50 / 92
王城編
49(ネイサンside)
しおりを挟む
* * * *
王城で生活し始めた等とは知らないネイサンは、アレクとバルトが村に居ない事に気付き何処へ「逃げたのだ」と怒り心頭だった。
「アイツら恐れをなして逃げ出したに違いないよネイサン」
「そうだよ、アレクとバルトより強い男は村に君しか居ないんだから」
自分より強く恰好良いアレクが憎たらしかった。
老若男女問わず好かれる性格、それに美しい面立ち。
所作すら平民とは思えぬ程に繊細だったからこそ、怪我を負わし動きを封じようとしたが、上手く行かなかった。
「・・・うるせぇよ。奴との決着がついて居ないのに、
逃げられたと有っては俺の恨みは消えやしねーよ」
ネイサンはアレクに「勝たなければ」気が済まないのだ。
そんな時、王都から戻って来たで有ろう商人が王都で見聞きした情報を村人へと話して居た。
「何でも第二王子様と言う方が見つかったそうでな、
爵位が有る全ての人物へ通達するそうだ」
「目出度い事では有るが、
何故、見つかったと言うんだろうな」
「何でも?王様が王妃様と婚姻する前に
恋人関係だった女性との間に子供が居たと最近、
判ったそうでな、数日中にはお披露目されるらしい」
「爵位の有る人物だけが顔を拝見できるって言うのは
判るんだがな、俺たちだって知りたいよなぁ」
「姿絵は書かれるんじゃないか?
流石に第二王子様ともなれば公爵以上の身分しか
嫁として望んで貰えないだろうがな」
「確かになー」
大人は噂が好きだな…とネイサンは思ったのだが、次の言葉で凍り付き怒りが込み上げる事になる。
「で、第二王子様の名前とかは知り得て居るのか?」
「確かアレクシス・デ・ギルヴィア様と言うらしい」
「「「アレクシスだとぉ?!」」」
「お前たち、ここだから許されるが王都でアレクシス様を呼び捨てにしたら
不敬罪で処罰を受けるぞ?」
「す、すみません、おじさん。
俺たちの幼馴染が同じ名だったから
びっくりして…」
(まさかだよな?まさかあのアレクが第二王子とか言うんじゃないだろうな)
「そう言えば村のアレクシスとバルトが居なくなってるな。
まあバルトは騎士になると言ってたから、
一緒に王都へ向かったのかもしれないな」
「顔見世ってするのでしょうか」
「ああ王都では民に第二王子を紹介する意味も込めてお披露目は有るらしいが、
何時あるか、って言うのは聞いて無いよ」
(だったら今から出立しても間に合うかも知れない)
バルトとアレクに一度でもイイから勝利したい…と言う思いでネイサンは、他の2名と共に王都へ向け村を出て行く決意を決めた(彼らが王子で有るアレクに挑んだとしても負けると言う事に気付く事は無い)
王城で生活し始めた等とは知らないネイサンは、アレクとバルトが村に居ない事に気付き何処へ「逃げたのだ」と怒り心頭だった。
「アイツら恐れをなして逃げ出したに違いないよネイサン」
「そうだよ、アレクとバルトより強い男は村に君しか居ないんだから」
自分より強く恰好良いアレクが憎たらしかった。
老若男女問わず好かれる性格、それに美しい面立ち。
所作すら平民とは思えぬ程に繊細だったからこそ、怪我を負わし動きを封じようとしたが、上手く行かなかった。
「・・・うるせぇよ。奴との決着がついて居ないのに、
逃げられたと有っては俺の恨みは消えやしねーよ」
ネイサンはアレクに「勝たなければ」気が済まないのだ。
そんな時、王都から戻って来たで有ろう商人が王都で見聞きした情報を村人へと話して居た。
「何でも第二王子様と言う方が見つかったそうでな、
爵位が有る全ての人物へ通達するそうだ」
「目出度い事では有るが、
何故、見つかったと言うんだろうな」
「何でも?王様が王妃様と婚姻する前に
恋人関係だった女性との間に子供が居たと最近、
判ったそうでな、数日中にはお披露目されるらしい」
「爵位の有る人物だけが顔を拝見できるって言うのは
判るんだがな、俺たちだって知りたいよなぁ」
「姿絵は書かれるんじゃないか?
流石に第二王子様ともなれば公爵以上の身分しか
嫁として望んで貰えないだろうがな」
「確かになー」
大人は噂が好きだな…とネイサンは思ったのだが、次の言葉で凍り付き怒りが込み上げる事になる。
「で、第二王子様の名前とかは知り得て居るのか?」
「確かアレクシス・デ・ギルヴィア様と言うらしい」
「「「アレクシスだとぉ?!」」」
「お前たち、ここだから許されるが王都でアレクシス様を呼び捨てにしたら
不敬罪で処罰を受けるぞ?」
「す、すみません、おじさん。
俺たちの幼馴染が同じ名だったから
びっくりして…」
(まさかだよな?まさかあのアレクが第二王子とか言うんじゃないだろうな)
「そう言えば村のアレクシスとバルトが居なくなってるな。
まあバルトは騎士になると言ってたから、
一緒に王都へ向かったのかもしれないな」
「顔見世ってするのでしょうか」
「ああ王都では民に第二王子を紹介する意味も込めてお披露目は有るらしいが、
何時あるか、って言うのは聞いて無いよ」
(だったら今から出立しても間に合うかも知れない)
バルトとアレクに一度でもイイから勝利したい…と言う思いでネイサンは、他の2名と共に王都へ向け村を出て行く決意を決めた(彼らが王子で有るアレクに挑んだとしても負けると言う事に気付く事は無い)
25
あなたにおすすめの小説
【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
余命半年のはずが?異世界生活始めます
ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明…
不運が重なり、途方に暮れていると…
確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
竜皇女と呼ばれた娘
Aoi
ファンタジー
この世に生を授かり間もなくして捨てられしまった赤子は洞窟を棲み処にしていた竜イグニスに拾われヴァイオレットと名づけられ育てられた
ヴァイオレットはイグニスともう一頭の竜バシリッサの元でスクスクと育ち十六の歳になる
その歳まで人間と交流する機会がなかったヴァイオレットは友達を作る為に学校に通うことを望んだ
国で一番のグレディス魔法学校の入学試験を受け無事入学を果たし念願の友達も作れて順風満帆な生活を送っていたが、ある日衝撃の事実を告げられ……
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる