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83.床に伏せて抱えていた風呂椅子が爆発した女は、デスゲームの舞台となる建物が建っている土地の情報を知っていた。なぜ?
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デスゲームにいると自覚がない女からは、デスゲーム脱出の条件を、聞き出せない。
この部屋の中で、異質な存在は、野村レオくらいだが、野村レオは、知っているだろうか?
野村レオに近づくタイミングがあれば、聞けるか?
近づくタイミングがあっても、近づいた途端に殺されるのは、御免だ。
野村レオと接触をはかる段取りは、後回しにして、べつのことを考える。
デスゲームが行われている建物がある市町村が、デスゲーム運営の業務内容にノータッチだったら。
デスゲームの舞台となる建物から参加者がいなくなる事態を、行政は歓迎しないのではないか。
デスゲーム運営が、デスゲームに支障をきたすと判断して、デスゲームの舞台を変更するような事態が起きたら?
例えば、デスゲームの参加者が脱走して、デスゲームのことを誰かに広めた場合。
市町村は、デスゲームの舞台が移動しないように動くのではないか。
国が絡む過疎化対策であれば、尚のこと。
国から補助金が出ているかもしれない。
補助金が、市町村の財源になっていたら?
デスゲーム運営がデスゲームの舞台を構えていることで、市町村には、デスゲーム参加者として流入した住民分の税金を徴収できた。
個人が納める税金の総額より補助金の金額の方が多ければ、住民の数が重要ではないか。
デスゲーム運営が、デスゲームの舞台を他の場所へ移したら、デスゲーム参加者としてカウントしていた住民がいなくなる。
ゴーストタウンから、再び人がいなくなる。
人がいないから、さらにゴーストタウン化が進む。
デスゲームの舞台となる建物がある市町村は、デスゲームの舞台となる建物から参加者がいなくならないことを望むのではないか。
デスゲームが、この地で行われなくなると、市町村は収入源を失い、住民もいなくなる。
デスゲーム参加者だと知られた場合。
デスゲームの舞台となる建物からは出られても、建物が建っているゴーストタウンから出ていくことは難しいのではないか。
つらつら、と考えて、俺は、ふと、自分の顔に手をやった。
デスゲーム参加者は、全員、顔を隠していない。
俺も、顔をさらしている。
全世界にではないが、面が割れている、デスゲーム参加者に行き先があるとすれば、どこだ?
墓の中以外で。
顔を変えるのも除外で。
ハコさんというラキちゃんの知り合いは、衣食住の保証もなく、行き先が見つからないから、デスゲームに舞い戻ってきたという俺の推測は外れてはいないと思う。
行き先がないから、とデスゲームに舞い戻るのは、御免だ。
デスゲームを脱出して、デスゲームに舞い戻ってきたら、殺されるまでの猶予がない気がする。
ハコさんは、運営側のオーちゃんから、死ぬように仕向けられた。
デスゲームを脱出後の行き先がないなら、デスゲーム運営と交渉するしかない。
どんな交渉を?
俺が考え込んでいると。
俺が女の台詞に影響されて考えあぐねていると、女は解釈したらしい。
「疑わしいわよね?
だから、あなたに、私の後を頼みたいのよ。」
と女。
ひとの話を聞けよ。
「頼むな、と言っているだろう。」
「私の話を聞いたら、気が変わったわよね?」
と女。
「変わってたまるか。」
難易度が上がったデスゲームでドボンしないために、俺の頭はフル回転。
「いいわ。外に出たら、私の仲間に連絡して。」
と女。
「しつこい。
仲間がいるなら、仲間も調べているだろう?
