71 / 673
第5章 いつになったら、日本に帰れますか?
71.公爵に対するあたりの強さは、何なんでしょう。心当たりはありますか?
しおりを挟む
公爵の執務室で、罵声を聞く日が来るとは、誰が想像したかな?
男は、オレに罵声を浴びせながら、執務室の扉を開けて出ていった。
あいつ、今日、仕事しなかったなー。
おや、仏頂面が六人、男について行った。
部屋に残った仏頂面は?
ゼロ!
クズしかいないのかなー?
クズの楽園か?
あいつらにとって、上司のオレより、公爵の下で、一年間サボっていた男の方がついていく価値があるんだなー。
公爵がいて、このザマか。
根深いな。
原因は、何だ?
身内以外いなくなった執務室で、話をしよう。
在宅勤務の成果は、公爵の執務室に入る前に国王陛下に提出してきたからなー。
昨日の続きの整理整頓をしながら、話をするぞー。
「包み隠さず、話せよ。
クズ対策をしないとな。
あいつらの公爵に対するあたりの強さは、何だ?」
オレは、公爵、公爵の秘書、オレの秘書の顔を順番に見た。
「あの男は、公爵家の分家です。」
とオレの秘書。
「分家が、本家より偉いのか?」
「公爵家の本家は、当代で終わるので。」
とオレの秘書。
ん?終わり?
ああ、そっか。
「公爵が、オレと結婚したからだな。
次代を残さないと分かっているから、公爵家本家の影響力が落ちた。
分家が力をつけて、逆転現象が起きたのか。」
結婚は、公爵の決断だからなー。
公爵も、秘書も、この扱いに甘んじているのか?
「オレが来る前から、分家の男には、ナメられていただろ?理由は?」
「先代のご当主とも、良好な関係ではありませんでしたが。」
と公爵の秘書。
「黙らせていた?本家の力とか、仕事の経験値とか、人脈とかで。」
「はい。」
と公爵の秘書。
全部、公爵に無いものばかり。
これから、備えようとすると、国王陛下の全面的なバックアップがいる。
公爵の苦境を釣り餌にしていた国王陛下は、公爵をバックアップすると約束しても、はしごを外してきそうだな。
「王城の仕事は、全部、誰かに引き継いで、公爵は、公爵領の統治に専念したらどうかな?」
魔王を倒した功績があるから、表立って、どうこうしない。
でもなー。
魔王の記憶が風化したら、今より扱いが悪くなるぞ?
公爵の両親が消失する前は、公爵は、とても大事にされていたんだと思う。
家の中でも、外でも。
公爵と公爵の秘書は、まだその時の感覚で判断しているんだろうな。
親鳥がいなくなったために、周りの認識が変わったが、親鳥の羽の下で守られてきた記憶が強くて、現実についていけていない。
公爵、公爵の秘書、オレの秘書の三人は、揃って、動きを止めた。
「公爵が、苦しみながら、一年間、王城勤務した結果を目の当たりにしたら、さ。
仕事に行け、とは、もう言わないな、オレは。
公爵が気に入っていて、公爵を大事にしてくれる公爵領で、公爵は一生過ごす。公爵の死と共に、土地と爵位を国に返す。
問題ないだろう?」
「問題ない。」
と公爵。
公爵の顔が元気になった。
秘書二人は、顔を見合わせている。
判断がつきかねるよなー。
「公爵が、元気じゃなくなるような環境でわざわざ働く意味はないだろう?」
オレは、秘書二人に話しかける。
「公爵が、王城で働くことで、公爵と公爵家に利することはあったか?
どちらも、不利益しかこうむっていないぞ?
しかも、王城中で、国王陛下を筆頭に、全員で、見て見ぬふり。」
秘書二人の胸には、去来する思いがあったのか、二人とも、強く頷いた。
「よし、今日は、帰って、作戦会議だ。
引き止められたら、引き止めるための条件をふっかけて、条件のむまで、公爵領に引きこもるぞ。」
オレ達は、意気揚々と公爵の執務室を出た。
オレは、この世界を色々と甘く見すぎていたんだ。
昨日から順調だったから。
オレ達は、王城で、お喋りなんかせずに、さっさと帰っておくべきだったんだ。
男は、オレに罵声を浴びせながら、執務室の扉を開けて出ていった。
あいつ、今日、仕事しなかったなー。
おや、仏頂面が六人、男について行った。
部屋に残った仏頂面は?
ゼロ!
クズしかいないのかなー?
クズの楽園か?
あいつらにとって、上司のオレより、公爵の下で、一年間サボっていた男の方がついていく価値があるんだなー。
公爵がいて、このザマか。
根深いな。
原因は、何だ?
身内以外いなくなった執務室で、話をしよう。
在宅勤務の成果は、公爵の執務室に入る前に国王陛下に提出してきたからなー。
昨日の続きの整理整頓をしながら、話をするぞー。
「包み隠さず、話せよ。
クズ対策をしないとな。
あいつらの公爵に対するあたりの強さは、何だ?」
オレは、公爵、公爵の秘書、オレの秘書の顔を順番に見た。
「あの男は、公爵家の分家です。」
とオレの秘書。
「分家が、本家より偉いのか?」
「公爵家の本家は、当代で終わるので。」
とオレの秘書。
ん?終わり?
