもりだ?」

 威圧され顔面蒼白になりならがらも答える侍女。

「そ…れ…はっ…ランフォース様お1人が王子であらせられ…」

「アレク陛下の庶子で有ると判明したのにか?」

「・・・・・・」

 もう何も答えられなくなってしまう。

「くっ…自害して証拠を残す事はしない…か。アレク」

「はい」

「バルト殿に部屋を警備して貰う事を願い出たので、
 これからは安心できると思う」

「私の世話は自分でしますので、お気遣いなく」

 それしか自分を守る術はないように思えた。

「ひと月…ひと月の辛抱だと思う。
 必ずアレクの世話をする侍女と執事を選定しよう」

「・・・無理はなさらないで下さい。
 が倒れて困る人は多いですから…」

「兄と呼んでくれて嬉しいよ」

「・・・慣れなければなりませんから。
 そうしなければ断罪すると意気込む輩を蔓延らせる結果となるのは見えてますし、
 それ以上にライ兄さんが困る事は避けたいから…」

 こんな優しい兄が居てくれたら、どんなに心強かったか…。

 転生前の私は一人っ子で苛められる事が多々、有った。

 自殺を考えた事すら有ったのに生きて居たのは「死んでしまえば負けを認める事となる」と言い聞かせたから。

 苛める人は何かしら欠点が有り、その欠点を持って無いから苛める、もしくは苛めるに至る「何か」を持って居たからにすぎない。

 ランフォース様を兄として接する事で自分の地位を維持する事が出来るので有れば、慣れて行かなければ命の保証すら無いと肝に銘じる事にした。

「アレク…苦労して来たのだな」

「これからも苦労する事になると思います。
 恐らく私が居た村から3名の馬鹿どもが…」

 そう…奴らは執念で追いかけて来るのは目に見えて居る。

 剣の腕を妬み色々と仕掛けて来た奴らが、諦めて村に留まる訳が無い。

 必ず王都を目指し、俺の命を狙うだろう。

 第二王子としての生活に一歩、足を踏み入れたアレクは困難な道のりを選んだのだ
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