《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第5章 いつになったら、日本に帰れますか?

73.誘拐されたままです。配下との歓迎会を強要されています。

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オレは、公爵家の分家の男についていった文官に声をかけた。
「王城でオレが話しかけたときは、誰も返事をしていなかったな。
王城で働きたくなかったのか?」

「やれやれ。貧乏くじをひいたことに気づかないんですねえ。」
と分家の男。

「誰が貧乏くじだ?」

分家の男の方が貧乏くじだろう。
誘拐されたオレに顔を見られているからな?

オレを生かして帰すなら、実行犯で捕まるぞ?

「歓迎会をしなくてはいけなくなりましたからねえ、歓迎会をしましょうかねえ。」

なんで、男は余裕なんだ?

「歓迎会?」

新人歓迎会か?

オレは、新人の上司だよなー。

「歓迎して下さいよ。貴方の部下を。全員ね?」

こいつらを歓迎する?

誘拐しておいて、歓迎しろって?

公爵家の分家と王城の文官を意のままに動かせる首謀者か。

オレを誘拐した実行犯は、ならず者じゃないんだろうな。

依頼じゃなく、命令を受けて、誘拐したんだろう。

誰だ?

オレを傷つけず、生かしておくことに意味があるのか。

絞られてはくるな。

発見後、オレが傷だらけになっていたり、死んでいたりしたら、公爵は、怒り悲しむと思う。

公爵にとって、オレは、この世にたった一人。
全力で甘えられる唯一の家族。

オレに公爵の側にいてほしくないけれど、オレが公爵の側からいなくなったことについて、公爵から恨まれたくないのか?

思い当たるのは、国王陛下だなー。

国王陛下は、公爵の友人という顔を公爵には見せてきた。

公爵の苦労に介入しなかった国王陛下。

国王陛下にとって、公爵の利用価値は、どこにある?

公爵と友人でいる態度を公爵には崩さない。

国王陛下は、公爵が、国王陛下を友人としてみるように動いている。

公爵自身に価値がある?

公爵自身というと、魔王討伐の英雄?

英雄がヒントか?

英雄とセットになるのは、神子様だな。

神子様は、物理的にオレを排除するだけで、満足出来るかな?

神子様の倫理観で、どこまでが平気なラインか、分からないからさー。

自分で直接手を下さなければ、どこまでも、他人事でいられるタイプはなー。

人が死んでも、ふーん、もう邪魔者はいないんだ、良かった、で終わる。

神子様は、自分で危ない橋を渡ることはしないだろうな。

神子様の周りがさせない。

「傷つけるのは、ダメだそうですが。可愛がるのは認められているんですよ。良かったですねえ。」

下卑た笑い方が、オレの身に起こることをオレに悟らせた。

歓迎しろ、体で、ということか。

『お宅の奥さん、他所の男とよろしくやっていたよ?』
という現場を見せつけたいのか、公爵に。

オレに懐いている公爵に、オレの艶事の現場を見せて、ショックを与えたいのか。

作戦的の内容は、神子様っぽいなー。

オレに公爵をとられる!と警戒していたからな、神子様は。

公爵がオレのあられもない姿を見て、ショックを受けたところを、神子様が慰めるパターンか?

神子様には、神子様の命令に従い、手足になって動く人間はいないよな?

国王陛下と神子様が組んだか?

公爵がオレという伴侶を得て、自分自身を取り戻していくのは、国王陛下は、喜ばしくなかった?

本当に、クズばかりだ。

胸糞悪い。

オレは、クズどものクズな望みのために、今から。

でもな。

全部が全部、クズの思い通りにはさせやしない。

オレだって、意地があるからな。
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