仲間に働かせておけ。
俺を働かせるな。」
「使う人がいない、安くなっていて、買い手もいない土地がある。
買いたい人がいるなら買わせたらいい。
そう思わない?」
と女。
デスゲーム運営は、女が誰かに売りつけるために目星をつけていた土地を買い上げるか、長期の貸借契約を結んでデスゲームに使っているのか。
女が目をつけたのが先か。
デスゲーム運営が使ったのが先か。
女が、土地を調査していたと話していたのは、誰かに売りつける土地を探していたから。
女の仲間も、女が売りつける先も、楽して生きたい俺にとっては、関わらない方がいい部類だ。
女とその仲間は、売り買いの仲介手数料、もしくは、調査料で稼いでいる。
デスゲームと同じく、関わらないにこしたことはない。
関わらなければ、関わらないままで生きていけるが、
一度関わると抜け出せない。
大金も達成感も、人生に必要かもしれないが。
生きていくだけで、緊張を強いられるような生活は、いらない。
デスゲームから出たら、俺は、リスクのない平穏な人生を選ぶ。
「どこの不動産ブローカーだろうと、その話の続きは聞きたくない。
どこの誰が、なんの目的でゴーストタウン化した土地を買い集めているか、とか俺には話すな。」
「話を聞かなくてもいいわ。
私が帰ってこなかったら、仲間が迎えにくる手筈になっている。
仲間には、私は死んだと伝えてくれたらいい。」
と女。
「俺は、仲間とやらに近寄らないし、誰についてのコメントもしない。」
デスゲームから脱出して、デスゲームの参加者に関するコメントをしたら?
デスゲームに逆戻りする未来が見える。
俺は、我が身が可愛い。
俺と女が話をしている間に、北白川サナは、精力的に動いていた。
北白川サナと俺と同じ壁にいて、蚊から逃れようと粉塵まみれになったものの、突然苦しがって倒れた男は倒れたままでいる。
粉塵で呼吸困難か?
北白川サナは、倒れている男の両手首を鎌で切りつけた。
その後、風呂椅子を顔面と側頭部にくらって、床に倒れているぽちゃ女の両手首も同じように、切りつけた。
男の顔は、溺れた人のように、呼吸ができないと苦しむ表情のまま。
男の手首から流れる血は、どろっとしている。
鮮血ではない。
鎌で切られる前に、男は既に息絶えていたのだろう。
ぽちゃ女は、両手首から血をダラダラとこぼしている。
北白川サナは、仕事が早い。
野村レオと加地さんは、どうしているのか、と探すと。
野村レオの手にある鎌の刃は銀色のまま。
北白川サナの手にある鎌の刃のように血がついていない。
野村レオは、まだ、鎌を使っていない。
加地さんが、野村レオの行く手を阻んでいた。
この部屋の中で、異質な存在は、野村レオくらいだが、野村レオは、知っているだろうか?
野村レオに近づくタイミングがあれば、聞けるか?
近づくタイミングがあっても、近づいた途端に殺されるのは、御免だ。
野村レオと接触をはかる段取りは、後回しにして、べつのことを考える。
デスゲームが行われている建物がある市町村が、デスゲーム運営の業務内容にノータッチだったら。
デスゲームの舞台となる建物から参加者がいなくなる事態を、行政は歓迎しないのではないか。
デスゲーム運営が、デスゲームに支障をきたすと判断して、デスゲームの舞台を変更するような事態が起きたら?
例えば、デスゲームの参加者が脱走して、デスゲームのことを誰かに広めた場合。
市町村は、デスゲームの舞台が移動しないように動くのではないか。
国が絡む過疎化対策であれば、尚のこと。
国から補助金が出ているかもしれない。
補助金が、市町村の財源になっていたら?
デスゲーム運営がデスゲームの舞台を構えていることで、市町村には、デスゲーム参加者として流入した住民分の税金を徴収できた。
個人が納める税金の総額より補助金の金額の方が多ければ、住民の数が重要ではないか。
デスゲーム運営が、デスゲームの舞台を他の場所へ移したら、デスゲーム参加者としてカウントしていた住民がいなくなる。
ゴーストタウンから、再び人がいなくなる。
人がいないから、さらにゴーストタウン化が進む。
デスゲームの舞台となる建物がある市町村は、デスゲームの舞台となる建物から参加者がいなくならないことを望むのではないか。
デスゲームが、この地で行われなくなると、市町村は収入源を失い、住民もいなくなる。
デスゲーム参加者だと知られた場合。
デスゲームの舞台となる建物からは出られても、建物が建っているゴーストタウンから出ていくことは難しいのではないか。
つらつら、と考えて、俺は、ふと、自分の顔に手をやった。
デスゲーム参加者は、全員、顔を隠していない。
俺も、顔をさらしている。
全世界にではないが、面が割れている、デスゲーム参加者に行き先があるとすれば、どこだ?