ああ、そっか。
「公爵が、オレと結婚したからだな。
次代を残さないと分かっているから、公爵家本家の影響力が落ちた。
分家が力をつけて、逆転現象が起きたのか。」
結婚は、公爵の決断だからなー。
公爵も、秘書も、この扱いに甘んじているのか?
「オレが来る前から、分家の男には、ナメられていただろ?理由は?」
「先代のご当主とも、良好な関係ではありませんでしたが。」
と公爵の秘書。
「黙らせていた?本家の力とか、仕事の経験値とか、人脈とかで。」
「はい。」
と公爵の秘書。
全部、公爵に無いものばかり。
これから、備えようとすると、国王陛下の全面的なバックアップがいる。
公爵の苦境を釣り餌にしていた国王陛下は、公爵をバックアップすると約束しても、はしごを外してきそうだな。
「王城の仕事は、全部、誰かに引き継いで、公爵は、公爵領の統治に専念したらどうかな?」
魔王を倒した功績があるから、表立って、どうこうしない。
でもなー。
魔王の記憶が風化したら、今より扱いが悪くなるぞ?
公爵の両親が消失する前は、公爵は、とても大事にされていたんだと思う。
家の中でも、外でも。
公爵と公爵の秘書は、まだその時の感覚で判断しているんだろうな。
親鳥がいなくなったために、周りの認識が変わったが、親鳥の羽の下で守られてきた記憶が強くて、現実についていけていない。
公爵、公爵の秘書、オレの秘書の三人は、揃って、動きを止めた。
「公爵が、苦しみながら、一年間、王城勤務した結果を目の当たりにしたら、さ。
仕事に行け、とは、もう言わないな、オレは。
公爵が気に入っていて、公爵を大事にしてくれる公爵領で、公爵は一生過ごす。公爵の死と共に、土地と爵位を国に返す。
問題ないだろう?」
「問題ない。」
と公爵。
公爵の顔が元気になった。
秘書二人は、顔を見合わせている。
判断がつきかねるよなー。
「公爵が、元気じゃなくなるような環境でわざわざ働く意味はないだろう?」
オレは、秘書二人に話しかける。
「公爵が、王城で働くことで、公爵と公爵家に利することはあったか?
どちらも、不利益しかこうむっていないぞ?
しかも、王城中で、国王陛下を筆頭に、全員で、見て見ぬふり。」
秘書二人の胸には、去来する思いがあったのか、二人とも、強く頷いた。
「よし、今日は、帰って、作戦会議だ。
引き止められたら、引き止めるための条件をふっかけて、条件のむまで、公爵領に引きこもるぞ。」
オレ達は、意気揚々と公爵の執務室を出た。
オレは、この世界を色々と甘く見すぎていたんだ。
昨日から順調だったから。
オレ達は、王城で、お喋りなんかせずに、さっさと帰っておくべきだったんだ。
160
あなたにおすすめの小説
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います
黄金
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻!
だったら離婚したい!
ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。
お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。
本編61話まで
番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。
※細目キャラが好きなので書いてます。
多くの方に読んでいただき嬉しいです。
コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
天使のような子の怪我の手当てをしたら氷の王子に懐かれました
藤吉めぐみ
BL
12/23後日談追加しました。
=================
高校の養護教諭の世凪は、放課後の見回り中にプールに落ちてしまう。カナヅチの世凪は、そのまま溺れたと思ったが、気づくと全く知らない場所にある小さな池に座り込んでいた。
ここがどこなのか、何がどうなったのか分からない世凪に、「かあさま」と呼んで近づく小さな男の子。彼の怪我の手当てをしたら、世凪は不審者として捕まってしまう。
そんな世凪を助けてくれたのは、「氷の王子」と呼ばれるこの国の第二王子アドウェル。
冷淡で表情も変わらない人だと周りに言われたが、世凪に対するアドウェルは、穏やかで優しくて、理想の王子様でドキドキしてしまう世凪。でも王子は世凪に母親を重ねているようで……
優しい年下王子様×異世界転移してきた前向き養護教諭の互いを知って認めていくあたたかな恋の話です。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
【完結】水と夢の中の太陽
エウラ
BL
何の前触れもなく異世界の神という存在に異世界転移された、遠藤虹妃。
神が言うには、本来ならこちらの世界で生きるはずが、まれに起こる時空の歪みに巻き込まれて、生まれて間もなく地球に飛ばされたそう。
この世界に戻ったからといって特に使命はなく、神曰く運命を正しただけと。
生まれ持った能力とお詫びの加護を貰って。剣と魔法の世界で目指せスローライフ。
ヤマなしオチなし意味なしで、ほのぼの系を予定。(しかし予定は未定)
長くなりそうなので長編に切り替えます。
今後ややR18な場面が出るかも。どこら辺の描写からアウトなのかちょっと微妙なので、念の為。
読んで下さってありがとうございます。
お気に入り登録嬉しいです。
行き当たりばったり、不定期更新。
一応完結。後日談的なのを何話か投稿予定なのでまだ「連載中」です。
後日譚終わり、完結にしました。
読んで下さってありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる