《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。

かざみはら まなか

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第9章 オレはケレメイン大公国の大公妃殿下です。

554.初めての視察でお世話になり、オレとクロードの結婚式でもお世話になった大店の主人に来てもらって、愛こんにゃく家の結婚式の取りまとめを。

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カズラくんは、オレからのお礼をまだ決められないというので。

愛こんにゃく家の結婚式の打ち合わせに合流することにした。

愛こんにゃく家の結婚式の打ち合わせ会場は、熱気がこもるくらい、意見が飛び交っていた。

「大公妃殿下。」
と大店の主人。

ケレメイン公爵の伴侶になったオレが、外出したい、とヤグルマさんに訴えたら、公務でお出かけすることになった先の大店の主人。

オレは、大店の主人をマウンテン王国に呼び寄せて、愛こんにゃく家の結婚式についての打ち合わせの取りまとめを頼んだ。

オレとクロードの結婚式についても担当してもらっている。

大店の主人に任せると、痒いところに手が届くから、安心なんだよな。

何しろ、国家事業だからさ。

国威高揚。

景気創出。

友好国の演出。

ケレメイン大公国初の国家事業の指揮は、大公妃のオレが執る。

愛こんにゃく家の結婚式に関わる全ての人が大成功を喜べるように。

結婚式に関する製品の発注先は、ケレメイン公爵領のときにオレが視察した工房をとその関連を含めるようにと、大店の主人に指示してある。

ケレメイン大公国の経済を回すためには、ケレメイン大公国内の商人を使うのが一番いい。

分かってはいるんだけどなー。

オレ、ケレメイン大公国の商人と信頼関係を築けていないんだよなー。

ケレメイン大公国内で、ケレメイン家と長い付き合いの商人ほど、サーバル王国の王女シガラキノ様の嫁入りのための大公妃予算の横領事件に深く関わっている。

ケレメイン大公家の家人と商人の信頼関係が、オレと商人の信頼関係を上回っている状態が改善されていないんだよな。

大公妃予算の横領問題で、大公家の家人は処分して、家人と結託して横領に加担した商人にも責任をとらせた。

大公妃予算の横領問題の禊が済んでいない商人を、大々的に国家事業に使うわけにはいかない。

オレとクロードの、横領に関わった商人に対する心象が悪いのは、勿論なんだけどな。

ケレメイン大公国内の商人のオレに対する心象も悪い。

ケレメイン大公領で、ケレメイン公爵家時代から付き合いがあり、ケレメイン家の勝手が分かっている商人のほぼ全てが、オレの名前を聞くと手を引くくらいに悪い。

びっくりしたなー。

ケレメイン大公家やクロードが表に出ているときは、何も言わなかったのに。

横領に関わらなかった商人も、横領に関わった商人の代わりに、と手を挙げてることはなく。

軒並み、ケレメイン公爵家時代の御用商人に右に倣えしている。

癒着の次は談合?

やる気もなく、信用もできない商人に仕事を発注するのはなー。

ということで、オレは、大店の主人に発注した。

大店の主人が、ケレメイン公爵領の商人の調整をしつつ、可能な分から、順次、オレとの間をとりもっていく、という手はずになっている。

オレとしては、ケレメイン大公国内の全ての商人に積極的に愛こんにゃく家の結婚式を盛り上げてもらいたい。

愛こんにゃく家の結婚式にケチをつけたくない。

それに。

大事業になるからさ。

大公妃が主導する国のやり方には賛同できないからと参加しなかったら、儲け損なうんだよな。

国家事業に非協力的なことは、商人としての格を上げることにならない。

後々、国内の商人を蔑ろにした、と責められることがあるかもしれないけれど、責められるのは、商人も同じ。

この世界は、日本とは違う。

国家事業に携われる機会を自らフイにするのは、長い目で見ると商人自身の首を絞めることになる。

だから、本当は、オレは商人と向き合い、互いの落としどころを探り合わないといけない。

でも。

商人の相手をするのに時間をとったり、頭を使っても、成果が出そうにない。

間に大店の主人を介すことで、商人の反発を抑え、オレの悩みを軽減させることにした。

愛こんにゃく家の結婚式という国家事業は、大店の主人にもケレメイン大公国にも損がない取引。

オレの初公務先となった経緯は、大店の主人は、マウンテン王国の中枢の不穏さを感じ取って、英雄であり、マウンテン王国の王女を祖母に持つケレメイン公爵クロードへの肩入れを決めたからっぽい。

マウンテン王国の国王陛下をはじめとする中枢の危うさは、商機に敏感な商人の方が危機感を覚えるほどだったんだな。

愛こんにゃく家の結婚式に格式張ったことに慣れているプロの商人は絶対にいる、とオレは思っていた。

お祝いに使う品を選ばないといけないけれど、何を選べばいいか分からないからさ。

分からない者同士で悩むより、専門家を混ぜて、相談しながら、希望を出す。

この方法なら、後々、後悔しないものを選べる。

愛こんにゃく家と愛こんにゃく家の家族は、萎縮せずに会話をしていた。

「結婚式かー。オレのときは、途中から色々あったなー。」
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