墓の中以外で。
顔を変えるのも除外で。
ハコさんというラキちゃんの知り合いは、衣食住の保証もなく、行き先が見つからないから、デスゲームに舞い戻ってきたという俺の推測は外れてはいないと思う。
行き先がないから、とデスゲームに舞い戻るのは、御免だ。
デスゲームを脱出して、デスゲームに舞い戻ってきたら、殺されるまでの猶予がない気がする。
ハコさんは、運営側のオーちゃんから、死ぬように仕向けられた。
デスゲームを脱出後の行き先がないなら、デスゲーム運営と交渉するしかない。
どんな交渉を?
俺が考え込んでいると。
俺が女の台詞に影響されて考えあぐねていると、女は解釈したらしい。
「疑わしいわよね?
だから、あなたに、私の後を頼みたいのよ。」
と女。
ひとの話を聞けよ。
「頼むな、と言っているだろう。」
「私の話を聞いたら、気が変わったわよね?」
と女。
「変わってたまるか。」
難易度が上がったデスゲームでドボンしないために、俺の頭はフル回転。
「いいわ。外に出たら、私の仲間に連絡して。」
と女。
「しつこい。
仲間がいるなら、仲間も調べているだろう?
仲間に働かせておけ。
俺を働かせるな。」
「使う人がいない、安くなっていて、買い手もいない土地がある。
買いたい人がいるなら買わせたらいい。
そう思わない?」
と女。
デスゲーム運営は、女が誰かに売りつけるために目星をつけていた土地を買い上げるか、長期の貸借契約を結んでデスゲームに使っているのか。
女が目をつけたのが先か。
デスゲーム運営が使ったのが先か。
女が、土地を調査していたと話していたのは、誰かに売りつける土地を探していたから。
女の仲間も、女が売りつける先も、楽して生きたい俺にとっては、関わらない方がいい部類だ。
女とその仲間は、売り買いの仲介手数料、もしくは、調査料で稼いでいる。
デスゲームと同じく、関わらないにこしたことはない。
関わらなければ、関わらないままで生きていけるが、
一度関わると抜け出せない。
大金も達成感も、人生に必要かもしれないが。
生きていくだけで、緊張を強いられるような生活は、いらない。
デスゲームから出たら、俺は、リスクのない平穏な人生を選ぶ。
「どこの不動産ブローカーだろうと、その話の続きは聞きたくない。
どこの誰が、なんの目的でゴーストタウン化した土地を買い集めているか、とか俺には話すな。」
「話を聞かなくてもいいわ。
私が帰ってこなかったら、仲間が迎えにくる手筈になっている。
仲間には、私は死んだと伝えてくれたらいい。」
と女。
「俺は、仲間とやらに近寄らないし、誰についてのコメントもしない。」
デスゲームから脱出して、デスゲームの参加者に関するコメントをしたら?
デスゲームに逆戻りする未来が見える。
俺は、我が身が可愛い。
俺と女が話をしている間に、北白川サナは、精力的に動いていた。
北白川サナと俺と同じ壁にいて、蚊から逃れようと粉塵まみれになったものの、突然苦しがって倒れた男は倒れたままでいる。
粉塵で呼吸困難か?
北白川サナは、倒れている男の両手首を鎌で切りつけた。
その後、風呂椅子を顔面と側頭部にくらって、床に倒れているぽちゃ女の両手首も同じように、切りつけた。
男の顔は、溺れた人のように、呼吸ができないと苦しむ表情のまま。
男の手首から流れる血は、どろっとしている。
鮮血ではない。
鎌で切られる前に、男は既に息絶えていたのだろう。
ぽちゃ女は、両手首から血をダラダラとこぼしている。
北白川サナは、仕事が早い。
野村レオと加地さんは、どうしているのか、と探すと。
野村レオの手にある鎌の刃は銀色のまま。
北白川サナの手にある鎌の刃のように血がついていない。
野村レオは、まだ、鎌を使っていない。
加地さんが、野村レオの行く手を阻んでいた。
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