異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~

文字の大きさ
51 / 92
王城編

50

しおりを挟む
 * * * *

 アレクのクローゼットに次から次へと第二王子として着用するで有ろう洋服が揃えられて行く。

「しかし…凄い光景だな」

 バルトが使用人たちが無言で次々と服を収納して行く様を見て呆れて居た。

「まあ第二王子と言う存在が、
 事が許せないんだろうよ。
 例え
 そして居ると
 としても
 存在をとしたいんだろう」

 アレクの言葉を聞いて、ようやく事の重大性に気付いたらしい荷物を運び入れて居た使用人たちは、一斉に

「「「「「申し訳ございません」」」」」

 と謝罪の言葉と共に最大級のお辞儀を慣行して居た。

 様子を見に来たライが、その光景を見て

「周知させたつもりで居たのだが、そなたたちはアレクを冷遇して居たのだな?」

 と絶対零度の態度で声を掛けた。

「・・・はい・・・申し訳ないのですが…彼を第二王子と認めたくないのです」

「ふ~ん…本来はアレクが兄だと言ってもかい?」

「「「「「えっ?!」」」」」

「アレクの方が先に生まれ私が後だ。
 彼の母は元を正せば侯爵令嬢、
 王家に嫁いで来ても不思議は無い身分だった。
 だが、彼女の親が罪を犯し、平民に身分を落とした。
 父上が恋に落ち駆け落ちまでしようとした女性だ。
 王の血を受け継いで居る彼を冷遇すれば王家に背くと
 判ってやって居たのかな?」

 代表者を含め、全員が顔色を青から白へと変えて行く。

「・・・浅はかにも理解しておりませんでした」

「全員、処罰される覚悟を持って
 無視すると言う行為を行って居たのか?」

「「「「「はい」」」」

「追って沙汰を下す。部屋から出て行きなさい」

「はい」

 すごすごと退散していく侍女や従者たち。

「はぁ…。明日には公爵から男爵まで爵位を持つ者が
 大挙してアレクが第二王子となった事を知ると言うのに…
 まだ冷遇する輩が居るのか」

「仕方ない事です兄さん。
 私は元々平民、しかも孤児だったんです。
 それが男爵でも子爵でもなく王子と言う
 最高位の身分になるのですから、
 恨まれたり妬まれるのは当然かと」

「それでもアレクが冷遇されて良い訳じゃないだろ!」

 今まで静観して居たバルトは怒り心頭。

 あれ以上の態度を示したら切り捨てるつもりで剣に手を掛けて居たのだ。

「バルト、よくそれを抜かなかったな」

「堪忍袋の緒が切れる寸前だったんだぞ?!
 第二王子と言う身分を忘れ、目の前に居る
 元平民に対する嫌味がヒシヒシと感じられてたんだ。
 抜かずに堪えた俺も、どうかしてるとは思うがな!」

「明日だ…明日までの辛抱だ、
 必ずアレクを第二王子と認めさせてみせるから」

「兄さん、ありがとう」

 魔法が無いのにアレクが危険になりそうな時、必ず助けに来るライに全幅の信頼をバルトは寄せて居る。

 彼の…いや彼らの為なら命など、惜しくない…と思うまでになって明日のお披露目式に臨む事になるのだ
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!

桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。 「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。 異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。 初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!

余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明… 不運が重なり、途方に暮れていると… 確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

竜皇女と呼ばれた娘

Aoi
ファンタジー
この世に生を授かり間もなくして捨てられしまった赤子は洞窟を棲み処にしていた竜イグニスに拾われヴァイオレットと名づけられ育てられた ヴァイオレットはイグニスともう一頭の竜バシリッサの元でスクスクと育ち十六の歳になる その歳まで人間と交流する機会がなかったヴァイオレットは友達を作る為に学校に通うことを望んだ 国で一番のグレディス魔法学校の入学試験を受け無事入学を果たし念願の友達も作れて順風満帆な生活を送っていたが、ある日衝撃の事実を告げられ……

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...